
11月29日、壱岐市で「ウェルビーイングな”まちづくり”プログラム体験」の一環として壱岐の自然や身体性を生かしたヘルスケア体験が行われた。壱岐の自然の中を歩くプログラムや、アロママッサージ体験など幅広いコンテンツが壱岐市の各所で行われた。その中でも筆者が特に興味を引かれたのは「本来は真菰(まこも)だけどレモングラス。ミニゴザあみ手仕事」というプログラムである。「真菰?」「ミニゴザ?」想像がつかない単語が次々と登場し、気になったので参加してみることにした。作業や会話の中で、いろいろな驚き、発見が得られた体験だった。
レモングラスの香りに包まれてひたすら編む
真菰(まこも)は、アジアにおいて古くから食料や工芸の材料、神事に用いられてきたイネ科の植物。一方、レモングラスは東南アジア原産でレモンに似た爽やかな香りを持ち、ハーブティーやアロマテラピーなどにも利用されるイネ科の植物だ。
今回は、アロマテラピーの効果を考慮し、本来ゴザなどを編む際に用いる真菰ではなく、レモングラスが使用された。
担当の方のレクチャーを受けながら作業を進めていく。木でできた手織り機のくぼみにレモングラスの細いくきを撚(よ)ったひもをかけ、ボルトの重りを交互に動かして編んでいく。単純作業だが、一回の作業で編める幅はたったの1センチ。編んでいく太めのくき選びにこだわっているとなかなか進まない。
普段なら途中でむしゃくしゃしてしまいそうな作業だが、レモングラスの香りのリラックス効果のためか、黙々と作業を続けることができた。気が付くと目標の正方形ゴザを通り過ぎてやや長方形のゴザが完成していた。
「広がるのは香りだけじゃない」人とのつながりが心をほぐす
作業の合間に、スタッフの方や隣で編んでいた参加者との間で会話が生まれた。特にスタッフの方が実際に栽培しているというレモングラスについての話が盛り上がった。ハーブのなかでも香りが良く、有名なレモングラスだが、日差しや寒さに弱く、管理には気を使っているとのことだ。また、虫よけの効果もあり、畑の近くに植えることもあるそうだ。他にも、ゴザの編み方のコツから身の上話まで話が広がり、編み終わったころには友達のような距離感に近づいていた。
ひとりで行うあみ手の作業は、話しながら手軽にできるのも魅力的だと感じた。一人でも黙々と取り組める作業だが、誰かが話しかけると自然と輪が広がる安心感がある。静けさの中に人の気配がある、そんな絶妙なバランスが心地よかった。
慌ただしい日々の中で自分と向き合う術の一つの例を体験することができた。ミニゴザだけでなく、こころの余裕までももらえたような気がする。
写真はすべて2025年11月29日筆者撮影
参考:ウェルビーイングなまちづくり委員会web
https://www.city.iki.nagasaki.jp/material/files/group/46/wellbeing2025.pdf





