東日本大震災から14年・林野火災鎮火のめど立たない大船渡の今〜渡邉貴裕ルポ~【岩手県大船渡市】

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燃え続ける山々と消火活動にあたる自衛隊ヘリ

三陸のリアス式海岸に沿った場所に位置する岩手県大船渡市。長い歴史の中で多く津波被害を受けていたが、東日本大震災の大津波でも大きな被害をもたらした。

その震災から14年が経とうとしていた2025年2月26日、大規模な林野火災が発生した。その1週間前の2月19日に最初の林野火災が発生し、鎮火したものの再び火災が発生した。依然、鎮火のめどは立っていない。

大震災からの生活再建がようやく終わった大船渡市は、今回の林野火災で被災し、周辺住民たちは避難生活を余儀なくされた。再び、生活再建を強いられるほど大変厳しい現実に立たされ、特産品の製造や漁業にも影響を及ぼしているそうだ。(3月7日には一部地域で避難指示が解除され、安堵する人たちの様子も見られた)

筆者は3月3日、大船渡に向かった。

最初に立ち寄った大船渡市の市街地にあるみなと公園からは、大船渡湾に面した山のところどころから林野火災による煙が立ち自衛隊ヘリが懸命に消火活動に取り組む様子が見られた。しかし、空気が乾燥した日が続いたせいか鎮火のめどが立たないほど延焼し続けていた。

消火活動にあたる3機の自衛隊ヘリと延焼する大船渡湾に面した山々
延焼する大船渡湾に面した山々
消火活動にあたる自衛隊ヘリは海水も使っていた(自衛隊ヘリが海水をくむ様子)
三陸鉄道では盛駅(大船渡市)~釜石駅間は代行バスによる輸送が行われた
盛駅~三陸駅間は避難地域を経由せず迂回(うかい)しての運行だった(3月9日には三陸駅~釜石駅間では運行再開)

訪れた2日後の3月5日には恵みの雨が降ったと報じられたが、今もなお、林野火災の影響は続いている。

林野火災による二重被災を受けた大船渡の住民たちは東日本大震災から14年目となる3月11日をどのような思いで迎えるのか。

同じく東日本大震災で被災した仙台市に住む筆者も14年前の記憶を思い出すような光景を目の当たりにして、同じ東日本大震災の被災地としても心が痛んだ。

しかし、再び復興に向けて前へ進んでいかなければならない。二重被災に負けないよう立ち上がれること。三陸鉄道が全線再開してつながること。そう、筆者は願っている。

そして、岩手県や大船渡市では自衛隊や県内外の消防隊による消火活動はもとより、他の自治体からの支援活動も始まった。

さらに、義援金や支援物資などの募集、ボランティアの受け入れもすでに始まっている。岩手県や大船渡市のホームページ(随時更新中)にてご確認いただきたい。

情報

岩手県ホームページ(義援金情報)
https://www-pref-iwate-jp.cache.yimg.jp/kurashikankyou/hokenfukushi/tsuuchi/1081641/index.html

大船渡市ホームページ(林野火災関連情報)
https://www-city-ofunato-iwate-jp.cache.yimg.jp/site/rinyakasai

※2025年3月9日時点の情報なので予めご了承いただきたい
※写真はすべて筆者撮影

渡邉貴裕

渡邉貴裕

宮城県生まれ。現在も宮城県仙台市に住んでいる根っからの宮城県民です。趣味は旅行と読書ですが、最近では仙台の街が好きでまち歩きも楽しんでいます。主に仙台を中心とした魅力を発信します。時には市外となる場合もありますので、何卒よろしくお願いします。

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