小山市からコーヒーを介して文化を発信するCafe FUJINUMA【栃木県小山市】

3 min 323 views

〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

Cafe FUJINUMAの使命と挑戦

栃木県小山市のメインストリートに構えるCafe FUJINUMAの、本店の店長を務める鈴木葵(すずき・あおい)さんは、現在23歳。ある時ふと出会ったスペシャルティコーヒーのおいしさに感動し、地元である同県壬生(みぶ)町を離れ、5年前にCafe FUJINUMAの門戸を叩きました。

株式会社Cafe FUJINUMAは、コーヒー豆の焙煎士である藤沼英介(ふじぬま・えいすけ)さんが、2013年に小山市でカフェを開いたことから始まります。藤沼さんは小山市生まれですが、学生時代から地元を離れ、卒業後はしばらく東京で仕事をしていました。しかしある年、身近な人が事故で急逝したことをきっかけに人生を見つめ直し、Uターン。すっかり寂れてしまった地元駅前の姿を嘆きつつ、「いつか小料理屋をやりたい」と言っていたお母様の夢も叶えるべく、バックパッカーとして世界各地を飛び回った経験からコーヒーという世界共通のカルチャーに着目し、事業を始めたのだそうです。

「オーナーのこういった想いがルーツにあるので、うちの会社はコーヒーという切り口から小山を拠点に様々な文化を発信することを使命としています」。
キラキラとした声で語る鈴木さんは、とてもその年齢とは思えないほど堂々としていて、Cafe FUJINUMAでの仕事を自分事として誇り高く全うされているように感じました。創業者のみならず、そこで働く人それぞれが、文化の発信者としての自覚を持っているのでしょう。

スペシャルティコーヒーのおいしさで世界に目を向けてほしい

元々コーヒーが好きだった藤沼さんは、コーヒーというトピックで誰もがフランクに繋がれることがその魅力であるという気づきから、小山を盛り上げるための手段としてカフェを選びます。しかしながら、安易に「コーヒーなら何でもいいじゃん」とならなかったところが、Cafe FUJINUMAの面白いところです。

Cafe FUJINUMAで提供されるコーヒーは全て、「農園からコーヒーカップまで(From Seed To Cup)」品質管理が徹底されている、高品質かつトレーサビリティの高い「スペシャルティコーヒー」。世界でも希少な豆を直接仕入れ、コンテスト入賞歴もあるオーナー焙煎士・藤沼さんの監督のもと、自社でローストやブレンドをします。取り扱う豆の種類は多く、それぞれの豆の個性を活かすべく浅煎りをメインとしているのだそう。

本物の豆を使い、クオリティが高くおいしいコーヒーに仕立て、生産や流通の現場の生の声を飲み手にダイレクトに伝える。そうすることで、コーヒーをきっかけにつながる世界へと目を向けてほしい。また、おいしいコーヒーが飲めるカフェという場で、自分の好きなことを通じて起こる出会いを楽しんでほしい。コーヒーという気軽な飲み物から、人とのつながりや文化のつながりを感じてほしい。そんな想いが、Cafe FUJINUMAのコーヒーには、一貫して込められています。

地元民も「卒業生」も味方にし広がる「FUJINUMAイズム」

本店店長の鈴木さんは、Cafe FUJINUMAが9年間「ニュースタンダード from 小山」をモットーに事業を進めてきたことで、「小山の街がやっとスタート地点に立った」と言います。地元愛に溢れ、エネルギーに満ちたオーナーの藤沼さんを中心に、小山を盛り上げたいという想いを持つ人々が活性化し、ようやく「どの世代も楽しめる街」として整ってきたとのこと。これからは、若者たちがしっかり街に繰り出して、より積極的に社会に関わることができる風土を作っていくことが目標です。

しかし、「実は私、来年FUJINUMAを卒業して、実家(壬生町)の父がやってる日本料理屋の隣にカフェを開く予定なんです」と鈴木さん。聞けば、彼女だけでなく、Cafe FUJINUMAの「卒業生」たちも、小山にとどまらず全国各地で活躍しているのだそう。オーナーの藤沼さんが持つ、自分たちだけ・小山だけが良くなっても仕方ない、携わる人みんながより良くなることで文化の輪を広げたいという「FUJINUMAイズム」が、地元の人々にもCafe FUJINUMAを離れゆく「卒業生」にも受け継がれ、全国に、そして未来に広がっています。

鈴木さんは最後に、「スペシャルティコーヒーはおいしさの詰まった特別なコーヒーですが、だからこそ日常で楽しんでほしい。FUJINUMAの想いを、暮らしの一部や癒やしのひとつとして感じてみてほしいです」と語りました。Cafe FUJINUMAのコーヒーを通じて、あなたも「FUJINUMAイズム」を味わい、日常から気軽に世界とつながってみてはいかがでしょうか。もしかするとその先に、なにか新しい日常や世界が待っているかもしれません。

ヨコイリカ

ヨコイリカ

東京都文京区

事業部長

ハツレポーター

ふるさと:
香川(出身地)、京都(大学時代から12年間居住)、名古屋・銀座・文京区(仕事場)

全国全世界の「地元の魅力」と「歴史ロマン」と「美味しいもの」にまみれて生きたい。田舎っぺの底力を見せつけてやるー!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です