水みくじ体験をしばた紫陽花まつりで 。雨空に咲くご褒美、今が見頃【宮城県柴田町】

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「白石川堤一目千本桜(しろいしがわづつみ ひとめせんぼんざくら)」で名を馳せる宮城県柴田町は、春だけでなく、梅雨の季節にも彩りを放つ花の町である。毎年6月中旬から7月上旬にかけて開催される「しばた紫陽花まつり」は、その代表格ともいえる行事だ。

2025年は、例年よりも開花が一週間ほど早く、筆者が訪れた6月24日時点で7分咲き。柴田町船岡城址公園内の「アジサイ谷」はすでに満開となっており、今まさにベストタイミングを迎えている。

                アジサイ谷

地元の手で育てられた町の風景

船岡城址公園にアジサイの植栽が始まったのは今から約20年前。地元住民による地道な手入れと愛情の積み重ねによって、現在では30種類以上・約5,000株もの紫陽花が船岡城址公園の斜面を彩っている。植えられている品種も多様で、青、紫、ピンク、白と、雨に濡れた葉とともにみずみずしい輝きを見せている。

また、花だけでなく写真映えする演出も見逃せない。今年も園内にはアンブレラスカイが登場。色とりどりの傘が空に浮かび、訪れた人々の足元に美しい影を落とす。フォトジェニックなスポットとして、SNSでも注目が集まっている。

アジサイの合間に、静かに願いを浮かべて

来場者の間で話題となっているのが「水みくじ」である。おみくじの一種で、水に浸すことで文字が浮かび上がる仕組みになっている。雨音を聞きながら、水面に浮かぶ文字に目をこらすこのひとときは、まさに梅雨ならではの情緒である。「願いが花のように咲きますように」そんな思いを込めて、女性たちがそっと手を合わせていたのが印象的であった。

販売場所は “柴田町観光物産交流館「さくらの里」”と、山頂の“天空カフェ”の2カ所である。

花の海を歩いて山頂へ

会場である船岡城址公園には、山頂へ向かう2つのルートが用意されている。ひとつは比較的短距離だが勾配のきつい坂道。もうひとつは緩やかで歩きやすく、花を楽しみながら登れるコースだ。

山頂には、柴田町のシンボルとも言える船岡平和観音(ふなおかへいわかんのん)が立つ。その足元には花手水(はなちょうず)が彩られ、まるで参拝者を優しく迎えてくれるかのような演出が施されている。ここから眺めるアジサイのパノラマはまさに圧巻。柴田の町を包むように広がるアジサイの絨毯(じゅうたん)が、日常の疲れをそっと癒してくれるだろう。

“桜のまち”から“花のまち”へ

白石川堤一目千本桜で全国的に知られる柴田町だが、実は通年で花が楽しめる「花のまち柴田」 ブランド化 ステップアップ プロジェクトを長年推進している。春の桜、夏のアジサイ、秋のコスモス、冬のイルミネーションと、四季折々に表情を変えるこの町は、何度訪れても新たな発見がある。筆者も4月に「しばた桜まつり」を取材し、すっかりこの町のファンになってしまった。

紫陽花まつりは、雨の日でも花を楽しめる数少ないイベントのひとつであり、「雨の日こそきれい」と思わせてくれる貴重な体験の場となっている。

アジサイは気温や日差し、湿度に敏感な花である。晴れた日には鮮やかに、雨の日にはしっとりと表情を変える。だからこそ、訪れるタイミングや天気によって見え方が変わるのも魅力のひとつだ。

7月上旬までが見頃とされているが、天候によっては早めにピークを過ぎてしまうこともあるため、今まさに足を運ぶ価値があるといえるだろう。

アクセス・開催情報

開催期間/2025年6月20日(金)~7月6日(日)
※開花状況により変更になる可能性もございます
※鑑賞自由、入場無料
場所/宮城県柴田郡柴田町大字船岡字舘山95-1
柴田町船岡城址公園
交 通/JR東北本線、船岡駅下車徒歩15分。
東北自動車道、村田I.Cより車で15分、白石I.Cより車で20分。
お問い合わせ/柴田町役場商工観光課
柴田町ホームページ:https://www.town.shibata.miyagi.jp/index.cfm/88,54652,202,417,html
TEL:0224-55-2123、Fax : 0224-55-4172

先月から蕎麦の販売も始めたSakurABi 船岡城址公園店

     

花のまちを思わせる「しばた」の文字

※写真は全て筆者が撮影(2025.06.24)

阿部宣行

阿部宣行

山形にある探究教室の講師。子どもたちが熱中できることを見つけ、大人顔負けで実践できるように日々活動しています。ローカリティに参加してからの趣味は写真撮影。子どもたちの視野を広げるために記事を書き、写真を撮っていきます。

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