
茨城県つくば市にあるスタートアップ「Griteen(グリティーン)」は女の子特化のプログラミングスクール。この会社を創業したのは現在大学院生でもある女性社長の多田遥香さん。プログラミング学習を通してその生徒たちに届けたいものは「やり抜く力」だという。彼女自身がその「やり抜く力」で達成したことはなんと「世界チャンピオン」だった!今回、そのスタートアップのオフィスを訪問し話を伺った。
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創業1周年を迎えた女の子のためのプログラミングスクール「Griteen」
茨城県つくば市にあるプログラミングスクール「Griteen」。そのオフィスはつくば市が運営し、テクノロジー系スタートアップ支援を主な目的としている施設「つくばスタートアップパーク」の中にあった。

今回こちらを訪問し、スタートアップが集まる施設らしい、シンプルできれいな打ち合わせスペースで話を伺った。

「女の子に特化したプログラミングスクール」というコンセプトでスタートした会社「Griteen」。創業は昨年2月で、ちょうど1周年を迎えたところだ。創業者は、現在情報(プログラミング)系の大学院生でもある多田遥香さん。創業のきっかけとなったのは、一般のプログラミングスクールで学習する際に使用されるプログラミングの題材が、女性にとっては全く興味がわかないものが多く、途中で飽きてやめてしまう方がいるのを知ったことだった。女性にも広くプログラミング学習を広げていくためには、例えば料理に関することやショッピングにつながることなど、女性も興味を持って取り組めるカリキュラムが必要だと感じた。
「世の中に無いのなら自分で作ろう」ということで「Griteen」を立ち上げた。新会社の設立それも学業との両立という自分にとって初めての挑戦に対して、特別ためらうようなことはなかったという。

リーダー兼プログラマーとして参加した世界最大規模のロボット競技世界大会で見事「世界チャンピオン」に
多田さんがプログラミングに興味をもったのは中学生のとき。部活動ではじめたのがきっかけだった。それまで習い事などいくつかしたことはあったが、特別熱心に続けたいと思うものはなかった。
プログラミングに熱中するようになったのは、プログラミングを競うコンクールに参加し、負けたときのくやしさを経験してから。その一つの発端となったのがロボットコンテスト(通称「ロボコン」)だった。
ロボットコンテストはご存じの方も多いと思われるが、ある目的を達成(たとえば迷路のような細い道を走り抜けた後決められたターゲットに輪投げをして成功させるなど)するために製作されたロボットを競わせる大会である。
ロボットのメカニカルな設計だけでなく、それを目的通りに動かす制御技術も必要となるため、数人でチームを組んで行動する。ここでは、機械、電気、制御の総合的な技術力だけでなく、課題を解決するための問題解決力、プロジェクトを円滑に進めるチームワークなどが試されるが、中でもプログラミングの技術は勝敗を左右し得る重要な因子である。
中学生からそのような競技に参加し、敗退しては「次こそ」という思いでプログラミングの技術を磨き続けた。
そして5回目の挑戦となる高校生のとき、米国カリフォルニア州で開催された世界最大規模のロボット競技世界大会に、チームを率いるリーダー兼プログラマーとして参加。その大会で見事「世界チャンピオン」に輝いたのである!すごい!
プログラミングで学んだ「やり抜く力」。英語でいう“Grit”を世界に届けたい
このプログラミングを通して学んだ「やり抜く力」(英語では”Grit”)。次は自己実現のためだけでなく、まだ若い“Teen-ager(ティーンエイジャー)”世代にも届けたい、そういう思いで作ったスタートアップの会社が「Griteen」である。
Zoomを使ったオンラインでの授業で学習していくと、ゲームやサービス、コンテンツをプログラミングで作成できるようになる。
プログラミング教育は2020年度から小学校でも必修化されるようになったため、現在ティーンエイジャーより若い生徒さんまでもが学んでいるようだ。
今後の展望について尋ねると「生徒数を増やしていくことと、『公文式』のような優れた教材を作って全国、全世界に普及させたいです」と語る多田さん。
今後日本の将来を担っていく若い世代の中にも、世界と肩を並べて競えるたのもしい人材が育っているのを感じることができた。
情報
Griteen(グリティーン)
住所:茨城県つくば市吾妻2-5-1 つくば市産業振興センター1F
公式HP:https://griteen.com/