「技術の民主化」で、人々の働き方を変革。わかりやすさを追求するAIリスキリングとは? <アローサル・テクノロジー株式会社 佐藤 拓哉さん>【東京都港区】

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デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が高まるなか、AI技術を駆使して企業の業務効率化と成長を支援する企業、アローサル・テクノロジー株式会社。同社はリスキリング研修、AIコンサルティング、そしてAIインテグレーション事業を展開し、企業の業務を改革することで、AIを日常的に活用できる環境を提供している。同社の使命は「わかりにくさを解消し、誰もがテクノロジーを使いこなせる社会を実現すること」にある。急速に進化するAIとともに、企業の成長を支えるアローサル・テクノロジーのビジョンと挑戦に迫る。

「私たちが目指しているのは、AIの力でわかりにくさを解消し、すべての企業と人がテクノロジーを活用できる世界です」と語るアローサル・テクノロジーの代表取締役CEO、佐藤拓哉さん。彼の思いとビジョンの背景には、個人の経験や失敗から学んだ深い洞察がありました。事業における挑戦と原点について、佐藤さんに詳しく伺いました。

AIを活用した事業展開でアローサル・テクノロジーの成長を担う代表取締役CEO佐藤氏

デザイナーからライターまで。業務に直結するAIリスキリングで人材育成の未来を変える

実際のAIリスキリング講義の様子

アローサル・テクノロジーのAIリスキリング事業は、企業の社員がAIスキルを習得し、業務改善に役立てることを目的としています。佐藤さんは「AIは専門的な知識が必要と思われがちですが、当社では職種別に応じたカリキュラムを提供することで、営業職やデザイナー、ライターなど多様な職種に対応しています」と話します。このリスキリングプログラムは、助成金を活用することで低コストで提供され、すでに4,000人以上が受講し、企業のDXを推進する担い手として活躍しています。

このリスキリング研修の特長は、業務の現場に直結する実践的なスキルを学べる点です。たとえば、営業担当者はAIを使って顧客データを分析し、より効果的な営業アプローチを構築できるようになります。ライターやデザイナーは、クリエイティブなプロジェクトにAIを活用して生産性を高め、質の向上を図ることが可能です。佐藤さんは「私たちの研修は、単なる知識の提供ではなく、実際に手を動かして学び、即戦力として現場で活用できるスキルを養います」と強調します。

「AIで企業の事業を大きく飛躍させる」強い意志で、AI技術に特化した事業を展開し、事業拡大へ

。IT系企業のエンジニアとして社会人のキャリアをスタートさせた佐藤さんは、AI技術に強い興味を抱き起業を決意。「AI技術を駆使して企業のDXを支援し、働き方を変革する」というビジョンのもと、アローサル・テクノロジーを立ち上げました。しかし、創業当初から順風満帆ではなく、経営の指導や、社内の体制を整えるための費用がかさみ、初年度で1000万円の負債を抱える厳しい状況に陥りました。

「起業した当初は、何でも受け入れてしまい、右も左もわからないまま進んでしまった結果、信頼して契約をした経営コンサルタントから充分なサポートを受けることができないなど、思わぬトラブルに巻き込まれることもありました」と振り返る佐藤さん。それでも、エンジニアとしてのスキルと強い意志で困難を乗り越え、事業は拡大。特に、AIインテグレーション事業においては、企業の業務改善を支援し、効率化に寄与するプロジェクトを数多く手掛けるようになり、会社は徐々に成長していきました。

現在は、AIを単なる技術ではなく、企業がその力を最大限に活用できるサポート役として提供することを目指しています。

「技術の民主化」目指し「わかりやすさ」を追求

実際のAI技術の活用支援講義の様子

佐藤さんが経営するうえで最も大切にしているのは、「わかりやすさを追求すること」です。「現代社会は技術が高度化しすぎて、逆にわかりにくくなってしまっています。わかりにくさが、結果的に人々の行動を妨げ、成長の機会を逃しているケースが多い」という佐藤さん。特に、AIやDXのような高度な技術は、専門知識を持たない人にとっては難解なものに映ります。そのため、アローサル・テクノロジーでは「わかりやすさ」をキーワードに、企業や社員がAIを理解し、使いこなせる環境づくりに注力しています。

この考え方は、アローサル・テクノロジーの事業運営全体に反映されており、AIリスキリングのプログラムやコンサルティングサービスでも「いかに簡単に、実用的に技術を提供できるか」が常に意識されています。佐藤さんは、「技術の民主化」を目指し、AIを誰もが利用できるツールにするための努力を惜しみません。特に、企業の経営者や従業員に対して、AIがどのように業務に役立つかを具体的に示しながらサポートすることが、アローサル・テクノロジーの大きな強みとなっています。

問い合わせが1/6に減少するケースも。AIは人々の働き方を根本から変える

AI分野についての講演の様子(佐藤さん)

アローサル・テクノロジーが掲げるビジョンは、AI技術を使って企業の業務効率化を図るだけでなく、社会全体に変革をもたらすことです。佐藤さんは「日本は少子高齢化による人手不足が大きな課題となっています。AIを活用することで、働き方を劇的に改善し、誰もが自分らしく働ける社会を実現したい」と語ります。AI技術の進化により、多くの業務が自動化されることで、これまで時間を要していた作業が大幅に削減され、労働者はより高度な業務に集中できるようになるといいます。

さらに、アローサル・テクノロジーではAIの導入がもたらす業務改善の具体的な事例も多数あります。例えば、ある企業のカスタマーサポートでは、毎月1,200件の問い合わせがAIによるFAQシステムの導入で200件にまで減少しました。これにより、顧客対応にかかる時間が大幅に削減され、カスタマーサポートチームの業務負荷が軽減されました。また、別の企業では、AIを活用してルーチン作業の自動化を実現し、担当者が新しいプロジェクトに時間を割けるようになりました。このように、AIは単なる技術にとどまらず、人々の働き方を根本から変える力を持っています。

AI技術を通して作る、誰もが可能性を最大限に引き出せる未来

佐藤さんがアローサル・テクノロジーを通じて描く未来像には、強い熱意が込められています。「私たちが提供するAIは、人々が自身の可能性を最大限に発揮できるようサポートするためのツールです。私たちが目指すのは、AIをすべての人が当たり前のように使いこなせる社会です」と彼は語ります。AIが普及し、より多くの人々がその恩恵を享受することで、社会全体がより豊かになり、働く人々の生活も改善されると信じています。

さらに佐藤さんは、「わかりやすく、誰でも使える技術を提供することが、私たちの存在意義だ」と強調します。複雑な技術を簡単にし、社会課題を解決する手助けをすることが、彼にとっての使命であり、それがアローサル・テクノロジーの事業の核でもあります。「AI技術を通じて、わかりにくさがなくなり、誰もが可能性を最大限に引き出せる未来を作りたい」と最後に佐藤さんは熱く語りました。

聞き手 中野宏一、執筆 木場晏門

木場晏門

木場晏門

香川県三豊市

編集部記者

神奈川県鎌倉市生まれ藤沢市育ち、香川県三豊市在住。コロナ禍に2年間アドレスホッピングした後、四国瀬戸内へ移住。webマーケティングを本業とする傍らで、トレーニングジムのオープン準備中。

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