ローカリティ!時代の開拓者たち

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「どうせ無理」をなくし、人の可能性を解放する人材育成のパイオニア【東京都千代田区】

4 min
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「どうせ無理だから」
その一言が、人の挑戦を止め、組織の未来を閉ざしてきた場面を、私たちはこれまでに何度見てきたでしょうか。

株式会社ジェイックは、“無意識の常識”と向き合い続けてきた企業です。

中小企業向けの社員教育から始まり、若者の就職支援、企業への人材紹介、管理職へのマネジメント支援へと事業を広げながら、一貫して問い続けてきたのは「人の可能性は、どこで閉ざされてしまうのか」という一点でした。

「可能性を羽ばたかせる」「強みが輝く世界をつくる」というミッション・ビジョンを掲げるジェイックの、取締役 兼 常務執行役員の近藤浩充さんにお話を伺い、背景にある思想と、数万人の人生に伴走してきた実践の歩みをたどります。

人材育成は経営者の悩みの種。「人に向き合う」事業を展開

ジェイックの歴史は、少し意外なところから始まります。

現在の代表である佐藤剛志さんが、約35年前に別事業を行っていたユーティーサービス株式会社(旧社名)を買い取ったのが始まりでした。

佐藤さんは会社を買い取る前、コンサルティング会社で中小企業の経営支援をしていました。その中でいちばん得意だったのが、社員教育でした。中小企業の経営者は、事業分野では強みを発揮していても、社員育成や採用といったHR領域で壁にぶつかることが少なくありません。経営者の人たちの話を聞いていくと、最終的に行き着くのは「人をどう育てればいいかわからない」という悩みでした。

こうしてジェイックは「人に向き合う」人材育成事業へと舵を切ることになりました。

やがて育成を支援する企業が増え始めると、今度は経営者から「いい人がいたら紹介してほしい」という声が集まり、人材紹介へと事業が広がっていきました。

ジェイックの「顧客の声に向き合う」という姿勢の積み重ねは、現在の事業基盤を形づくっています。

リーマンショックが突きつけた問い。採用現場で必要なのは能力ではない評価軸

次にジェイックの思想を決定づけた転機が、2008年のリーマンショックでした。大学を卒業しても正社員になれない若者が急増し、ジェイックにも多くの20代が登録するようになりました。

「彼らを見ていて、ポテンシャルがあるのに、本当に正社員になれないのか?これはもったいない!と強く思ったんです」近藤さんはこの時の思いを話します。

しかし、企業側の声は「一から育てる余裕はない」という厳しいものでした。

そこで始まったのが「就職カレッジ」。それは、ビジネスマナーや営業研修などを無償で提供し、修了者を企業へ紹介するというフリーター向けの就職支援事業でした。

不況下で就職が困難だった若者たちや企業から「社会貢献性の高い事業」と喜ばれ、結果として「就職カレッジ」はジェイックの看板事業に成長し、これまでに約4万人が面接会に参加しています。

この経験により採用現場での市場評価は能力の有無で決めつけられないという確信が生まれました。

「どうせ無理」をなくす。何度も見てきた、人が変わる瞬間

取材を通して、近藤さんの口から何度も繰り返された言葉があります。

「なくしたいのは、『どうせ無理』という言葉なんです」

ジェイックが向き合ってきたのは、就職カレッジに来る若者やマネジメントに悩む管理職。最初に口にするのは同じ言葉だといいます。

「自分でも良い就職ができるでしょうか…」

「部下のマネジメントがうまくできません…」

しかし、その人たちに近藤さんは首を横に振ります。

「私たちが向き合ってきたのは、能力がない人ではありません。できないと“思い込んでしまった人”なんです」

研修の中で対話を重ね自分の強みを言語化し、小さな成功体験を積む。そして、できないと思い込んでしまったとらわれを外していく。

「過去の挫折や、同期と違う歩みは欠点ではありません。むしろ武器になることもある。ことなかれ主義で無難に生きてきた人より、よほど強みになることもあります。自分に自信を持った人の顔は、本当に変わるんです」

内定をもらった若者も、腹をくくって部下と向き合い始めた管理職も、自分に自信を持った人の顔は、本当に変わると近藤さんは言葉を強めます。

人の可能性を閉ざしているのは、能力ではありません。「できないと思い込んでしまう心」、そこを変えていくというのが、ジェイックの事業です。

思い込みを解放し、「可能性を羽ばたかせる」

「できないと思い込んでしまう心」を変えていく。ジェイックのその実感は、ミッション・ビジョンとして言葉になりました。

「可能性を羽ばたかせる」「強みが輝く世界をつくる」

「可能性とは、本当は備わっているのに気づいていない“翼”のこと。可能性は外から与えるものではなく、もともと内側にあるもの。そして『弱み』を矯正するのではなく、『強み』に光を当てること」と近藤さんは説明します。できない理由ではなく、できる可能性を見つけるのです。

ジェイックのミッション・ビジョンは理想論ではありません。「どうせ無理」と向き合い続けた現場の積み重ねが、言葉になったものなのです。

管理しないマネジメント。人的資本時代の組織づくり

価値観が多様化し、高度経済成長期のような「管理統制型」のマネジメントは機能しにくくなっていると近藤さんは説明します。

そこでジェイックがまず取り組んだのは、自社の組織づくりを変えることでした。

その土台が、全社員必須の世界的ベストセラー書籍を基にした「7つの習慣®」研修です。

ここでは、全てが自分から始まり自分は何ができるかという「インサイドアウト」という考え方を学びます。 「どうせ無理」と環境のせいにするのではなく、自分の行動から変えていくという視点です。

また、デール・カーネギーの著書『人を動かす』等で有名な「デール・カーネギー・トレーニング」研修も取り入れています。
“若いからできない” “フリーターだから頑張れない”と決めつけるのではなく、相手の関心事に合わせて話を聞くコミュニケーション手法を学びます。

さらにジェイックの組織力を高めているのは、個人の「強み」を見える化するための診断ツール「ストレングス・ファインダー®」の活用です。全社員が受検し、自らの強みを可視化し、自身の強みを把握することで、日常業務に意識的に強みを活用することができます。社員の強みを公開し、メンバー間で強みを認識し合うことで、仕事の割り振りやフィードバックといった場面で生かしたり、強みを伸ばしたりするためのアプローチをすることが可能です。

「できていないこと」に焦点を当て続ければ、人は萎縮します。しかし、「すでに持っている力」に目を向ければ、人は動き始める。

ジェイックのマネジメントは、人を管理するための仕組みではありません。人の中にある可能性を前提に設計された関わり方です。

一人でも多くの人の強みが輝く世界へ

近藤さんに、ジェイックが目指す未来について尋ねました。

「私たちは、強みが輝く世界をつくりたい。一人でも多くの人が、“まだ見ぬ可能性”を見出し、その可能性を育んでいける社会。それが実現すれば、日本の景色も変わる。10年、20年後に、世界的に評価される成長企業、いわゆる“ユニコーン企業”がジェイックが支援する会社から10社くらい生まれていてもおかしくないと思っています」

実際に、かつてジェイックのサービスを利用した若者が、いまでは経営者や役員として活躍している例も少なくありません。

「数万人の人生に関わってきた自負があります。これからも、人の可能性を信じ続けたいですね」

「どうせ無理」を書き換えるジェイックの挑戦は、関わった一人ひとりの人生を通じて、次の世代、次の組織へと無限に広がっていきます。

もっとも印象に残った言葉:
「過去の挫折や、同期と違う歩みは欠点ではありません。むしろ武器になることもある。ことなかれ主義で無難に生きてきた人より、よほど強みになることもあります。自分に自信を持った人の顔は、本当に変わるんです」

企業情報

会社名:株式会社ジェイック
取材対象者:取締役 兼 常務執行役員 近藤浩充さん
設立年月:1991年3月
ミッション・ビジョン:「可能性を羽ばたかせる」「強みが輝く世界をつくる」
事業内容:
各種教育セミナー事業

  • デール・カーネギー・トレーニング
  • 7つの習慣®研修
  • 原田メソッド®研修
  • リーダー育成プログラム「リーダーカレッジ」
  • 若手社員育成プログラム「エースカレッジ」

既卒就職・採用支援事業

  • フリーター、第二新卒、未経験就職・採用支援サービス「ジェイック 就職カレッジ®」
  • 中退者の就職・採用支援サービス「ジェイック 中退就職カレッジ®」

新卒就職・採用支援事業

  • 新卒学生の就職・採用支援サービス「新卒カレッジ®」
  • 新卒スカウトサイト「Future Finder®」
  • 大学支援サービス

所在地:東京都千代田区神田神保町1-101 神保町101ビル7階(受付6階)
URL:https://www.jaic-g.com/

天野崇子

天野崇子

副編集長/第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。

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