「ここに来れば買いたいものが必ずある」信頼を重ねてきた商いと、石垣島の伝統文化を未来へつなぐ3代目の決意【沖縄県石垣市】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

※大山洋平さん(右)と母の佐喜子さん(左)

沖縄県石垣市にある創業68年目の老舗「大山洋品店」。沖縄、石垣島の芸能、祭り、催事の衣装を中心に、かりゆしウェアや帽子、沖縄土産や服飾雑貨などを販売しています。

※華やかな紅型(びんがた)染めの風呂敷

1956年(昭和31年)に呉服の修行をした経験のある初代店主が、物がなかった時代に安価な洋服販売を始めたのがお店の始まり。

現在3代目に当たる大山洋平(おおやま・ようへい)さんは四国にある大学に進学し卒業後は関東などで15年以上過ごしてきました。2年前に島に戻り、店の経営を引き継ぎ、新しいことを取り入れたり試行錯誤を重ねたりしながら大山洋品店を守っています。

「ここに来れば買いたいものが必ずある」

※「会話を楽しみに訪れるお客様もいるんですよ」笑顔で話す佐喜子さん

洋平さんの母、佐喜子(さきこ)さんは、先代の時代から店頭に立ち、現在も店を切り盛りしています。

石垣島は沖縄の離島の中でも大きく、早くから栄えたため、周辺離島からも買い物のために訪れる人が多い場所。先代から、「離島から船賃をかけて石垣島に買い物に来るのは大変な苦労。わざわざ来てくれた人が、買いたいものが買えずに帰ることのないよう、欠品だけはするな」といつも厳しく言われていたといいます。

「ここに来れば買いたいものが必ずある」と、お客様が口々に言ってくれる言葉に、長い歴史の中でお客様の立場になり丁寧に対応し、信頼を重ねてきた商売であることがわかります。

貴重な伝統文化と「大山洋品店」の名前を残したい

洋平さんは、これまでご愛顧いただいた祖父や親の世代のお客様を大切にしながら、新たに地域の文化、祭り、芸能に関わる衣装などの取り扱いに力を入れています。

「石垣島や周辺の島々の祭りは数百年も続く貴重な伝統文化が多いです。末永く未来に残ってほしい伝統文化だから、祭に欠かせない着物を通してその文化を継承する一役を担えるのは誇らしいことです」と洋平さん。

また、石垣島を訪れたいと思っている人が、沖縄の着物や祭り、そしてイベントや文化のことを知れるように、SNSなどを通し発信し交流を行って認知を広めています。

現在、店舗を改装してテナントの事業者を受け入れる準備をするなどの挑戦も始めています。

「石垣島で先代、先々代が得てきたお客様からの大きな信頼を大切にしたい。新しい形に進化しても『大山洋品店』という名前を残すことで、世代を超えて認知される店舗を目指し、信頼を重ねてきた商いを継いで未来につなげていきたい」という強い決意を洋平さんはにこやかに話してくれました。

大山洋品店

HP:https://ohyama-yht.com/

インスタグラム:https://www.instagram.com/ishigakijima_kimono_ooyama/

天野崇子

天野崇子

秋田県大仙市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。

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