〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
株式会社やまやコミュニケーションズが手掛ける辛子明太子は、福岡の戦後の歴史と地理的な条件、そして人の優しさから生まれ、育った味です。
17世紀頃から韓国では、明太(ミョンテ)と呼ばれる、北太平洋沿岸・オホーツク海・ベーリング海などに広く分布するタラ科の魚、スケトウダラの卵をキムチと同じように唐辛子漬けした「辛子明太子」が食べられていました。
古くからスケトウダラの卵を塩蔵した「たらこ」を食べていた日本に、終戦を機に韓国から引き揚げてきた数名の日本人が辛子明太子の食文化を持ち帰ったことが、日本における起源です。
そのうちの一人が、辛子明太子の製造方法を特許申請も企業秘密にすることもなく、知りたい人には喜んで教えたことから博多では辛子明太子の製造会社が増えることとなり、そのひとつがここ、やまやなのです。
辛子明太子はみんなのものということの意味
こうして辛子明太子は、特許を取得しなかったことで誰もが知る博多の名物になりました。
「それまでその名の通り、唐辛子で辛いだけのものが主流だった辛子明太子ですが、それを差別化し、誰が食べても旨いと言われる味にこだわったのがやまやの辛子明太子です」とお話してくださったのはブランディング推進室 広報・PR・ブランド管理チームの江口勝彦(えぐち かつひこ)さんです。
今では複数のメーカーで見かける柚子を使った辛子明太子。実はやまやが発案したものだといいます。創業者は「当初はただ美味しい辛子明太子を作る事に精一杯で告知まで考えつかなかった」と語られていたそうです。
最初の作り方をベースに、それぞれの製造者がオリジナル製法に取り組み、各製造者のこだわりが消費者一人一人のニーズにあった嗜好品として喜ばれていった。これこそが、辛子明太子が誰もが知る福岡代表の名物になれた理由なのではないでしょうか。