南海加太線×YOASOBI「めでたいでんしゃ」。22年ぶりに「電車って楽しい」と思えた日【和歌山県和歌山市】

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宇治に暮らしていた頃、移動手段といえば京阪・近鉄・JRの電車だった。車を持たない私は、京阪四条駅までひょいと出かけては、車窓からの景色も含めて「街へ行く時間」そのものを楽しんでいた。

和歌山に来て22年、すっかり車社会に慣れ、電車はどこか遠い存在になっていた――そんな私の心に、久しぶりに“電車で出かけるときめき”をよみがえらせてくれたのが、南海加太線(通称:加太さかな線)を走る「めでたいでんしゃ」だった。

YOASOBIツアーとコラボした「加太線1dayきっぷ」「記念入場券」

その「めでたいでんしゃ」で、人気ユニットYOASOBIのツアー「YOASOBI HALLTOUR 2025 WANDARA」和歌山公演に合わせた記念きっぷが発売されている。

企画を担当した南海電鉄運輸車両部の岸上俊(きしがみ・すぐる)さんは、「ツアーの盛り上げと地域との連携を図るための取り組みなんです」と話す。

さらに、「音楽ファンや鉄道ファン同士が、この企画をきっかけに交流して、それぞれのスタイルで楽しんでいただけたらうれしいですね」と、そういう思いも込められているそうだ。

販売されているのは、和歌山市駅〜加太駅間が有効期間中の好きな1日、乗り放題になる「加太線1dayきっぷ」と、加太線各駅の記念入場券セットの2種類。

濃紺の台紙に、おなじみの鯛マークが入ったピンク色のカードが映える「加太線1dayきっぷ」は、手に取った瞬間から旅気分を高めてくれるデザインだ。

もう一つの「記念入場券セット」には、YOASOBIツアービジュアルの“WANDARA”キャラクターと並んで、東松江駅から終点・加太駅まで、各駅名の入場券がずらり。

めでたいでんしゃのロゴも入り、実際に使うのはもちろん、台紙ごと大切にとっておきたくなるコレクションアイテムになっている。

和歌山市駅から、ちょこっと「めでたいでんしゃ」体験

きっぷを受け取って向かったのは、南海和歌山市駅。

改札を抜け、加太線ホームへ降りると、パステルカラーの車体に「WANDARA」の3匹のキャラクターが描かれた編成が停まっていた。ホームで記念きっぷをかざしながら写真を撮っていると、

“これから特別な電車に乗るんだ”というワクワクがじわっとわいてくる。

車内に一歩入ると、細部まで「めでたい」仕掛けがある。木目調のつり革は、よく見ると魚のかたち。

座席はカラフルなストライプ柄で、壁面もやわらかなパステルカラー。通勤電車とはまったく違う、遊園地の乗り物のような雰囲気だ。

窓の外には、見慣れた和歌山の町並み。
けれど、いつもは車のフロントガラス越しに見ている景色が、今日は電車の大きな窓から流れていく。

ほんの短い区間の乗車だったが、「そうだ、電車で出かけるって、こんなに楽しかったんだ」と昔の感覚がふとよみがえった。

車社会の和歌山で、「電車を楽しむ」という選択肢

今回は途中駅までの“ちょこっと乗車”だったが、加太線は終点・加太まで乗ると、海の近くまで連れて行ってくれる路線だ。YOASOBIのライブは終了したが、音楽を聴きながらのんびりローカル線に揺られるといった時間を持つのも良さそうだと思う。

また和歌山に住んでる人たちにも新しい楽しみを教えてくれる電車だと思うのでぜひ体験してもらえたらと思う。

22年間、すっかり「車の人」になっていた私に、“電車で出かける時間そのものを楽しむ”感覚を思い出させてくれた南海加太線のめでたいでんしゃ。

YOASOBIの音楽が好きな人も、鉄道が好きな人も、そして「最近、電車に乗ってないな」という和歌山の人も。

このコラボきっぷをきっかけに、久しぶりに電車旅のときめきを味わってみてはいかがだろうか。

情報

YOASOBI×めでたいでんしゃのきっぷ価格は、加太線1dayきっぷが1,000円、記念入場券セットが1,500円(いずれも税込・大人用のみ)。10月1日〜12月31日は南海線28駅、10月1日〜12月21日10時までは南海電車グッズオンラインショップでも購入できる。数量限定のため、気になる人は早めにチェックしてほしい。

久松公代

久松公代

第5期ハツレポーター/京都府宇治市産まれ。社会福祉士。父は大阪出身、母は東京出身で子どものころから地域による言葉の違いや風習の違いを感じてきました。和歌山市に移住して18年たちます。暮らして気づく和歌山の良さを伝えて行きたいと思います。

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