7士業の力を束ね、未来を設計。数字を読み解き、“標準化された提案力”で次の一手を示す 

3 min 12 views

「決算書は、過去の事実の集合体。私たちが企業の過去を読み解き、明るい未来へつなげたい」ーー。設立から10年、東京日本橋・蛎殻(かきがら)町を拠点に、7士業(税理士・公認会計士・社会保険労務士・司法書士・中小企業診断士・行政書士・宅建士)が連携する「ストラーダグループ」は、平均年齢30代前後という若い専門家集団です。累計4,500社超の企業を“ゆりかごから墓場まで”支えるトータルサポートを掲げています。その中心にいるのが、デロイトトーマツで監査・コンサルを経て2015年に独立した山田直輝(やまだ・なおき)さん。今回の取材では、グループの原点と挑戦についてうかがいました。 

ストラーダグループ代表の山田直輝さん

 

“未来の設計”を学ぼうと起業。直面した課題とは? 

税理士・公認会計士・社会保険労務士・司法書士・中小企業診断士・行政書士・宅建士の専門家がワンチームとなり、顧客の悩みをトータルでサポートしている同グループ。 

「経営サイドで何が起き、どう判断されるのか。その“未来の設計”を学びたかった」 

以前は、監査法人「デロイトトーマツ」内のコンサル部門で上場準備やリスクマネジメント支援に従事していた山田さんは、かねてより抱いていた独立への思いを胸に、2015年に税理士法人「ストラーダグループ」を立ち上げます。 

山田さんの顧客が監査法人時代から一転して中小企業や個人商店が中心になった当時、多くの中小企業経営者が「誰に何を相談すればいいのか分からない」という現実に直面しました。 

名だけの“ワンストップ”に止まらない有機的な支援 

ストラーダグループは、各士業の専門性を横につなげることで、情報の把握から実行までを一貫して取り組みます。 

 「決算や労務のやりとりなど、士業は企業内部の新鮮な情報に触れる機会が多いからこそ、潜在課題を最速で掘り起こせる」と山田さんは強調します。 

たとえば税務担当が従業員数の増加を把握した場合、新たな就業規則の整備を社労士と連携して経営者に提示。専門領域の“壁”を越え、状況に合わせた一番最適な方法最適な時期に示せます。 

ポイントは、顧客情報を連携することで「誰でも同水準で動ける体制」をとっていることです。顧客から得たインプットを集積して、特定の条件に一致したときに「この企業にはこの提案が刺さりやすい」という傾向が可視化できる体制を構築しています。 

名だけの “ワンストップ”ではなく、運用と仕組みの組み合わせによる専門家同士が自然に連携できる体制づくりが、ストラーダ流の差別化です。 

企業における「ライフサイクル」へ一貫した伴走を 

創業手続きから会計・税務、労務顧問・給与計算、資金調達・補助金、M&Aや上場支援、事業承継、役員報酬や配当の税務設計、不動産を用いた資産形成、相続対策と申告まで。ストラーダグループは、「経営者を徹底的に支援する」という使命感で、企業と経営者のライフイベントをまるごとサポートし続けます。 

国内だけではありません。インドの会計事務所と業務提携を進め、日本企業の海外進出の橋渡しにも取り組んでいます。出店、サプライチェーン設計、現地ガバナンスなど、士業同士が連携しているからこそ見えるリスクを、現地パートナーとともに解消していきます。 

「提案できる士業」を育てる 

今後の展開について山田さんは、 

 「経営者の課題は無数。あらゆる企業の課題に対応できる仲間を育てたい」と語ります。 

社員に求めるのは、資格以上に「全体を見て、適切に連携できる人」。 

山田さんは、社員が働きやすい環境を整えながら、 提案力を鍛える場づくりに力を入れています。 

「カメレオンのように、変化を自分の色に」 

「日本が再び世界で存在感を発揮できるよう、日本の企業を支援していきたい」と強調する山田さんが見据えるのは、次世代につながる日本の成長基盤の構築。かつて世界から出稼ぎが集まった国は、いまや若者が海外に働き口を求める時代になりました。  

「私たちは経営者の発展を追求します。結果として自社も、そして日本も良くなっていきますから」 

そんな山田さんが組織として日々大切にしているのは、“自らの色を変え続けていくこと”。  

「強いのは、最も賢い種ではなく、変化できる種です。時代に応じて自分の色を変えられる“カメレオン”でありたい」 

士業16万事業者のなかで、7士業が“有機的に結合”しているグループは国内でわずか80ほど。しかし、希少であること自体に意味はありません。意味を生むのは、情報の鮮度を保ったまま課題に変換し、連携で解く仕組みと文化です。 

過去の集合体としての決算書を、未来の設計図へ。ストラーダグループは標準化された提案力で、これからも企業の運命線を書き換えていきます。 

聞き手、執筆:木場晏門 

最も印象に残った言葉:
「強いのは、最も賢い種ではなく、変化できる種です。時代に応じて自分の色を変えられる“カメレオン”でありたい」

【会社概要】

会社名:ストラーダグループ
取材対象者:代表 山田 直輝(やまだ なおき)さん
経営理念:企業の“過去”を読み解き、“未来”を設計する
設立年月:2015年
事業内容:税理士・公認会計士・社会保険労務士・司法書士・中小企業診断士・行政書士・宅地建物取引士によるワンチーム支援。創業から事業承継まで、経営者と企業のライフサイクル全般をサポート。
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町
URL:https://strada-gr.com/

木場晏門

木場晏門

神奈川県鎌倉市生まれ藤沢市育ち、香川県三豊市在住。コロナ禍に2年間アドレスホッピングした後、四国瀬戸内へ移住。webマーケティングを本業とする傍らで、トレーニングジムのオープン準備中。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です