
「旧福知山線廃線敷歩き」というハイキングコースがあるのを知っていますか?

かつて電車が走っていた、JR西宮名塩駅またはJR生瀬駅より武田尾駅(または逆コース)までのコースを武庫川沿いに4.7キロ、2時間ほどかけて楽しめるほぼ平坦なコースです。
2016年秋に、利用者の自己責任のもと一般開放された旧福知山線の廃線敷歩きですが、その魅力を説明すると、それはただ歩くだけでなく「歴史・自然・冒険・癒し」がそろった登山初心者や健康ウォーキングに魅力がいっぱいのコースなのです。
先日、初冬の旧福知山線を歩いてきました。
とても手軽に自然を楽しめるハイキングコースなので、春や夏に撮影した過去の写真も交えて紹介いたします。

目次
そもそも旧福知山線とは?
福知山線の歴史は、明治期に私鉄・阪鶴鉄道として段階的に整備されたことに始まります。
1899(明治32)年に神崎(現在の尼崎)周辺から北へ向けて路線の一部が開業し、その後、延伸と接続を重ねていきました。さらに福知山から舞鶴方面への路線が開通し、大阪方面と舞鶴港を結ぶ鉄道網が形成されました。
現在「JR福知山線」として大阪駅から運行されている区間も、こうした阪鶴鉄道時代の路線を基礎に、明治後期までに段階的に整備されたものです。
鉄道国有化を経て、阪鶴線の呼称が当初用いられていたものの、段階的な整理を経て、官線として福知山線・舞鶴線といった区分で扱われるようになりました。
その後、阪神間の輸送力強化を目的とした複線電化計画が進められ、1986年(昭和61)年には生瀬〜道場間で新線への付け替えが行われ、全線電化が完成しました。
この際に役割を終えた旧線区間が廃線となり、現在ではハイキングコースとして親しまれているのが、今回歩く福知山線廃線敷です。
※福知山線廃線敷の位置関係や旧線の概要については、「鉄道廃線『福知山線廃線敷』を散策する」(https://kdskenkyu.saloon.jp/tale75fuk.htm)を参考にしています。
旧福知山線廃線敷歩きの楽しみ方
ゆっくり“歴史を感じながら歩く”

当時の赤錆びた鉄橋・枕木・トンネルがそのまま残り、まるで「時間が止まった鉄道空間」の体験ができます。汽笛が響いていた頃の風景を思い浮かべながら歩くのも楽しみ方のひとつ。
見どころ
・武庫川橋梁の鉄橋
・苔むした枕木とレール跡
・自然の変化を味わう

武庫川の渓谷と森の景色が季節で大きく変わるのも魅力

人気の季節は、やはり春。桜と新緑、川からの爽やかな風で心地良さも魅力です。夏は、トンネルに入れば川風で冷たく猛暑も忘れられるかも‥!


秋は、川面に映る紅葉がとても美しく写真映えNo1の季節。冬は、訪れる人も少なく静かな森歩きと落葉で景色を満喫できます
トンネルで“ちょっと冒険”

電灯なしのトンネルは6本(数十〜数百メートル)あり、少し不気味でもワクワク感は満載。トンネル内部をヘッドランプで照らしながら歩くと昔の技術力や歴史も感じられます。ライトを消して数秒暗闇に目を閉じると耳や感覚がさえてくる不思議な自然体験ができます。
写真スポットを楽しむ
廃線敷は安全な場所が多いので簡単に撮れるスポットが多くあります。



マインドフルネス・癒しウォークとして
せせらぎの音、足裏に伝わる枕木の感触、鳥のさえずりなど五感を意識して歩くと、ただの散歩が心のデトックスになります。
心拍が落ち着きリラックスするおススメの方法は
・5分間、目を閉じて聞こえる音だけに意識する
・足裏の感覚を感じながら10歩だけゆっくり歩く
・途中の武庫川河川敷でランチやティータイムを楽しむ
最後はカフェや足湯でゆっくり
生瀬や武田尾周辺にはカフェや足湯、温泉が点在します。歩き終えた達成感と一緒にコーヒーを飲んだり、また、温泉に入ると満足度が一気に上がります。

持ち物・装備のポイント
廃線敷は舗装道路とは異なり、枕木などでやや不安定です。

このため、しっかりした準備をしたうえで楽しまれることをお勧めします。
まずは歩きやすい靴、飲み物(冬は暖かい物)、ヘッドランプ、防寒具や雨具、スマホ、軽食やおやつ、ザック(20~25リットル)、手袋、帽子、虫よけスプレー(夏)、タオルなど、あればいい物として、双眼鏡、カメラ、着替え、トレッキングポールなど。
わたしの場合、河川敷でコーヒーをいれて手作りのケーキを楽しんでいます。また冬にはおぜんざいやお雑煮も作ってほっこり時間を過ごしています。
それぞれの楽しみ方を見つけて心豊かな時間を旧福知山線廃線敷でお楽しみください。






