仙台と山形を結ぶJR仙山線。この路線には、どこか懐かしい雰囲気をかもし出すローカル線ならではの光景が数多く存在する。中でも、今回紹介するのは、山寺駅からほど近い場所にある、ある寺院に現れるスリル満点の踏切だ。
山寺駅から直線距離で約1キロメートル東側にある「山寺千手院」。この寺院は、その名の通り千手観音菩薩を本尊とする古刹(こさつ)だ。山中の静寂な佇まいは、訪れる人の心を穏やかにする。しかし、この寺院には、他の寺にはないユニークな特徴がある。それは、寺院の境内に鉄道の線路が敷設されていることだ。
線路は、寺院の入口にある鳥居をくぐってすぐの場所に現れる。遮断機などはなく、線路はそのまま境内に続いており、まるで線路が寺院の一部であるかのように自然に溶け込んでいる。参拝者は、この線路を横切ってから、本堂へと向かう。
この線路、JR仙山線の線路であり、実際に電車が頻繁に通る。踏切の警報音もないため、線路を渡る際は、列車の通過に十分注意しなければならない。特に、この踏切は非常に危険だ。遮断機がないため、いつ電車が来るかわからず、一歩足を踏み外せば大事故につながる可能性がある。
この寺院は、鉄道ファンやパワースポット好きなど、様々な人々から注目を集めている。しかし、線路があるという事実は、同時に危険も孕(はら)んでいる。踏切がないため、列車との接触事故が起こる可能性もゼロではない。訪れる際は、十分に注意し、安全に参拝することが大切だ。
静寂な山中に現れる鉄道の線路、そして不思議な力を持つ鳥居。この寺院は、日常の喧騒を離れ、少しスリルを感じながら、非日常的な体験を求める人におすすめだ。しかし、そのスリルの裏には、大きな危険が潜んでいることを決して忘れてはいけない。