ローカリティ!時代の開拓者たち

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中小店舗の“集客の重荷”を引き受ける。GMO TECHホールディングスが描くAI時代の地域経済インフラ【東京都新宿区】

4 min
  • 新宿区
  • 東京都
  • GMOデザインワン株式会社

飲食店から、美容室、整体院、清掃業者まで、あらゆる地域の店舗情報を集める口コミサイト「エキテン byGMO」。今や月間約600万人が利用し、500万件を超える店舗情報が登録され、地域の商いを支える“集客インフラ”として進化を続けてきました。

そのエキテンを運営しているのがGMO TECHホールディングスのグループ会社・GMOデザインワン株式会社です。2025年の経営統合を経て、ホールディングスの中核ビジネスのひとつである、インターネットメディア事業を担っています。

その変化の真ん中に立ち続けてきたのが、GMOデザインワンの創業者であり社長で、GMO TECHホールディングスの副社長も務める高畠 靖雄(たかはた・やすお)さん。「テクノロジーで日本経済を元気にしたい」と話す高畠さんにお話を伺いました。

GMOデザインワン社長及び、GMO TECHホールディングス副社長 高畠さん

家電を分解していた少年、富士通で計算する世界に飛び込む

高畠さんの原点は、子どもの頃の「仕組みを知りたい」という好奇心でした。「小さい頃から家電製品を分解するのが好きで、ラジオをバラバラにしてしまうような子どもでした」と笑います。

高校生の頃には、父親が買ってきたパソコン「PC-98」をほぼ独占し、見よう見まねでプログラムを書き始めます。熱中するあまり、勉強にはあまり身が入らなかったものの、「コンピューターで世の中が動いていく未来」の手触りを感じたのもこの頃でした。

大学では電気電子を専攻し、電磁波のシミュレーション研究に没頭します。長時間かかる計算を前に「もっと速いコンピューターを作りたい」と考えたことが、スーパーコンピューターの分野で活躍する富士通株式会社への入社(2000年)につながりました。

スーパーコンピューター開発からCRMへ。顧客の声と会社の仕組みの面白さ

富士通ではスーパーコンピューターに関わる品質管理やハードウェア設計などを幅広く経験。最終的にCRM(顧客関係管理)のソフトウェア開発に関わり、そこで「顧客の声や顧客の行動をデータとして捉え、統計的に処理していくことの面白さを感じた」と言います。一方で、大企業向けのシステムを開発していたことから“規模の小さな事業者の声が拾えない”というジレンマも抱えていました。そこでITコーディネーターや中小企業診断士の勉強を始め、経営全体の仕組みに視野を広げていきます。

「ハードもソフトも含めて、どうやってビジネスとして回っているのかを自分の目で見てみたい。だったら自分でやろう、と現在の前身となる株式会社デザインワン・ジャパンを2005年に設立したんです」

600万ユーザー・500万店舗。規模の小さな店舗にも選ばれる理由とは?

起業後の数年間、高畠さんはアフィリエイトサイト、比較サイト、情報メディアなど、さまざまなWebサービスを試行錯誤しながら立ち上げていきました。その中で生まれ、育ってきたのが、地域の店舗·施設を口コミで探せる、日本最大級のローカル情報ポータルサイト「エキテン byGMO」です。

「特定ジャンルだけでなく、あらゆる店舗の口コミを網羅した」情報サイトがあってもいいのではないか。そんな発想から、2007年にエキテンをスタートしました。

現在、エキテンは月間約600万人が利用し、掲載店舗数は500万件を超えています。口コミや基本情報の掲載だけでなく、予約機能やGoogleマップ検索との連携機能など、店舗の集客を支える機能を備えています。

さらに登録する店舗側にも選ばれる工夫が。無料会員でも基本的な店舗の情報を掲載ができるほか、「公式サイトを持っていない店舗」のために、エキテンに登録した情報をそのまま活用し、独自ドメイン付きのシンプルなホームページを月額5千円弱で提供するサービスも展開しています。

また、エキテンで培ったWeb技術やマーケティングの知見を生かしながら、中小企業の業務システム構築やDX推進も支援しています。

「商品づくりや人材マネジメントなど、店舗の業務は多岐にわたります。エキテンが集客やデジタル周りの“めんどうなところ”を引き受けることで、お店の方には『本当にやるべきこと』にリソースを割いてもらえるようにしたいんです」と高畠さんは語ります。

※エキテンチームの仕事の様子

GMO TECHホールディングスのグループ会社に。エキテンで目指す「日本の地域経済を底上げ」

2025年10月、経営統合によりGMO TECHホールディングス株式会社のグループ会社となり、GMOデザインワン株式会社に社名を変更。高畠さんは現在、GMO TECHホールディングスでも副社長として、全体の戦略にも関わっています。

GMO TECHホールディングスは、エキテンを運営するGMOデザインワンと、MEO(地図検索対策)事業などを手がけるGMO TECH株式会社などを中核とした6社を傘下に持ち、「異なる分野の強みを持つ会社が肩を組むことで、これまでアプローチできなかった店舗にもサービスを届けられるようになる」と話します。

ただ、「ぐるなび」や「食べログ」などのグルメサイトと比べると、知名度が追いついていないのが現状。GMOブランドとの連携や、取材・発信の機会を活用することで、「地域の人なら誰もが知っている存在」を目指していきたいと話します。

「例えば100万店舗がエキテンの活用によって月10万円ずつ売上を伸ばせられれば、年間で1兆円を超える経済効果になります。そんな規模で日本の地域経済を底上げできるようなプラットフォームにしていきたいと思っています」

「働くこと」は、誰かの成長を支える仕組みをつくり続けること

取材の終盤、高畠さんは「働く意味」についてこんな言葉を残してくれました。

「店舗の方々が本業に集中できるように、裏側の仕組みをつくり続けること。誰かの努力や価値がきちんと報われるような“回路”を整えていくことが、自分の仕事だと思っています」

子どもの頃から「仕組み」に魅せられてきた高畠さんは、ハードウェア、ソフトウェア、CRM、そして起業と、視野を広げながら、今もなお日本の地域経済を支える“見えないインフラ”を設計し続けています。

一番印象に残った言葉
「エキテンが“集客やデジタル周りのめんどうなところ”を引き受けることで、店舗の方には本当にやるべきことにリソースを割いてもらえるようにしたいんです」
「100万店舗が月10万円ずつ売上を伸ばせれば、年間で1兆円を超える経済効果になります。そんな規模で日本の地域経済を底上げできるようなプラットフォームにしていきたいと思っています」

会社概要

GMO TECHホールディングス株式会社

本社所在地:東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー
事業内容:連結会社の経営管理およびこれに関連する業務

GMOデザインワン株式会社

本社所在地:東京都新宿区新宿2丁目16番6号 新宿イーストスクエアビル
設立:2005年9月
事業内容:店舗情報ポータルサイト「エキテン byGMO」の企画・運営、ITオフショア開発、Web制作・受託開発 ほか
経営理念(抜粋):ITを活用した地域情報サービスを軸に、地域を活性化するための様々なサービスを生み出し、日本から世界を元気にすることを目指す

取材対象者:
GMO TECHホールディングス株式会社 副社長 兼 GMOデザインワン株式会社 代表取締役社長 高畠 靖雄さん

木場晏門

木場晏門

神奈川県鎌倉市生まれ藤沢市育ち、香川県三豊市在住。コロナ禍に2年間アドレスホッピングした後、四国瀬戸内へ移住。webマーケティングを本業とする傍らで、トレーニングジムのオープン準備中。

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