〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
今回お話を伺ったのは、創業メンバーで専務取締役の白岩千尋さん(41)。
「注文を受けてから収穫するから一番おいしい状態のものをお届けしています。選んでくれたお客様のために商品を用意する、まさにお互いの顔が見える関係です」と語ります。
ブレンドファームを立ち上げたのは、京丹後市で農家を営んできた実家に戻ったことがきっかけでした。そこで白岩さんは、農業で「当たり前」とされている方法に疑問を抱きます。
現代の農業では、生産、流通、小売それぞれが分業化されているのが主流です。効率を重視してたどり着いた手法は、なるべく多くの生産物を負担少なく出荷する、という意味では多くの人の理想であるはずでした。
しかし、生産物が手元から離れた後は、その行方は辿れはするものの、多くの場合はそれきりになってしまいます。白岩さんは「どんな人が消費者となり、どのように味わってくれているのか、想像さえできなくなってしまった」と当時の違和感を振り返ります。
そして、理想とする「顔の見える関係」を目指すために、従来の市場への出荷をやめる決意をしました。消費者と直接取り引きを行う、現在の方法に転換したのです。
「出荷したら終わり」ではない。困難もお客さんと一緒に乗り越える
元々、白岩さんは京丹後市の寒暖差の大きい気候を活かした果樹栽培を手掛けていました。ブレンドファームではさらに質の高い商品を生産し届けようと、果物を中心にホテルや百貨店を主な取引先とすることになりました。
こだわりは果物が木になっている状態で完熟させるという「樹上完熟」です。
「注文を受けてから収穫するから一番おいしい状態のものをお届けできます」と白岩さんは胸を張ります。
ただ、分業ではないゆえに、全てを自分たちでやっていかなければならない困難さもあると言います。それでも白岩さんは「出荷したら終わり。ではなく、そのあともここがよかった、あるいはひょっとしてイマイチだった。ということもちゃんと話せる関係を作っていきたい」と意欲的です。「困難に思えることも含めて、私たちはお客さんと一緒に乗り越え、よりよいものを作っていきたい」とお話してくれました。