誰でも映像が撮れる現代、先駆者が生む“真の映像価値”とは?映像新時代を築く孤高の制作集団【大阪府富田林市】

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株式会社イニシエ 代表取締役

Yoshihisa Kanatani
金谷 祥久氏

プロフェッショナルぞろいの「少数精鋭」チームで、クライアントの思いを映像として形にしている大阪の株式会社イニシエ。以前は、塾運営や人材派遣事業を行っていたという代表取締役・金谷 祥久 (かなたに よしひさ)さんは、コロナ禍で倒産危機に陥ったことを機に、「ずっとやりたかった」という映像制作に舵を切りました。イニシエのマインド、これからの映像制作について、金谷さんに経歴をさかのぼりながらお話を伺いました。

イニシエの“いにしえ”。好きなことを追求するために異業種からスタート

イニシエの立ち上げまで・創業時のエピソードをお聞かせください。

学生時代から映像制作に関心があり、初期投資の意味で学習塾を立ち上げ、その後パルクールの非営利団体の運営をしていました。そういった関連もあり、地元大阪のテーマパーク・USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に、パフォーマーや大学生の方々を清掃などの短期アルバイト人材として派遣をする人材派遣事業をスタートしました。
イニシエの事業を開始するまでは私の親戚が運営している企業の屋号を借りる形でテーマパーク関連の仕事を受けていました。イニシエを立ち上げてからは、自社で派遣業許可を取得し、人材派遣業を行いますが直後にコロナ禍が訪れました。

コロナ禍に訪れた倒産危機。出した答えは

コロナ禍をどのように乗り越えたのでしょうか。

外出に制限がかかりテーマパークやイベントが一気になくなってしまうと、みるみる業務が減少し、一時は倒産する可能性もありました。
そんな危機的状況に追い込まれた時に、「どうせ仕事ができなくなるならずっとやりたかった映像制作に切り替えよう」と考えるようになりました。今から3年ぐらい前に事業転換をし、派遣業の許可も返納しました。

少数精鋭で取り組む一気通貫な映像制作。大手企業案件の受注も

あらためて、事業内容を教えてください。

映像制作に加え、3Dデザイン、CG、Web、広告、マーケティングなどのクリエイティブソリューション(創造的な解決、デジタル広告などの開発、プロデュース)を包括的に行っています。
プロジェクト一つが社内で完結するため、工数や金銭面でも負担が軽減され、クライアントに喜ばれています。

どのような体制で運営しているのでしょうか?

10人という少数精鋭で分業しています。それぞれの得意分野のほか、営業とディレクション、編集、撮影などを兼任して行っています。大手企業で経験を積んでいたり、受賞歴を持っていたりするスタッフが多くいるので、映像のクオリティーには自信があります。

イニシエの強みはなんですか。

例えば、一般的にレンタルで賄うことが多い映画用の機材は、自社で機材を所有しています。そして広告代理店を介さず、営業、マーケティングもすべて行っていますので中間マージンの削減ができます。
また、営業やマーケティングなどが自社で完結するため、クライアントの意図や思いをそのまま、映像や広告などに反映することができます。例えば、代理店を通して依頼をする場合、伝言ゲームのように解釈に齟齬が出てしまう状況が少なくありません。
おかげさまで、 資生堂やタリーズコーヒーなどの大手企業、鹿児島県などの自治体からのご依頼もあり、実績を作れてきていると感じます。メンバーで力を合わせ、地道に幅広い実績をつくってきたことが、結果につながってきていると思います。

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これまで受注し制作してきた作品のなかで思い入れ、印象に残るエピソードはありますか?

あるオーストラリアの映画監督との出会いがありました。とにかく大阪が好きで大阪のクルーで撮影を行うことにこだわりたいという思いがあり、制作会社を紹介してくれる機関や大使館などに掛け合っていたようです。
でも結局映画の団体やその周りの企業などにはことごとく断られてしまい、「うちではできない、東京の映像制作会社をあたってくれ」と言われて2年が経過していました。
2年を過ぎても、映像制作会社や紹介元の機関からの提案どおりに東京の制作会社で大阪の映画を撮るということに着地しませんでした。あきらめきれずに、大阪のクルーにこだわると探し続けた結果、見つけてくださった我々クルーとともに撮影を行うことができて映画は無事完成しました。
監督もあきらめずに探し続けて良かったとおっしゃっていて、そしてこちらも一緒に制作することができて本当によかったということが印象に残っています。

映像制作の将来とは?大切にするのは「コミュニケーション」

クリエイティブ業界は今後どのように変化していくと思いますか?

クリエイティブの価値がますます認知されていくと考えています。単純に定量的に測れる物質的な価値には限界があります。結構何でも安く買える時代じゃないですか。安いものでもあまり性能が変わらない。例えば、服にしても車にしても、家にしてもそうですがそういうところの機能性に差がなくなってきているように感じます。これからは、ブランドのストーリー性など人の感情に訴えるところに意識が向いていくと考えています。
今、YouTubeやTikTokなどの普及で動画市場はさらに広がっていますよね。しかしそれらの媒体ではリメイクすることが重要視されており、映像で“オリジナリティー”を出しにくいように感じます。
ただし、マーケティングとしては有用で視聴回数やフォロワーで動画戦略をすることでオリジナリティーや個性などの価値を持つ時代になるだろうと予想しています。そういう部分のお手伝いができるようにしたいと感じており、クリエイティブの重要性、価値の認知をあげていけたらと思っています。

未来のクリエイティブ業界を見据え、日々どのようなことを意識して制作をされていますか?

iPhoneのカメラ機能がとても進化し、誰でもいい映像が撮れる時代ですが、制作会社のプロとして差別化し、“本当にいいもの”を提供していきたいです。
また、人と人とのコミュニケーションを大切にしています。人の温度感を感じながら対話を重ねることで、クライアントの思いを汲み取れるだけでなく、映像制作に熱を込めることができます。心を通わせれば、映像に思いが乗り、みた人にも届くと思うのです。

「ボタンを押したら誰でも撮れてしまう」時代。必要なのは「人生経験」

これから活躍が期待される若手クリエイターの方へ、メッセージをお願いします。

私も映像を学んでいる学生を指導することがあり、さまざまな若手クリエイターをみてきました。現在はYouTubeなどに技術などのノウハウがあるので、“ボタンを押せば誰でも撮れちゃう” 時代。だからこそ真の映像作品をつくりあげるには“人生経験”が大事で、好き嫌いに関わらずにまずは一回やってみることが大切です。それが長期的に生きてくる業種だと思います。極論ではありますが「学校に学びに行くだけでは映像制作は意味がない」と思うのです。
そして個人で始める前にまずは会社などで実績を一回積んだ方がいいとも考えます。 自分が表現したいものをすべてありのままに表現できるとは限らず、自分が表現したいものがこれだっていうものが、ある程度方向性がある人の方がやっぱりその作品の深みを出せるのです。イニシエもそういった方を採用したいです。

取材日:2025年02月12日 

株式会社イニシエ

  • 代表者名:金谷 祥久
  • 設立年月:2017年4月
  • 資本金:1,000万円
  • 事業内容:動画・映像制作(企業紹介・採用動画・製品・サービス紹介など)
  • 所在地:〒542-0082 大阪府富田林市本町19-19
  • URL:https://initie.co.jp/
  • お問い合わせ先:info@initie.co.jp

この記事は株式会社フェローズが運営する、クリエイターに役立つコンテンツを発信する「クリエイターズステーション」にも掲載されています。

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前田かおり(かおりん)

前田かおり(かおりん)

東京都新宿区生まれ中野区本町~渋谷区初台育ち→学生時代は秋田市→県外で働きたい!と唐突に大阪へ。大阪泉州→大阪市で結婚→庄内鶴岡出身の夫や娘とAターン移住→今はIT系エンジニア兼なんでも屋さんに!秋田市大町のリラクゼーションサロン、時々旅するさすらいの肩もみ屋。秋田も関西もマニアックな情報はお任せください~

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