山口の四季が呑める、四季醸造の酒蔵「株式会社はつもみぢ」【山口県周南市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

 

【山口の四季が呑める、四季醸造の酒蔵】

一年を通して、その季節の新酒を味わうことができる酒蔵「株式会社はつもみぢ」。瀬戸内海と中国山地に挟まれた、海と山の幸に恵まれた周南市、徳山駅の近くにあります。

本来、日本酒は寒い時期に醸造するのが普通なのですが、ここでは一年中日本酒を醸造できる設備や技術があり、常に新酒を楽しむことができます。

 

【自分の舌を信じ、200年の歴史に後押しされた新しい挑戦】

工場夜景で有名な周南市中心市街地周辺は、かつて日本海軍燃料廠があったことから、第二次世界大戦前から工業地帯として栄えた場所です。土地柄、遠方から働きにきている人も多く、昭和60年代頃はビールの売り上げが急速に伸び、日本酒は低迷の一途を辿ったため、「はつもみぢ」では酒造りをやめて酒販業に専念した時期がありました。

その当時、現代表取締役社長の原田康宏(はらだ・やすひろ)さんは、東京の大学を卒業し、企業に就職して働いていました。その後、勤めを辞めて後継者として「はつもみぢ」に戻ってきた時、他の酒蔵で造った酒を瓶詰めだけして販売する「桶買い」という方法でお酒を販売していました。200年近い歴史を持つ酒蔵でありながら、自社で酒を造らない事に釈然としない想いを抱えながら、働く日々が続きました。

そんななか転機が訪れました。山口県酒造組合主催の唎酒競技会で自身が優勝したのです。利き酒は日本酒を造るうえで欠かせない能力のひとつ。酒の味が分かるものとして、納得のいかない酒を売るわけにはいかない。社内では反対意見があったものの、代々続く先祖からの使命感にも後押しされ一念発起。独立行政法人酒類総合研究所で勉強をし、周りに経験者が誰もいないなか、入社から約10年後の平成17年に、一から日本酒造りを再開するに至りました。

【山口にはこんな“しあわせ”があることを知ってもらいたい】

「地元の日本酒を消費する割合が、山口では2割しかない。地元にこんなに美味しいお酒があることを、まずは地元の人に知ってもらいたい」と原田さん。原料を地元のもので揃え、四季醸造の方法で造ることを決めたのも、地元の季節ごとのフレッシュな味わいの素晴らしさを知ってもらいたいから。

「はつもみぢ」の日本酒は、細やかで繊細な味わいが特徴。「令和元酒造年度全国新酒鑑評会」の受賞をはじめ、2021年にはフランスで開催された日本酒コンクール「Kura Master」や世界最大規模のワイン品評会「IWC」のSAKE部門などでそれぞれ金賞を受賞するほどに成長しています。現在、酒造りに関わっているのは杜氏の原田さんの他、蔵人が6人、うち3名が女性だそうです。

「飲んだ人が“しあわせ”になるお酒を造る」

原田さんの造る“しあわせ”は地元だけではなく全国へ、さらに世界からも注目を集め、今、世界に向けても羽ばたいています。

天野崇子

天野崇子

秋田県大仙市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。

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