メイド服姿のボディビルダー芳賀セブン、SNS登録者数360万人超え。活動の原動力は「感謝の心」【神奈川県横浜市】

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「横浜駅でメイド服姿のマッチョ男が変なダンスを踊っている!」という目撃情報がローカリティ!編集部に寄せられた。謎のマッチョ男の正体は、YouTubeやTikTokで若い世代に大人気の『芳賀セブン』(はが)こと芳賀涼平さん(29)。

芳賀さんは、SNSで流れてくる動画やテレビ出演の映像を見る限り、どこからどう見ても奇人変人にしか見えないが、実は第一線で活躍するパワー系アスリートであり、SNSの総登録者数380万人(2023年6月現在)を誇る国内でも有数のインフルエンサーでもある。芳賀さんの、常人には理解しがたい生き様、その活動の原動力はどこから来るのか。アスリート、YouTuber、そして”人間”芳賀涼平の素顔に迫った。全てに通底する芳賀セブンの信念とは?

「大きく、丈夫に産んでくれた両親に感謝」柔道からボディビル、そしてパワーリフティングへ

芳賀さんのSNS動画での奇怪なパフォーマンス以上に目を引くのが、圧倒的なバルク(筋肉量)だ。とにかくデカい。幼少期からフィジカルで頭一つ飛びぬけていたという。

芳賀さんが常軌を逸した筋トレに目覚めたのは10歳の頃。テレビで見たK1選手に憧れ、自然と「大きくなりたい」という欲求が芽生えた。それから毎日、狂ったように腕立て伏せに励んだ。小学校2年生から始めた柔道では、中学校、高校で好成績を残し、横浜高校、桐蔭横浜大学への進学は、柔道推薦で決めた。「大学に入るまでは、殆ど身体のポテンシャルだけで勝てていたように思います」と芳賀さんは約12年の柔道人生を振り返る。

横浜市内でインタビューに答える芳賀セブン。恵まれた体格は「両親のおかげ」と感謝を忘れない

大学2年生になると、柔道部に所属しながらボディビルの大会にも出場した。恩師である顧問の先生に「大会に出て見ないか?」と勧められたのがきっかけだ。初めて出場した関東学生ボディビル選手権大会では、なんと新人王に輝き、3年生からはボディビルに専念した。その後、2017年からはパワーリフティングの大会にも出場している。激戦区の神奈川県大会の105㎏級で4度優勝するなど、まさに、これまでの人生を「筋肉」で切り開いてきた芳賀さん。「骨格や肩幅は遺伝で決まる部分が大きく、ここまで大きく育ててくれた両親には本当に『ありがとう』という気持ちでいっぱいです」と、両親への感謝の想いを語るその姿は、好青年そのものだ。

「この人達のおかけで今の自分がある」YouTuberへの転身と成功を支えてくれた恩人達

そんな芳賀さんが大学卒業後勤めていた警備会社を退職し、『芳賀セブン』としてYouTubeの活動を始めたのは2017年。この大胆な決断を後押しし、YouTuberとして人気を博すに至るまでの成功を支えてくれた2人の恩人がいる。

一人は、勤めていた職場の上司Nさん(仮名)だ。Nさんは、芳賀さんの仕事やプライベートやトレーニングのこと、いつでも相談に乗ってくれ、楽しそうに話を聞いてくれた。芳賀さんはゲイであることを公表しているが、自身のセクシャリティについて始めて相談をしたのも、Nさんその人だ。芳賀さんの相談に対し「全然驚かないな」と自然体で受け止めてくれたNさん。芳賀さんがYouTuberになる決断をしたのも、「君はこの会社にいるより、YouTuberになった方がいい」というNさんの言葉がきっかけだ。芳賀さんは「人生経験が豊富で、なんでも話したくなるような人でした。自分に何かを感じてくれていたんだと思います」とNさんとの思い出を振り返った。

もう一人は、『ゴミ袋先輩』の異名を持つ横浜高校柔道部の先輩Hさん(仮名)だ。愛称は、いつもゴミ袋のような服を着ていることが由来という。ゴミ袋先輩も、先述のNさんとほぼ同じタイミングで芳賀さんの面白さを見出し、YouTuberへの転身を後押しした。ゴミ袋先輩は、今も芳賀さんのYouTube運営を陰ながら支えている一人だ。芳賀さんは、「自分のセクシャリティを明らかにしても、変わらずに接してくれるどころか、そのことをネタにしたYouTube運営のアドバイスをくれる先輩の存在はとても大きいです」とゴミ袋先輩へのリスペクトと感謝の気持ちを語った。

「徹底的に尖りたい」という想いを軸に、試行錯誤を続けるYouTubeとTikTok

芳賀さんのYouTuber歴は、実に5年半に渡る。SNSの総登録者数は、2023年6月現在380万人を超えた。芳賀セブンの勢いは留まるところを知らない。

芳賀セブンと言えば、「メイド服姿のマッチョ「おはよう、お兄ちゃん」」が有名だ。そのキャラを前面に押し出したTikTokは日本だけでなく、海外でも人気を博している。その成功の秘訣を聞くと、芳賀さんは「変化させまくることですね」と即答した。「何が成功するかは分かりせん。いろんなことを試行錯誤してるうちに、多くの人に楽しんでもらえるコンテンツが何なのか分かるようになりました。おはよう、お兄ちゃんのキャラも、視聴者の反応を見ながら、H先輩と色々試した結果です」と続けた。そんな芳賀セブンのYouTubeチャンネルは真面目な筋トレ動画や、ゲーム実況動画など、バラエティに富んでいて視聴者を飽きさせない。

試行錯誤の末行き着いた、メイド服姿のマッチョ「おはよう、お兄ちゃん」

そもそも、何故YouTubeやTikTokで奇怪なパフォーマンスを続けるのか、その理由と原動力について尋ねた。「承認欲求っていうか……表現欲求が強いってのもありますけど。基本的には、はっちゃけるのが楽しいんですよね。あとは、人を励ましたり、喜ばせたりするのが好きだってのもあると思います」と、芳賀さん。「それから、根っこには多数派になりたくないって想いがあります。常に少数派でありたいんです。そのことを誇りに思ってますし、YouTubeやるなら徹底的に尖りたいと思っています」と続ける姿には、仕事人としての矜持を感じさせる。

「人と違うことは価値」「感謝の気持ちが大切」「人生なんとかなるよ」芳賀セブンが本当に伝えたいこと

結局のところ、芳賀セブンは何を目指しているのだろうか。

インタビュー終盤、芳賀さんは「尖っている自分を出しているほうが自然体なんです。意外なんですけど、尖った自分を表現している方が、人から温かい言葉をかけてもらえるんです。撮影中に話しかけられるのは素直に嬉しいですね」と、視聴者からの反応について語った。SNSでも、一見すると眉を顰(ひそ)められそうな奇行に反して、「元気をもらえた」「辛かったことがどうでも良くなった」など、肯定的なコメントが並んでいる。

SNSでポジティブな反応をもらえる理由について尋ねると「人と違うことってそれだけで価値があると思っています。それをネガティブに捉える必要はありません。もしかしたら、そういう部分に共感してくれる人が多いのかもしれないですね。自分は変な格好して、インターネットで醜態を晒してますけど、そんな自分の姿を見て、悩んでいる人が『あいつのほうがひどいじゃん』って笑ってくれたら、それはそれで本望です。こんな自分を見て喜んでくれる視聴者の皆さんには感謝の気持ちしかありません」と続けた。

仕事人芳賀セブン(右)と筆者(左)。筆者も筋力には自信があるが、芳賀セブンの足元にも及ばない

このように、インタビュー中、芳賀さんは視聴者への感謝、恩師への感謝、母校への感謝、両親・祖父母への感謝を何度も口にしている。芳賀さんの行動原理は、この感謝の心にこそある。「食事を食べるときに、合掌して感謝を唱えないと(食事を)食べられないんです。寝る前も、頭の中で感謝を唱えてから『おやすみなさい』します」という徹底ぶりだ。

そんな芳賀さん、将来について、またYouTubeやTikTokを続けることについて、「不安はない」と断言する。「自分、メチャクチャ楽観的なんです。視聴者の皆さんには、『深く落ち込まないで、気楽にやろうよ。人生どうにでもなるから』と伝えたいです。ボディビルも、Youtubeも、自然体で続けていきたいですね」と語る芳賀さんの姿には、清々しさも相俟って神々しさすら感じる。

一見すると奇人変人にしか見えないメイド服姿のボディビルダー&YouTuber芳賀セブン、素顔を覗いてみると、そこには関わってくれた人への感謝と、創意工夫を忘れない愚直な男の姿があった。少し違った視点で芳賀セブンのYouTubeやTikTokを見てみるのも一興だろう。

情報

YouTube:HagaSeven.芳賀セブンの部屋

https://www.youtube.com/channel/UCwdphP6bpyIkhajgwzVgbVA

TikTok:
https://www.tiktok.com/@haga7_dayo

Instagram:

https://www.instagram.com/hagaseven/

畠山智行

畠山智行

神奈川県横浜市

副編集長

ローカリティ!エヴァンジェリスト
ふるさと:
宮城県仙台市(出身地) 
秋田県湯沢市(自分で選んで移住した土地その1) 
神奈川県横浜市(自分で選んで移住した土地その2)

何気ない日常がどんなに尊く、感動に満ちているか、そのことに読者の皆さんが気付けるメディアに成長させていきたいと思います!

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