「世界の屋根」エベレストを見に自分の足で①渓谷と険峻な山々を望みながらエベレスト街道を絶景ポイントへ【ネパール・カトマンズ・ルクラ・ナムチェバザール】

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私が20才の時に最初に登山をしたのは日本アルプスの白馬岳(しろうまだけ)でした。この時は雪渓を台風と雷の中10時間も登りました。特に雷は上から下からも横からも近くに落ちました。

当然、生きた心地がしないので、もう自分は死ぬのだと思いました。なんとか免れて、高山病と低体温症でヘロヘロなって山小屋に着いたとたん、雷で亡くなられた方がいらして、山小屋の方に頼まれて搬送を手伝いました。その時は心底「山は本当に怖い所、もう二度と登らない」と思っていました。

でも何度も危険な目に遭いながらも、先輩に勧められて登山を続けていると、心が洗われるような景色、人の良さ、動物たちとの遭遇などどんどん山に魅せられていきました。

いつの日か人生に一度だけでもヒマラヤに行き、エベレストには登れないけれど、その雄姿を間近で見たいと思うようになりました。

2025年秋、友人の誘いを受け思い切って行ってきました。今回からいくつか紀行文を投稿いたします。少しでも地球と自然の素晴らしさを感じてくださると嬉しいです。

エベレストを見に行くツアーとは

ヒマラヤ山脈は、ネパールと中国、パキスタン、インド、ブータンの国境になる世界の屋根と言われる険峻な山々です。今回はネパールより入国しエベレストが見えるポイントまでトレッキングしました。

ネパールまでは日本よりタイ・バンコクを経由し約8時間の空の旅。外務省の統計*1によると国土面積:14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)、人口:2,969万4,614人(2023年世銀)、首都:カトマンズ、民族:パルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワール等、言語:ネパール語です。

旅程は、エベレスト街道ロッジ5泊、カトマンズ市内ホテル3泊、機中2泊の10泊11日のツアーに参加しました。カトマンズから小型飛行機に搭乗し30分でエベレスト街道のルクラに到着します。

今回は日本からのツアー13人の登山チームで参加。コースは、ルクラからサガルマータ国立公園*2のトレッキングから始まり、ナムチェンバザール、サンボチェの丘まで3泊4日で登り、ルクラまで2日間で戻ります。

ルクラ空港は、急峻な崖の上にあり滑走路も短く「世界一危険な空港」として知られています。

カトマンズからルクアまで小型飛行機なので比較的低空を飛び、途中のヒマラヤの山々を眺めていると期待がふくらみました。ただルクアからの離陸時は、谷底に落ちるように滑走するのでビビりました。

世界の屋根に向けて歩く

初日はルクラからパクディンまで約6時間のトレッキング。ルクラよりパクディンの標高が低いため、2827メートルから2652メートルまで一旦下ります。途中の集落では、チベット仏教などで使われる仏具である美しい「マニ車」や「マニ石」に触れて安全祈願をし、渓谷の澄んだ流れや山々を眺めながらゆっくりとトレッキングをしました。

ただ、歩いても歩いても山頂は近くならず、山々の威圧に負けそうになりましたが、参加した登山チームのみなさんと励まし合ったり、専属のコックさんの手料理のおかげで元気に歩けました。最初の夕食は、ネパールの国民食「チキンダルバート」。そして誕生日の方がおられたのでお手製のケーキまでいただき大満足でした。

いよいよ本格的な登り。高さ200メートルメートルもある揺れ動く吊り橋を恐る恐る渡って、最後の高低差600メートルのナムチェ坂を2時間かけて登ってナムチェバザールに到着しました。

ナムチェバザールは、標高3,446メートルでヒマラヤの山岳民族シェルパ族が聖山とするクンビラ(5,761メートル)山裾に広がるエベレスト街道で、一番大きい集落です。宿泊施設も快適で、日本の山小屋より過ごしやすかったです。

土曜になると市場が開かれるようで、エベレスト街道の住民が日用品や食料を求めて集まって、交易の村としても栄えています。 見晴らしのよい丘には博物館もあり、サガルマータ国立公園の植物や動物、シェルパの生活ぶり、登山史などの貴重な資料が展示されています。博物館には人が自然に刃向かうのではなく、適応しようとする努力と知恵の結晶の生活用品が展示されています。もしかしてヒマラヤには、日本に住んでいると忘れがちの「畏敬の念」を思い返すところが多いのかもしれません。

正念場を超えた先には、眼前に広がる感動

いよいよ正念場!ナムチェバザールから最終目的地シャンボチェのビューポイントを目指します。

ロッジの裏手からシャンボチェの丘まで2時間の急登です。かなりハードですが、コンデリ(6187メートル)などの山々が優美な姿を見せ、圧倒されながらでも辛さも吹き飛びました。

丘を登りきるころ富士山剣が峰(3776メートル)の標高も越えると今日の宿泊先シェルパパノラマホテルが目の前に現れます。

一息する間もなくホテルを回り込むと感動!感激!エベレスト(8488メートル)・ローツェ(8516メートル)・アマダグラム(6812メートル)の名峰が一気に姿を現し感極まりました。天気にも恵まれ、絶景を堪能(たんのう)し本当に人生でも幸せな時間になりました。

ホテルでランチ後、絶景を楽しみながらクンビラの麓「クムジュン」までのんびりとトレッキング。シェルパ族の集落で寺院以外の建物の屋根は緑に統一され、カラフルなナムチェンバザールとは対照的で、静寂と神秘性を感じられる日本の原風景のような美しい山村です。
この村を歩いている時に素晴らしいと感じたことは、ヤクの排泄物(糞)を家の外壁や燃料に使われていることでした。まさにSDGs*3を先行している循環社会と思いました。日本も昔は、こんな循環の仕組みがあったから自然が守られていたのかもしれません。

トレッキングがスタートしたルクラ以降、幸運にも午後も雲がわかず山々を一日眺められる天気が続いています。添乗ガイドさんやシェルパさんによると「こんなに好天が続くのは珍しい‥」「しかもみなさん、年齢が高いにも関わず元気に登って来られたのは滅多にない!チームワークかな?」とも言われていました。

ちなみに平均年齢67才。以前参加した同社のツアーでも最高齢でした。

今回はここまで。次回は絶景のエベレストや満天の星空を掲載いたします。お楽しみに!!

※写真はすべて筆者撮影

*1:ネパールについては外務省の国・地域を参考にしました:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html
*2:サガルマータ国立公園:https://whc.unesco.org/ja/list/120
*3:SDGs17の目標 | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会):https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/

加藤 晴之

加藤 晴之

兵庫県丹波篠山市在住。「丹波の山猿 はっくん」として登山ガイドをしています。また前職(臨床検査技師)時代、健康講座も行っていましたので初心者や中級クラスの方に健康情報をお伝えしながら安全に楽しい登山を行っています。他のスポーツとは違う登山の魅力を体験くださると嬉しいです

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