一杯の味噌つけ麺が起こす変化。子ども食堂、メンマPJ…地域活動とともに育む笑顔の輪【京都府京都市】

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キラメキノ未来株式会社代表取締役の久保田雅彦さん

「味噌つけ麺」で名をはせ、京都を拠点に成長してきた「キラメキノ未来株式会社」。かつては個人事業から始まり、いまや吉野家ホールディングスのグループ企業として新たな挑戦を続けています。創業者である久保田 雅彦(くぼた まさひこ)さんは、清掃業から物流、そして飲食業へと歩みを重ねてきました。これからさらに挑戦が加速していく同社の見据える未来について迫りました。

清掃業からラーメン店開業へ

久保田さんの出発点は、大学時代。 「立命館大学の夜間に通いながら清掃の仕事を始め、そのご縁でカフェチェーンの関連業務を経験するなかで、飲食業界に関わっていくようになった」と言います。

2006年、個人事業「アクトマン」を法人化。その翌年には兄弟でラーメン店を開業します。しかし、スタートは決して順風満帆ではありませんでした。 醤油ラーメンを売りにした同店には、1日10人しか来ない日も。

しかし、「とにかくお客さまの反応を意識した商品開発を続けてきました」と久保田さんは語ります。

人気メニュー「味噌つけ麺」の誕生

苦境のなかから生まれたのが2008年の「味噌つけ麺」。「新商品を一つずつ試しながら、お客さんにかけて研究しました。何が当たるかわからない中、諦めずに挑戦し続けた結果、手応えがあったのが味噌つけ麺でした」

この成功をきっかけにラーメン事業が軸となり、社名も「キラメキノ未来株式会社」へと改めます。2013年には弟へ事業を譲渡し、経営の幅を広げました。

吉野家HDとの出会い。M&Aの真意

2024年、同社は吉野家ホールディングスの傘下に入りました。M&A(合併・買収)への興味は薄かったと語りますが、当時は経営が安定していなかった状況。社員のことを第一に考えた決断でした。 

久保田さんは「直接お話をした時に、吉野家はラーメン事業にも思いを持っていて、ブランドの信用力を大切にしてくれると感じました」と振り返ります。

また、経営者としても学びの機会が増えたといいます。「経営の知見や企業の育成方法についてアドバイスをいただけるのはありがたく、教わるというより、刺激を受ける機会が増えました。私だけでなく、社員もやる気が増し、社内に活気が出ています」

社会貢献は「普通のこと」。利益追求と別軸で捉える社会への思い

久保田さんは、事業の発展と並行して社会貢献にも積極的に取り組んできました。地域では年に一度の子ども食堂を開いているほか、介護施設ではラーメンを振る舞い、学生の職場体験を受け入れることで食育活動にも力を注いでいます。

また、京都の放置竹林問題に向き合い、ラーメンのトッピングである「メンマ」の材料を京都産の幼竹に切り替える「京都産メンマプロジェクト」にも産学連携で挑戦してきました。

「ラーメンを通して人に喜んでもらうのが自分の喜び。社会貢献も同じで、特別なことではなく普通のことだと思っています」

社員と共に築く「助け合い」の文化

これからの展望について尋ねると、久保田さんは迷わず「お客さんと社員の幸福」を挙げました。

  「社員には助け合う姿勢を持ってもらい、人のために生きてほしい。その他者への貢献心は、必ずお客さまにも伝わり、幸せが伝播(でんぱ)していきます」

ラーメンを軸にした久保田さんの挑戦は、事業だけでなく人づくり、地域づくりへと広がり、今後より多面的な展開を通して、日本中、そして世界へと久保田さんの思いと味が届いていくことでしょう。

最も印象に残った言葉:
「ラーメンを通して人に喜んでもらうのが自分の喜び。社会貢献も同じで、特別なことではなく普通のことだと思っています」

【会社概要】
会社名:キラメキノ未来株式会社
取材対象者:代表取締役 久保田 雅彦(くぼた まさひこ)さん
経営理念:ラーメンを通して人々に喜びと笑顔を届ける
設立年月:2006年(個人事業「アクトマン」創業)/法人化:2007年
事業内容:ラーメン事業の運営、食育・地域貢献活動(子ども食堂、京都産メンマプロジェクト等)
所在地:京都府京都市
URL:https://www.kiramekinomirai.co.jp/

木場晏門

木場晏門

神奈川県鎌倉市生まれ藤沢市育ち、香川県三豊市在住。コロナ禍に2年間アドレスホッピングした後、四国瀬戸内へ移住。webマーケティングを本業とする傍らで、トレーニングジムのオープン準備中。

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