〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
「種類や炊き方を変えながら、365日、1日2回炊飯し自分で味わい、品質と特性を確認しています。美味しいお米を食べたい!という人は私に相談してください」
そう話すのは、「五ツ星お米マイスター」で、秋田県秋田市にある「お米の専門店 平沢商店」の店主である、平沢敦(ひらさわ・あつし)さん。
店内には、秋田県産米を中心に数々のお米が並び、ひとつひとつに詳しい解説があり、さらに、品種ごとの味の違いをグラフで分かりやすく表示。たくさんの種類のお米から、その日の気分や食事に合うお米を提案しています。
ホームページには平沢さん実演の、美味しく食べるためのお米の研ぎ方の動画も紹介されています。
自身の足で得た知識と信頼を販売するお米屋さん
平沢商店は明治38年創業。4代目である平沢さんが37年前に店に入った頃は、米の流通・販売は許可を受けた事業者に限られていたため、「営業しなくても米が売れた。なんて楽な仕事なんだ」と思ったそうです。
しかしその後、お米を販売する制度が変わり、スーパーなどでもお米の販売が許され、たくさんのライバルとの価格競争に勝たなければ、お店の存続が危ぶまれるような状況に立たされました。
「他とは違う、うちの店オリジナルの米で勝負しよう」
そこから平沢さんの努力が始まりました。
「産地や気候によって、同じ品種でも全く違う味わいになったり、水管理の仕方で、寒さや暑さから稲を守ることが出来るのです。自分の目で全て確かめています」
現在平沢さんは、春から秋にかけて県内の契約農家を訪ね、お客様の反応を伝え、具体的な栽培の方法など話し合いを重ねながら、農家とともに美味しさを追求する米作りをしています。
お客様、生産者をつなぐ、町のお米屋さん
お米離れが叫ばれる今、地域や学校などで、ご飯の栄養価や正しい炊飯方法、品種による食感の違いなどお米の素晴らしさを伝える「ごはん教室」を開催したり、昨今の健康志向に合わせて、米の栄養価を残したい方には「分づき米」をおすすめしたり、玄米食もサポートしています。
この作品は平沢さんの「お米屋さんとしての理想」の絵で、販売しているお米のパッケージにも使用されています。
平沢さんのいとこで、イラストレーターの平澤一平さんが、版木に彫った画に直接色付けしたものです。
「お米屋さんが、お客様と生産者を繋いでいて、みんなが笑顔になる『懸け橋』のような存在であり続けたい」と、平沢さん。
2019年に秋田県で3人目となる「五つ星お米マイスター」となった息子の敬太郎(けいたろう)さん、「三つ星お米マイスター」である奥様の清美(きよみ)さんとともに、平沢さんのお米の可能性を広げる活動はさらに広がっていきます。