秋田〜上野の往復1300kmを無料送迎の映画館【秋田県大館市】

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賃貸物件がたまたま閉館した映画館で、ついにはその映画館を再開させてしまったという逸話で知られる秋田県大館市の「御成座(おなりざ)」。

映画館を利用したプロレスや落語、また「風の谷のナウシカ」上映時の手書き看板がジブリ展に展示されるなど、話題に事欠かない場所でもある。

その「御成座」が、2023年12月31日〜2024年1月1日に、なんと!東京・上野から秋田・大館まで、往復1300kmの無料送迎を行う。

募集人数は12名だが、12月14日の発表から2日ほどですでに満席となっている。

この、狂気の企画(いい意味で)を考案した、御成座館主の切替義典(きりかえ・よしのり)さんから、話を聞いた。

面白そうのノリではじめた片道14時間の無料送迎

もともと無料送迎がスタートしたのは、2020年10月「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の上映の際、多くのジブリファンに来て欲しいという思いと合わせて、義典さん自身の「面白そう」というノリだったとか。

送迎には、建設会社で働き、千葉県に単身赴任していた義典さんが、週末に大館に帰る際に使うマイクロバスを使用している。

しかも、御成座存続のためクラウドファンディングを実施した際に、寄付されたレインボーバス。島根県雲南市で市民バスとして親しまれていたもので、「あのバスが残っている」と、雲南市からの取材も受けたそう。

そうしてスタートした無料送迎だが、経費の関係もあり上野〜大館は片道14時間かけての一般道を走行という強行軍。

島根県雲南市のレインボーバスにはリクライニングがなかったので、一層その過酷さが際立ったとか。

その後レインボーバスが故障してリクライニングありのマイクロバス(トヨタ コースター)に変わったものの、義典さんは修理して再度雲南市のレインボーバスの運行を画策中だという。

「割に合うかと聞かれれば、全く割に合わないです(笑)」と、義典さんはいうものの、「ひとりで運転して帰るよりも、お客さんといろいろな映画の話をしながら帰るのが楽しい」とも。お客様に好評のため、年末に無料送迎を行うのは今回で3回目とのこと。

定期的に利用するファンから募集もしていない段階から「予約お願いしますとか、今年はありますか」などの問い合わせもあり、期待度も高いとか。

なかには、おそらく日本一長い無料送迎だということでバスマニアも乗車したらしく、「YouTubeに動画があがっていました(笑)」と、義典さん。

無料送迎バスは大館に滞在中に映画1本以上を観るのが条件で、片道利用だけの利用も可能。

映画鑑賞後に、秋田をまわって観光をする人も。「映画も見てほしいけど、せっかくなのでこの機会に秋田を知って欲しい。学生さんも運賃が安ければ秋田に来やすいですし」と、義典さん。

今回の送迎に合わせて、当初年始の上映は1月2日からだったが、元旦からの上映に変更。

「切替家は正月がなくなる」と、義典さんは笑いながらも、例年参加者を対象に切替家で「きりたんぽ鍋パーティ」も実施しているとか。

まさに、フレンドリーすぎる映画館。しかも、情報量が多すぎる!

2023年の年末にお届けする、衝撃の映画祭

年末年始の上映作品は12月28日〜31日までは年末衝撃的特別企画『第1回オナリック・ショック映画祭』!!!!!と題して、「アリゲーター」「オオカミの家」「食人族」「サイコ・ゴアマン」の4本を上映。恐ろしいほどの衝撃的な作品群を1年の最後にお届けするという想定外のラインアップ。

1月1日からは「さよなら ほやマン」「宝くじの不時着」「人生は、美しい」の3本を午後から上映する。

作品は誰でも鑑賞できるので、年末年始の刺激を求めている方はぜひ。

最後に、無料送迎の運行スケジュールは12月30日20:00上野発→31日9:00頃大館着、1月1日19:30大館発→2日8:30頃上野着という予定だが、東京着の後、マイクロバスを大館で使用するため奥さんが上野から大館まで運転して帰ってくるとのこと(笑)。

都市伝説といわれるほど常識では考えられないほどのアイデアを次々と実現する「御成座」の企画力と実行力に、感服するしかない!

森川淳元

森川淳元

秋田県秋田市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター
秋田県北秋田市出身です。少しばかり出版や取材などに関わったことがあり参加させていただきました。レポーターになり、改めて秋田ならではの面白いところを深掘りできたらと思います。

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