給与前払いサービスや給与デジタル払いサービスなど給与支払いや決済に関するシステム開発と提供を行う株式会社Payment Technology(以下、Payment Technology)。2024年2月には、“ある嘆き声”をきっかけに、費用をかけずに最適人材を採用できるアルムナイ採用システム「エニジョブ」をリリースしました。代表取締役を務める、上野 亨(うえの とおる)さんはエニジョブを通じて、「企業の未来を変えていきたい」と話します。
今回は、上野さんにエニジョブをリリースした背景や実現したい未来についてお話しいただきました。
アルムナイ採用で費用をかけずに人材の確保を実現
アルムナイ採用システム「エニジョブ」とは、自社に在籍していた社員(退職者)を貴重な人的資源と捉え、継続的なコンタクトによって再雇用する採用手法です。
エニジョブの開発の背景を上野さんに伺うと「“ある嘆き声”がヒントになった」と言います。「他社のスキマバイトのマッチングサービスを利用している企業から『スキマバイトはどんな人が来るかわからないし、任せられる仕事が限られるけれど、それでも高いマッチングフィーを支払わなければいけない』という声を聞きました。そこで、アルムナイ採用の仕組みをスキマバイトでも取り入れ、適切なジョブマッチングと採用費をかけずにマッチングができる仕組みとして、エニジョブを開発・提供しました」
エニジョブは企業が雇用した従業員すべての情報をデータベース化し、データベース内の人材にジョブオファーが可能。採用広告費をかけない採用を実現できます。また、エニジョブを導入する企業間で「クラン」というグループを形成でき、クラン内であれば自社以外のデータベースにもアクセスし、採用ができます。
エニジョブが広がっていくことにより、費用をかけずに最適人材を採用できる企業が増えていくかもしれません。
「企業がやりたいことに注力できるように」。いままでの採用に風穴を開けるシステムを
これまでの話を聞くと、Payment Technologyが人材サービスを行っているように思いますが、「私たちはあくまでシステムを提供しているだけ」と上野さんは話します。
「Payment Technologyが行うのはシステムの提供。人材の母集団形成から人材確保、採用を行うのはあくまでエニジョブを導入している企業。そのため、エニジョブを使う企業が人材ビジネスに参入しているということになります。エニジョブというシステムで今までの企業の採用のあり方が変わっていくかもしれません」
上野さんはエニジョブを通して実現したい未来について、「企業がやりたいことに注力できる未来にしていきたい」と語気を強めます。自身も採用に関わった経験から、日本の多くの企業は人材不足の影響で採用広告費が割高になっていると感じており、「企業の採用にかける費用を抑えることで、ほかのサービス向上にお金を使ってほしい」と話します。
また、これまでのサービスを組み合わせた事業展開も考えているといいます。「給与の日払いサービスとエニジョブをつなげた展開を考えています。給与の日払いが実現できれば、その日のうちに収入を得られるので労働者はうれしいですし、企業側も人材確保が容易になるので、エニジョブと組み合わせて提供していく予定です」
Payment Technologyのシステムを通して社会を変えていく挑戦は続きます。
※写真はすべてPayment Technology提供
聞き手:國府谷純輝 書き手:國府谷純輝