納得するものを提供したいと、発売日を延期してまでもこだわった、1日10杯限定のクリームソーダ【福岡県宗像市】

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店主のこだわりが詰まったお店が宗像市にある。その名前は「六七商店」。ここで提供されるクリームソーダは1日10杯限定のみです。しかし、お店の開店日にクリームソーダはメニューにはありませんでした。一体どんなクリームソーダなのでしょう。

筆者がこのクリームソーダを知ったのは、お店のInstagramのフィード投稿。あざやかな青はブルーハワイ味、緑はメロンソーダ味。どちらも宝石のような輝きが印象的でした。

そして、「1日10杯限定」というワードも気になりました。飲んでみたいと思いましたが、お店が開いているのは週3日(火・木・金ときどき週末)も開店というスタイルです。

プレミアム感にそそられながら、Instagramのストーリーズで知らされる開店日とにらめっこしながら、行ける日を待ちます。

お店の場所は、メイトム宗像内にあります。ここは子育て施設「ふらこっこ」、市民活動をサポートしてくれるボランティアやサークル活動の拠点ともなっています。建物に入ったその奥に「六七商店」はありました。

メイトム宗像の外観

かわいい芝犬とおじさんがお出迎え

お店の前では芝犬とおじさんが「ようこそ」という雰囲気でお出迎えしてくれました。

緑色のトタン板に「六七焼き」の看板は、どこか昭和の雰囲気もある

「六七焼き」とは回転焼のことで、カスタードと黒あん味の2種類がある。ちなみに回転焼きの呼び名は、地域によっては、回転饅頭(まんじゅう)、蜂楽饅頭、大判焼き、今川焼き、御座候(ござそうろう)といった呼び方があるので面白いですね。

ついに1日10杯限定のクリームソーダとご対面

クリームソーダのイラストがかわいい
カフェメニューはバリエーションが豊富

カウンターにお目当てのクリームソーダのメニューがありました。他にもカフェメニューや、なんと「1日5杯限定のコーヒーゼリー」という文字もあります。これも食べねば!

はやる気持ちを抑えて、まずはメロン味のクリームソーダを注文します。

「1日10杯限定のクリームソーダありますか?」と聞くと、

「はい、ありますよ」とのこと。

良かった、注文できるみたいです。お金を払ってテーブル席につきました。

広々して開放感があるソファもありました

そして、ついに「お待たせしました」と、目の前にクリームソーダが運ばれてきました。

鮮やかな緑色のクリームソーダとご対面!メロン味のクリームソーダと赤いさくらんぼと、色のコントラストがとてもきれいです。窓向こうの緑ともよくマッチした色合いは美しさそのものでした。

上からもパシャリ

メロンソーダの上には、アイスクリームがフロートされています。上から見ると、今度はアイスクリームとさくらんぼの赤と白の対比が見られます。

さくらんぼをアイスクリームが溶けてしまう前に食べるのか、またあとで食べるのかは、お好みでどうぞ。私はさくらんぼを先に食べる派ですね。

だんだんとアイスクリームが溶けていきます

アイスが溶けていくと、ソーダと混ざり合ってシュワシュワと泡が出てきます。この音も耳で味わいましょう。

アイスは先に食べる派ですか?それとも混ぜて食べる派ですか?私は半分先に食べて半分溶かして食べるどちらも楽しむ派です。

クリームソーダ誕生の秘密

六七商店がオープンする当時(2024年5月)のメニューの中にクリームソーダはなく、夏頃には提供したいと考えていました。しかし提供できたのは秋。それまで、理想のメロンソーダの緑、ブルーハワイの青になるシロップ、ソーダとの割合に色が合うものが見つからなかったそうです。

延期をしてでも納得のいくものを提供したいという、店主の強い思いが伺えました。それだけクリームソーダと真剣に向き合っている証ですね。

1日5杯限定のコーヒーゼリーも味わいました


「1日5杯限定のコーヒーゼリーも注文したいんですが、ありますか?」

「はい、ありますよ。お腹の具合は大丈夫ですか?」

とスタッフさんに心配されながらも、こちらもいただくことにしました。
コーヒーゼリーの上にはアイスクリームがのっており、ほろ苦さと甘さのどちらも味わえます。

じつはこのコーヒーゼリーにも、店主のこだわりがつまっています。それは、パプアニューギニア産の豆を使い、自家焙煎でその日の温度によって豆のひき方、コーヒーの淹(い)れ方にこだわっています。

また、環境省が日本全国から選ぶ“名水百選”にも選ばれている、阿蘇の白川水源の水を使っているとのこと。

そしてアイスクリームに合う甘さ、固さも調整(固くない、やわらかすぎない)したコーヒーゼリーに仕上がりました。

そんなこだわりをかみしめながら、一口ひと口を大切に味わって食べます。

よく見るとコーヒーゼリーの黒い表面には、景色が反射しており、夜空に浮かぶプラネタリウムのような演出です。すぐに食べるのではなく、じっくり見て味わって食べます。

芝犬型の回転焼き「六七焼き」

「六七焼き」とは回転焼きのこと。

なぜ「六七」かというと「宗像」(むなかた)の「む」「な」を数字にしてあります。「六七焼き」を宗像のシンボルマークのひとつとして親しみを持てるようにとのことです。

この「六七焼き」には、「黒あん」と「カスタード」と2種類の味があります。店内で食べてもよし、テイクアウトして食べるもよしです。あんこは北海道産のつぶあんで、ちょうどいい甘さと生地のふんわり感もあります。カスタードも甘すぎず、軽くふわふわしていました。

通常の回転焼きは丸い形をしているのが多いですが、芝犬型というのは珍しく、どこから食べ始めようか迷う楽しさがありますね。

あんこ好きにはたまりません

その他、商品棚には豆の状態のフェアトレードコーヒーやカフェインレスコーヒー、フェアトレードチョコレート、マグカップ、サイダーなども取り扱っています。

やさしさのおすそ分けが心をつなぐ

店内の通称「みどりのはこ」にはお客さんなどが持ち寄った品物があり、「お譲り品」として置かれています。プチバザーのようなものでしょうか。気に入ったものがあれば持ち帰っても大丈夫なようですよ。

持ち寄ったものが別の方の手に渡りまだまだ使えるようになる。皆さんの物を大事にする心を感じられました。

他には「おもちゃコーナー」もあります。こちらのおもちゃは「お譲り品」ではないのですが、お店の中で遊べます。

子どもを連れていると、小さなおもちゃは持ち歩けるのですが、お気に入りのおもちゃ全部は持ち運べません。

こんな時、お店におもちゃが用意されていると、子どもがぐずってしまった時などに、おもちゃを使って遊べるので大変ありがたいですね。1人遊びを見ていると、おもちゃに話しかけていたり、こんな遊び方をするのかなど発見もできるかもしれません。

保育園や幼稚園にあるような、小さな子ども用のテーブルと椅子も設置されていました。

お店のあるメイトム宗像には子育て関連施設もあり、イベントに訪れた方やお子様連れの方が来店されます。家で作ったお弁当を持ってきて食べてもOKなので、休憩時間として一息つく場面も。

座っていると、後ろから子どもの「リンゴジュースがいい!」という声がかわいく響き渡っていました。

スタッフさんも子育て経験のあるお母さんたちで、訪れた方の「離乳食を食べないんです」「お昼寝は抱っこしたままで……」といったお悩み相談にも耳を傾けてくれます。

顔なじみになった方から、「先週まで何もしてくれなかった子が、バイバイしてくれるようになった」と報告され、お子様の成長を共に喜んでいました。

一般的にSNSなどで子育てに関する情報は、一方通行的に流れてくることが多いので、どれが正しいのか取捨選択するのも大変です。でも、ここでは一人ひとりに寄り添ってくれる温かみがありました。

子育てをしていると一人になって悩みを抱える「孤育て」になる方も多いそうです。しかし、ここに来ると「一人じゃないよ」と寄り添ってくれて共に育てる「共育」(きょういく)の想いもあるようです。この思いは、提供されているメニューや「お譲り品」や「おすそ分け券」としての取り組みにつながっています。

「おすそ分け券」を購入すると店舗に提示され、券1枚で小学生以下の子どもが無料で1個「六七焼き」を食べられます。まさに「やさしさのおすそ分け」です。

そんなやさしさがあふれている素敵なお店でした。

さいごに

お話を聞いて、店主のこだわりがお店作りやカフェメニューなどに隠されていましたが、店内のどこにもありません。Instagramでも発信されていませんでした。お客さんから「書いてもいいんじゃない」と言われているそうですが、それでも書かれていないのは、あえて書かない「粋」な計らいを感じました。

メイトム宗像に来た際や、イベントに参加した後には、ぜひ「六七商店」に立ち寄って、その「粋」をメニューとともに感じてみてはいかがでしょうか。

*写真は全て筆者撮影

詳細情報

回転焼きとコーヒーのお店「六七商店」
営業日:火・木・金曜日と休日(不定期)の11:30〜15:30
Instagram*営業時間など最新情報を発信しています
場所:メイトム宗像 1F 喫茶コーナー(宗像市久原180)

久田一彰

久田一彰

福岡県福岡市出身。
取材を通じて、そこにあるヒト・モノの魅力・ストーリーをお伝えします。

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