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離島・壱岐高校、センバツ甲子園初出場!

玄界灘に浮かぶ長崎県・壱岐島が、この日ばかりは「浮いた」そうな——。3月20日、第97回選抜高校野球大会に初出場した長崎県立壱岐高等学校。兵庫県西宮市の甲子園のスタンドには壱岐島民や壱岐出身者などが押し寄せ、島内ではパブリックビューイングが開かれた。まさに島ぐるみの大応援となりました。
壱岐島民、総出で応援!甲子園のスタンドは”第二の壱岐”に!?
壱岐高校の対戦相手は、今大会優勝候補とも称される、しかも地元、兵庫県の強豪・東洋大姫路。
壱岐高校の生徒約260人は、フェリーとバスを乗り継ぎ、車中泊をしながら甲子園へ向かった。そして、アルプススタンドには島民や出身者を含め、約2,500人超えの大応援団! さらに全国各地の壱岐人会や壱岐出身者、壱岐にゆかりのある方々大勢も応援に駆けつけ、甲子園の一塁側スタンドは”第二の壱岐”と化しました。そのぶん、壱岐からは人が少なくなり、島が「浮いた」といわれました。
島内では郷ノ浦町にある壱岐の島ホールにパブリックビューイング会場が設けられ、地元に残った島民、また野球部OBの副市長など地元の方々約180人が集まり、大画面に映る選手たちに熱いエールを送り続けました。副市長は「たくさんの方々が甲子園に応援に駆けつけ、壱岐にいる人もテレビの前で応援。町に歩いている人はいない。わたしも本当は応援に行きたかったけど、今日は精いっぱい壱岐から声援を送りたい」と話しました。
白熱の試合!先制点に島は揺れた。パブリックビューイング会場も大拍手

なんと試合は、壱岐高校が初回に2点を先制! この瞬間、甲子園のアルプススタンドも、壱岐の島ホールも、まるで地響きのような歓声に包まれ、拍手にハイタッチ!!校歌が流れたときには、手拍子をして、応援する人たちが一体となりました。「勝てる!!」「いや、勝つ!!」という雰囲気にあふれ、パブリックビューイング会場は最高潮に盛り上がりました。
またパブリックビューイング会場では、手作りのうちわやポンポンをもって、メガホンをたたいて喜ぶ人々が大勢いて、ピンチの場面では拝むように手を合わせ、ストライクやヒットのたびに拍手と歓声が響きました。しかし、試合は東洋大姫路が5回に一気に逆転。最終スコアは2-7で敗れたものの、島民は最後まで声援を送り続けました。
試合後、悔しい表情を見せながらも、坂本徹監督や選手たちの姿が画面に映ると、島民の視線は釘付け、大きな拍手が送られ続けました。
「壱岐を全国に」誇りの戦いに島民感動!

試合後、副市長は、「優勝候補を相手に素晴らしい試合を見せてくれた。これで終わりではない。これからも応援したい」と熱く語りました。
この日の壱岐は、”島から人が消え、島が浮いた”という神話になるかもしれません。ありがとう、壱岐高野球部!!