「やりたい」を軸に生きる。新潟発・自由な選択の連続が生んだ、唯一無二のAI活用事業【新潟県長岡市】

4 min 6 views

株式会社スタイルアーツ 代表取締役CEO

Ryusei Shibata
芝田 龍正氏

ジムトレーナーから学生起業へ、そしてAI・デザイン・開発までを手掛けるマルチプレイヤーに。株式会社スタイルアーツの代表・芝田 龍正(しばた りゅうせい)さんは、「やりたい」を起点に、常に挑戦し続ける道を選び続けてきました。柔軟さと探究心を武器に、新潟・長岡から“面白い未来”を形にしようとする芝田さんに、起業の経緯と事業の現在地、そしてこれからの展望を伺いました。

トレーナーとしての経験が、起業の種に!!ある人との出会いが照らした道筋

会社立ち上げまでの経緯を聞かせてください。

2019年の大学3年次に、北海道の苫小牧高専から新潟県長岡市の長岡技術科学大学・工学部情報経営システムに編入しました。
同時に、上越のパーソナルジムでトレーナーとしても働き始めたんです。ジムのオーナーは山澤礼明さんという、シルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに2度合格された過去を持つ元パフォーマー。この方のもとでジム経営を学びたくて、毎週車で上越まで通っていました。そして1年後に自分のジムを持つのが、最初の起業ですね。

その後、いつ、どういった流れでこちらの会社を立ち上げられたのでしょうか?

この会社は大学院の1年生となった2022年に立ち上げました。パーソナルジムでは体を変えるサポートしかできなくて……。もっといろいろな形で顧客を支援できるよう挑戦していきたいなと思ったのがきっかけです。AIも作れば、デザインもする。必要であれば、トレーニングも教える。「クリエイティブで挑戦を生む」をミッションにこの会社を立ち上げました。

組織を作ることに対しては以前から興味があったのですか?

ジムのオーナー・山澤さんに出会うまではまったく興味がありませんでした。
会社を立ち上げるにあたって、会社としてできることの幅を広げるために、僕ができないスキルをもっている2人を誘って一緒に始めたんです。エンジニアでCTO(最高技術責任者)をしているのは大学の一個下の後輩、デザイナーは大学4年のころに僕が通っていた東京のマーケティングスクールで出会った同期。2人とも学生だったことからリスクもなく、二つ返事で承諾してくれました。今も昔もやりたいことをやっているだけなのですが、不思議と縁がつながって今にいたっています。

長岡だから、できたこともある。AIを組み合わせた研究開発を中心に幅広く事業展開

長岡という土地での起業。有利だった点、不利だった点、それぞれを聞かせてください。

長岡から東京は意外にも近く、流行りの情報を得やすい環境でしたので、特別不利だと感じたことはありません。
良かったところは、仲間集めがしやすかったという点です。長岡には高専もあるし、大学もある。いろいろな人たちと出会うことができる環境でしたね。

御社の事業内容を教えてください。

AI導入に関するコンサルティング・AI開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)のコンサルティング・ソフトウェア開発、Web・グラフィックデザイン、AIスクール、コンセプト書店の運営と幅広く展開しています。
中でもAIに関する研究開発がメインになります。例えば、エンタメ系のグッズの売上予測や不動産価格の予測、このようなものを直近だと手掛けましたね。

自由にいろいろなことに挑戦するための起業とおっしゃっていましたが、その思いに変化はありますか?

いえ、ありません。しかし、業務的な変化はあります。立ち上げてすぐのころは「何でもできますよ」といったところで、お客さんは一人も来ませんでしたから、Webデザインをひたすら作り、実装力とデザイン力の実績作りをとにかく行いました。
2年目から3年目にかけてはシステム開発の割合を増やしました。技術力の面で実績を積み、今ようやくずっとやりたかったAIを含めたトータルサポートを少しずつできるようになってきた、というところです。

「AIやりたい」と言い続けたら、本当に届いた

4年目にしてやりたいことができるようになってきた。その要因は?

できるものを示してきたことも大きいですが、周囲に対して「AIの仕事をやりたい」と言い続けたことも大きかったと思います。「AIとこういう小売を組み合わせたら面白いことができると思うんだよね」と、常に熱意を持ってアイデアを発信し続けたことで、少しずつ周囲の印象も変化していったと思います。「AIといえば、芝田」という印象を持ってくださっている方も少なくないんですよ。

そういった認知もされつつある中で、次に挑戦してみたいことは?

現実的なもの、少し手を伸ばしたら実現できそうな研究開発を現在やらせていただくことが多いのですが、もう少しチャレンジングなことをやってみたい。“AIを使ってこんなこともできるんだ”と驚きが生まれるような仕事をしてみたいというふうには考えています。

そういったAIを活用した事業のターゲットは県外の企業が多いのでしょうか?

現在、AIの仕事は100%東京の会社ですね。大学時代にずっとAIの研究をしていたので、ありがたいことに業界内に知り合いが多くいました。今後は地方でもAIの仕事を増やしていきたいと思っています。
一方でシステム開発やDX、Webデザインに関しては新潟県内のクライアントさんが多いです。

さまざまなお仕事の中で最も芝田さんの心が動いたのはどんなお仕事でしたか?

会社を立ち上げてすぐのころ、長岡市のクリーニング関連総合商社である三協商事さんと取り組んだLINEを使った受発注のシステム開発です。山積していた課題を一つ一つ潰し、実装までやりきったこの仕事は僕の中でも思い出深い仕事の一つです。

要件定義を手厚くすることでプロジェクトを成功へ導く。信頼できる仲間とともに

クライアントとの関わりの中で心がけていることを教えてください。

最初の要件定義にしっかりと時間を使うことです。ご相談いただいた日に、Googleなどの最先端技術企業でも取り入れられている設計準備のスタイル「デザインドック」を活用し、「どういう目的で、何を解決したくて、どういう機能があれば足りるのか」という土台作りを行います。そして、翌日にはそれらをまとめて、今後の方針をご提案するようにしています。
そしてそれをもとにさらに話をして修正して……。「完璧だよね」といえる段階になって初めて開発に移るという進め方が多いです。

現在は何人のスタッフさんが在籍していますか?

25人です。現役の学生だったり、副業としてだったり、実にさまざまな人と一緒に働いています。
僕は長岡と東京の二拠点生活なんですが、長岡に来る時は「この期間、長岡にいるから時間があったら会社に来てね」と事前に投げかけておくと、みんな相談に来てくれる。ディスカッションができる関係性はうれしいですよね。

決裁権も、チャレンジも、全部スタッフにまかせる。“いつかの挑戦”のために過ごす日々

スタッフさんが「挑戦」できるための環境づくりはされていますか?

していますよ。例えば決裁権をみんなに持たせるとか。決裁権は下にあればあるほど仕事のスピードが早まるという考え方のもと、みんなにクレジットカードは渡しています。「この間イベントがあったから参加するために東京まで行ってきました」とか、「仕事の効率を上げるためにバランスボールを買いました」とか、本当にさまざまな使い方をしていますね(笑)。

一緒に働く方々から得るものはありますか?

僕がキャッチアップできないようなところまでキャッチアップしてくれて、補完してくれると、僕ももっと勉強しなきゃなって刺激を受けますね。特にインターンの子たちは成長のスピードが非常に速くて、同時に意識も高い。うらやましいですよ。

10年後も「挑戦」というキーワードは変わらないですか?

変わらないでしょうね。知的好奇心が満たされるのに近いかもしれないけれど、新しいことをやっていることが単純に楽しいんです。
なので、見据えている未来像はじつはなくて。自分がその時にやりたいと思ったことができる準備を常にしておきたいですね。

新しいことは深掘りの先に見えてくる。ユーザー価値を追求できる人とともに

芝田さんはやりたいことをどういった瞬間に見つけることが多いですか?

一つのミッションが終わってからですね。ただ、まったく新しいことを探すのではなくて、一つのことを深掘りしていくようなイメージです。突き詰めていくことで見えてくるものも結構あるんですよ。

今後、どういったクリエイターと一緒に仕事をしてみたいですか?

ユーザーにとっての価値を追求できる人です。あと弊社はあまりルールなども設けていないので、自発的に仕事を作れる人だとうれしいですね。

取材日:2025年6月25日 

株式会社スタイルアーツ

  • 代表者名:芝田 龍正
  • 設立年月:2022年2月
  • 事業内容:Webデザイン、システム開発、グラフィックデザイン、IoT・AI開発
  • 所在地:〒940-0062 新潟県長岡市大手通2-2-6
  • URL:https://style-arts.jp/
  • お問い合わせ先:info@style-arts.jp
コジマタケヒロ

コジマタケヒロ

大学時代からライターとして文筆。大学卒業後は、新潟県内でエリア情報誌を発行する出版社に就職。編集に従事し、エリア情報誌の編集長や各種ムック本制作を担当する。2019年よりフリーランスに。出版社時代から得意ジャンルとしている日本酒や地域のグルメ情報を中心に新聞やウェブ媒体に執筆している。※この記事を書いた人にお仕事をお願いしたい場合には、サイトボタンより直接クリエイターズステーション編集部にご連絡ください。

FOLLOW

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です