不合理な常識を打ち壊し、100年先を変える新しい価値を生み出す挑戦者【東京都渋谷区】

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株式会社TWOSTONE&Sons:代表取締役COO 高原克弥さん(左)と代表取締役CEO 河端保志さん(右)

IT業界を中心に、過去の慣習や多くの“不合理な常識”が残っているといいます。

「才能あるエンジニアが低く評価され、複雑な商流の中で価値が埋もれている」

そんな現実を変えるために立ち上がったのが「TWOSTONE&Sons(ツーストーンアンドサンズ)」。社名が示すのは「二つの石と意思」。代表取締役CEO 河端保志さんと、代表取締役COO 高原克弥さんの“二人の意思”がぶつかり合い、ビッグバンのように新しい価値を生み続ける、そんな創業思想が込められています。

フリーランスエンジニア支援から始まり、プロダクト開発からマーケ支援まで、ITやDXに関する企業のあらゆる課題を解決する、株式会社TWOSTONE&Sons。
今回は、代表取締役COO 高原克弥さんに、挑戦を貫く経営哲学と組織の中核をお聞きしました。

中高生時代の悔しさから始まった挑戦

高原さんが不合理さに目を向けるようになったのは、学生の頃の経験にさかのぼります。

自身が運営していたインターネット掲示板サービスが、とある大手企業の圧力によって事実上、破綻に追い込まれたことがありました。「新しいことをやろうとすると、大きな力が押し返してくる」。その実感が、のちの起業家精神の源になったといいます。

「理不尽を変えたい」と事業立ち上げ。スタッフ一斉退職で考えた、事業のあるべき姿

社会に出てからは、IT業界の多重下請け構造に直面しました。大きな発注が幾重にも中間業者を通るうちに、エンジニア本人の手取りは本来の半分以下になる。そんな理不尽を変えたいと考え、フリーランスエンジニア支援の事業を立ち上げました。

しかし、道のりは順風満帆ではありませんでした。創業三期目に事業を大きく転換した際、インターンとして働いていた30名が一斉に退職。共同代表と数名だけが残り、「会社は一瞬で崩れる」という現実を突きつけられたといいます。

この苦い経験から、「どんな理由で事業をするのか」「誰と共に進むのか」を徹底的に考えるようになりました。

BREAK THE RULES と凡事徹底。一見相反する哲学の共存

TWOSTONE&Sons の経営ビジョンは「BREAK THE RULES」です。

一方で、高原さんが大切にしている言葉は「凡事徹底」。

「思想を固めたら、あとは愚直にやり抜く。新しいことも、表面をなぞるだけでは何も変わらない」と語ります。革新と継続。一見相反する価値観を両立させる姿勢が、同社の文化を形作っています。


その象徴が、事業転換後に立ち上げたフリーランスエンジニアの独立支援サービス「Midworks」です。当時は不安定だったフリーランスに社会保険など正社員並みの保障を提供し、業界に大きな安心材料をもたらしました。

現在は、その枠を超えて「働きやすさ」や「お金」だけにとどまらず、データに基づいた中長期的なキャリア形成の支援へと進化。エンジニアが10年後・20年後まで見据えて成長できる未来を描き、実装しようとしています。

「決めたことを答えにしていく力と覚悟。やりたいと手を挙げた人に任せる文化」

TWOSTONE&Sons の組織は「アンチ年功序列」です。年齢や経験といった従来の年功序列評価ではなく、思いとやり抜く覚悟を持つ人が評価されます。

新卒2〜3年目でグループ会社の代表に抜擢(ばってき)されたり、新規事業の責任者に任命されたりすることも珍しくありません。河端さんと高原さんが共同で経営する体制のもと、意思決定の「正解」は一つではないと考えています。

「大事なのは、決めたことを答えにしていく力と覚悟。やりたいと手を挙げた人に任せる」。その文化が、社員の挑戦を後押ししています。

実行力を持つ“内資コンサル”へ

同社はフリーランス支援を起点に、IT課題だけではなくマーケティングや経営の上流課題までを包括的に支えるコンサル事業など多角化してきました。

背景には、日本企業が抱える構造的な課題があります。

「日本は世界的に見ても資産を持っている国なのに、成長率は低い。多くの企業が戦略を外資系コンサルに任せ、戦略立案以降の実行が空洞化している」と高原さんは指摘します。

TWOSTONE&Sons は、グループ全体で戦略だけでなく、システムの開発・実装まで責任を持つ“内資コンサル+開発会社”として、実働を伴う変革を支援しています。

変化を恐れずチャンスにできる組織へ

50年、100年先を見据えるとき、同社が目指すのは「変わり続ける組織」をつくり続けることです。

「産業は20年もすれば変わる。その変化を恐れず、むしろチャンスにできる組織でありたい」と高原さんは語ります。

能力が正しく評価され、時代の変化をプラスに変えられる人材と組織を育てることが、同社の存在意義です。

未来を担う世代へのメッセージとして、高原さんはこう語ります。

「どんな自分にもなろうと思えばなれる。だからこそ、変わる時代に対応できる抽象的な力を身につけてほしい。職種や手段に縛られず、フレキシブルに価値を出せる人材になってほしい」

相反することなく共存する挑戦と実行

取材を通じて印象的だったのは、同社の変化に対する姿勢です。

“常識を壊す”という挑戦と、“凡事を徹底する”という地道な実行が、相反することなく共存しています。

この姿勢は、IT業界だけでなくあらゆる産業が急速な変化に直面する今、企業経営の新しいスタンダードになり得ます。

TWOSTONE&Sons の挑戦は、日本の組織が進化を続けるためのひとつのモデルと言えるでしょう。

最も印象に残った言葉:
「才能あるエンジニアが低く評価され、複雑な商流の中で価値が埋もれている」
「産業は20年もすれば変わる。その変化を恐れず、むしろチャンスにできる組織でありたい」

企業概要

会社名:株式会社TWOSTONE&Sons
取材対象者:代表取締役COO 高原克弥さん
設立年月:2013年
事業内容:ITを活用したサービス事業
所在地:東京都渋谷区
URL:https://twostone-s.com/

天野崇子

天野崇子

第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。

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