
電車の車庫でビールを楽しむ――。
そんな非日常の体験ができるイベントが、千葉県流山市で開催されている。
会場は流鉄流山(りゅうてつながれやま)線の終点・流山駅に隣接する車両基地。
普段は立ち入ることのできない場所で、地元のクラフトビールとグルメ、そして音楽を楽しめる「BEER電車」が人気を集めている。
目次
車庫が“ビアホール”に変わる特別な空間
イベントの舞台は、実際に車両が並ぶ流山線の車庫。
この日は基地周辺が特設会場となり、流山や松戸の飲食店、クラフトビールのブースが並ぶ。
キッチンカーも出店し、ビールに合うグルメをその場で購入できる。
電車を間近に眺めながら飲食を楽しむという、日常では味わえない空間が広がる。
さらに、停車している車両の座席も開放され、車内でゆっくりとビールを味わうこともできる。
“電車に乗る”のではなく、電車のある場所で楽しむ――。
それがこのイベントの大きな特長だ。

地域と鉄道をつなぐイベントとして

「BEER電車」は、流鉄沿線の魅力を発信し、地域活性化につなげることを目的に始まったイベントだ。
地元のクラフトビールや飲食店と連携し、鉄道を“移動手段”だけでなく“人が集まる場”として活用する試みでもある。
2026年は流鉄開業110周年の記念イベントとして開催され、例年以上に注目が集まった。
音楽とともに楽しむ“進化するイベント”
イベントは時間帯ごとの入替制で行われ、各回ごとに異なる楽しみ方ができるのも特長だ。
今年はライブステージも用意され、夜の部ではサンプラザ中野くんらによる特別ライブも行われた。
ビールと音楽を同時に楽しめる空間は、単なる飲食イベントを超えた“体験型イベント”へと進化している。

4回目の参加で感じる“変わらない魅力”

私は4年前から毎年このイベントに参加している。
最初に参加したのは夜の部。
ジャズを聴きながら、地元のクラフトビールを楽しめる空間が心地よく、それ以来、毎年足を運ぶようになった。
キッチンカーで購入したグルメを片手に、ビールを味わう時間もこのイベントの楽しみの一つだ。
そして何より、慣れ親しんできた流鉄流山線の車庫で開催されていることに、どこか誇らしさを感じる。
2年目からは子ども連れで参加。
電車内にレジャーシートを敷き、子どもたちはピクニックのようにくつろぎながら過ごしている。大人はビール、子どもはジュースやおやつを手に、それぞれの時間を楽しむ。普段はできない、このイベントならではの光景だ。
世代を問わず、それぞれの楽しみ方ができるのも、このイベントの魅力だ。
流山線の“BEER電車”は、単なるビールイベントではない。
普段は立ち入れない場所が開かれ、地元の人や訪れた人が集い、時間を共有する。
“移動しない電車”が、人を動かす。
ローカル線の新しい価値と、地域の魅力を同時に感じられるイベントとして、その存在感は年々高まっている。

※写真はすべて筆者撮影





