
現代医療の進化が目覚ましいなかで、病気の早期発見や治療だけでなく、その前段階である“予防”がますます重要視されています。そんななか、予防医療の新たな地平を切り開く企業が東京の株式会社プリメディカ。代表の富永 朋(とみなが とも)さんは、「“リスクを可視化し、生活習慣を変えていく”ことで健康寿命が延び、それが現代医療が抱える構造的な課題の解決につながる」という。そんな富永さんから予防医療の重要性と健康寿命の関係性について伺いました。
目次
予防医療検査は、早期発見よりも手前でリスクを可視化するための検査
プリメディカは、「医療費の増加」「介護負担の増大」といった現代医療が抱える構造的な課題に対し、病気になる前の段階でリスクを捉え、適切な行動変容を促すことで、より健康な社会を実現することを目指しています。
健康診断は病気の早期発見を目的として行われますが、プリメディカはそれよりも一歩手前の「重大疾患のリスクを可視化する」検査を提供しています。国内外の大学や研究機関が保有する技術を事業化し、人間ドックや健康診断のオプション検査として展開することで、予防医療の普及を加速させています。
代表的な検査の一つが「LOX-index®(ロックス・インデックス)」。国内、約2500名を対象として約11年追跡した研究成果をベースに開発された血液検査で、脳梗塞(こうそく)・心筋梗塞のリスクを明らかにすることができます。また、近年注目を集める腸内フローラ検査も提供しており、日本人に特化した分析手法を開発し、個々の腸内細菌のバランスを評価することで、最適な食生活の提案につなげています。
富永さんがこの取り組みに力を入れるようになったきっかけは、父親の突然の死でした。「幼少期に父親を心筋梗塞で亡くしていて、この検査が世に多く出ていき、早期にリスクを発見して生活習慣を改めれば、突然死のようなものを少しでも減らせるのではないかと思い、予防医療に注目しました」
アプリで健康管理を行う仕組みづくりにも挑戦中。一人ひとりにあった食生活の提案を目指す
病気のリスクを知ることができても、それだけでは健康状態は改善されないーー。そんな考えを持つプリメディカは、検査結果をもとに具体的なソリューションを提供することを重要視しています。
例えば、腸内フローラ検査では、食生活の改善がカギとなります。検査結果を渡すと同時に、「あなたに合った食事」を提案し、コンビニやレストランで選ぶべき食品・メニューまでサポートする取り組みを今後進めていきます。
将来的には、アプリを活用した行動変容支援なども視野に入れており、「検査→行動変容→健康改善」という一連の流れを作り上げることを目標としています。
また、企業向けの健康支援も強化しており、1年の中で最も、健康意識が上がるとされている健康診断のタイミングを逃さないためにも、企業と連携して社員の健康を守る仕組みづくりにも尽力しています。
予防医療で健康寿命を延ばすビジョン。海外進出も視野

プリメディカのミッションは、「医療費の削減」と「介護負担の軽減」という社会問題の解決です。これは、個人の視点に置き換えると、「健康寿命を延ばす」というシンプルでありながら極めて重要な目標となります。
あるデータによると、平均寿命と健康寿命の間には、約10年のギャップがあると言われています。この「介護を必要とする期間」をいかに短縮するかが、今後の日本社会にとって大きな課題です。プリメディカは、「ただ長生きするのではなく、健康に長く生きる」ことを支援するために、これからも革新的な検査技術と行動変容を促す仕組みの開発に挑戦し続けていきます。
さらに、プリメディカは海外市場への進出も視野に入れています。富永さんは「日本は高齢化社会のトップランナーであり、予防医療の研究が進んでいる日本の高度な検査技術を海外に展開し、予防医療のグローバルリーディングカンパニーとしての地位を確立していきたい」と話します。
「検査は単なる体内の可視化にとどまらず、未来の健康への投資である」。そんな富永さんの思いとプリメディカの取り組みが、日本社会において「予防医療」の価値を再認識させるきっかけとなることを期待したい。
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