「捨てません」魚の骨まで発酵、 驚く旨味のポンモイ魚醤を作った漁師達が会社設立【北海道網走市】

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網走市の心熱き漁師達が、構想5年、完成するまでに3年を費やし、やっと商品化した『ポンモイ魚醤』は、魚の捨ててしまう部分と水と塩、そして地元醸造所の麹だけで造り、化学調味料は一切使わず環境にも身体にも優しい、そんな漁師たちの思いを乗せた魚醤です。そのポンモイ魚醤について以前ローカリティ!で記事にさせていただいておりました。

「捨てません」魚の頭や骨まで発酵、網走の漁師手作り 驚く旨味の『ポンモイ魚醤』【北海道網走市】の記事はこちら

その取材から1年半が経ち、ポンモイ魚醤作りに新たな動きがあったとの情報を受け、今回はポンモイ魚醤を製造している所へ潜入取材という形で、漁師達の熱き思いと夢の続きを伺いました。

魚醤で「合同会社ポンモイ」設立

筆者の私もファンである発酵調味料ポンモイ魚醤の製造を直接見ることができるとあって心躍りつつ、案内された住所を地図検索してみると、なんと『合同会社ポンモイ』との表示が出現。驚きのなか訪れるとそこには大量のタンクが置いてありました。

倉庫に入ってみると以前は3名だったはずの漁師さんが4名。さっそく社長の川内剛(かわうち・つよし)さんに話を伺うと、「頼りになる漁師が新たに1名増え、今年(2023年)3月に会社を作ったんだよね」との返答。

さらに法人化した理由を尋ねると、利益で仲間と美味しい料理とお酒を飲んで楽しみたいからだと言う。

川内さんはさらっとそう言いましたが、私は「ポンモイ魚醤で会社を設立した本心」と、「漁師達の夢の続き」を早く聞きたい!という感情の波が次から次へと押し寄せます。

漁師3名から4名になり、ポンモイ魚醤の品質と製造量アップ

同じ志を持つ漁師が1名加わり4名になったことで、魚醤の品質や製造量をさらにアップさせる事が可能と考え、少しでも多くの方にポンモイ魚醤を知って欲しいとの思いが深まりはじめました。

そんな時に合同会社ポンモイを設立し、川内社長、武田専務、木村部長、山崎事務局長それぞれの得意分野を生かしながら、さらにクオリティを上げたポンモイ魚醤作りがスタートしました。

まずは以前よりもさらにクリアで綺麗な琥珀色になった理由ついて尋ねると、「タンパク質が固まって多少の濁りが出てしまう事から、ろ過と煮沸の回数等工程を工夫し、仕上げにもう一度ろ過をすることでこんなにクリアになりました」と川内社長が話してくれました。

タンクに入れた魚醤は、発酵を促すために毎日撹拌する必要があり、これがまた時間もかかり大変な作業なのです。しかし人数が1人増えたことにより各工程に余裕が生まれ製造量をアップすることができ、これからは2千本から3千本分の魚醤を製造できるようになるそうです。

〇魚醤の発酵を促すため、業務用の撹拌機でひと樽ずつ毎日撹拌

「ポンモイ魚醤」が網走に行く楽しみの一つになるように

4人の漁師さん達からお話を伺うと、ポンモイ魚醤の『品質・味・旨味』への揺るぎない自信からか、作る工程や失敗・成功の話を口を揃えて実に楽しそうに話してくれました。またそれと同時に、もっとブランド力を高めて網走に貢献したいという意欲が感じられました。

 〇ポンモイ魚醤を作る工程のほとんどが手作業、まさに手造り!

「見てこのクリアな魚醤、綺麗でしょう。これで網走に人を呼びたいんです」

「自分たちが作る魚醤の良さを理解していただき、網走の飲食店でもっと使って欲しい」

「網走に行ってポンモイ魚醤を買わなきゃと思う方が増えて欲しい」

網走市の漁師の方々は熱い心の持ち主が多いが、この4人はまた特別に熱い!

それぞれが魚醤作りの各工程を説明してくれましたが、本業の漁師の仕事の傍ら、空き時間を使っての毎日の作業は生半可な気持ちで取り組めるものではありません。

現在、網走とその周辺の方が口伝えや各種記事・SNS等で知り、ポンモイ魚醤を購入してくれる方が増えているそうですが、興味を持った網走市外の料理人からの試供品の問い合わせも増えているそうです。

〇100ml入りの商品の他、業務用720ml入りの商品も登場

「実はまだ市内で使用しているお店が少ないので、網走市内でも使用してくれるお店がもっと増えると嬉しい」と改めて川内社長が話してくれました。

素人料理人再びポンモイ魚醤に驚く

取材を終え、帰り間際にいただいた『ポンモイ魚醤の搾りかす』について、4人がまた笑顔で楽しそうに、かつ誇らし気に語りだします。

彼らの話をまとめてみると「捨てるもので作っているポンモイ魚醤なので、できるだけ何も捨てたくない」だから「この搾りかすも何かに使えるはず」と言うのです。

さっそく私はその搾りかすを使い、思いつきでグラタンを作ってみました。

ホワイトソースの隠し味に搾りかすを使い、仕上げの香りづけにポンモイ魚醤を少々、見た目はごく普通のグラタンですが、これがまためちゃくちゃ美味い。

コク・旨味・香り全てがいつもの一段上、搾りかすからお宝を発見した気分になりました。

ここで、この秋発売した新しいポンモイ魚醤の簡単なお試し料理をひとつ紹介。

飲み会の翌朝などにおかゆにひと回し、かけて食べてみてください。

〇飲み会の翌朝には是非!嘘だと思って試して欲しい筆者おすすめの絶品おかゆ

「真っ白なおかゆの上に琥珀色の魚醤が美しい」

出汁餡のおかゆも良いけれど、もっと手軽に魚介系の優しい香りと旨味のおかゆが味わえ五臓六腑に染み渡ります。

きっと近い将来、ポンモイ魚醤やお宝のような搾りかすを使って、プロの料理人達が沢山の感動する料理を作ることになるでしょう。

その時はまた、4人の心熱き漁師達の笑顔を見ながら、つもる話をゆっくり聞きたいと心から思いました。

【販売元・販売先・問い合わせ先】

☆販売元

合同会社ポンモイ

問い合せ先 : Instagramのダイレクトメール
Instagram : https://www.instagram.com/ponmoi_llc/

☆販売先

アンドセレクト  網走市海岸町5番1-4

問い合せ先 : Instagramのダイレクトメール
Instagram : https://www.instagram.com/a.n.d_select/

猪澤航

猪澤航

北海道網走市

第5期ハツレポーター

北海道網走市出身、高卒から四半世紀近く周辺2市4町を転勤し歩き、お店も信号機も学校も無い集落を経て網走市へ戻ってきました。離れている時はあまり感じなかった地元愛が、戻ってきてみると驚くほど網走が大好きなことを再確認しました。
そんな私が、離れていたからこそ見える魅力や感動を発信していけたらと思います。

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