2025年、55年ぶりに万博(大阪・関西万博)を控える大阪。大阪とくれば、大阪城、道頓堀、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどといった観光地が有名だ。しかし、それだけではもったいない。
標高3メートルの「日本一低い山」と言われる日和山(ひよりやま)のある宮城県仙台市に住む筆者は、1996年7月に国土地理院の地形図に山として掲載されてから2014年までの間「日本一低い山」とされてきた標高4・53メートルある天保山(てんぽうざん・大阪府大阪市港区)を以前から確かめたかった。
見ないのも知らないのも、筆者にとっては「これを見ずにしては大阪のスポットを語ることはできない」くらいもったいなさすぎる。
そして、2024年7月29日、日本一低い山の登り比べをするべく炎天下の日差しの強い中、大阪伊丹空港に降り立ち、モノレールと地下鉄を乗り継いで大阪港駅(大阪メトロ・中央線)に向かった。
駅から10分ほど歩いて天保山公園に入って奥へと向かえば天保山がお目見え。山頂は一見、花壇にも見えなくもないが、天保山として「日本一低い山」という名を、今もなお、残している。
天保山は、1831年(天保2年)に日和山同様に人工で造成された山で安治川(あじかわ)沿いに立つ。日和山よりは比較的新しい山である。
仙台人である筆者から見た感想としては「普通の山」というよりは「川沿いの目印となるべき山」である。むろん、日和山は海、天保山は川が目印となっていると言える。
日本とくれば言うまでもなく「日本一高い山」である富士山の登山に目が行きがちだが、「日本一低い山」を誇った日和山と天保山を確かめて登り比べするのもいいと思う。
大阪に行くのならば、ぜひ一度、立ち寄ってみてみるといい。また1つ、違った大阪の光景に出会える。そして、仙台へ行くのならば日和山も確かめてみるといい。違いを感じる登山も少し違った楽しみ方になるかもしれない。
特に、登山ファンの方々にはぜひ体験してもらいたい。