沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。
沖縄県北部に位置する国頭郡伊江村。沖縄本島・本部港からフェリーを使い、約30分で到着する離島です。約4000人ほどの人口の島はゆったりとした雰囲気を保ち、豊かな時間を過ごせる場所です。そんな伊江島で純度100%の伊江島産ハチミツを販売するie honeyの大城真由美(おおしろ・まゆみ)さんにお話をお伺いしました。
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ミツバチと出会うきっかけは自宅を建設中?ひょんなご縁が結びつけた運命の出会い。
「ハチの生態ってすごく面白いんです。それを教えてくれたのが師匠である神里聡(かんざと・さとし)さんです」
約20年ほど前に大城さんが自宅を建設する際、システムキッチンを取り付けに来てくれた人こそ、ハチの師匠に当たる神里さんでした。沖縄本島に暮らす神里さんの母は伊江島出身で、偶然にも大城さんの母親とも仲良く、そこから20年来の付き合いだそう。現在はハチを出荷する事業をされている神里さんが、数年前に伊江島に巣箱を置きに来た時に大城さんはミツバチと出会いました。
「師匠が来島して家に遊びに来た時にミツバチの生態を聞いたり、師匠の巣箱を見に行ったりしていたら観察用に1箱自宅に置いてもらえるようになりました」
2019年に初めて巣箱を自宅に置いてもらい、ミツバチ観察をしていた大城さん。そこから「ハチが可愛くて」と完全にハマり養蜂を始めます。2020年から伊江村に貢献できればと思い立ち、ie honeyのハチミツをふるさと納税の返礼品に登録。2021年からは伊江島物産センターに置き始め、そこから沖縄本島の雑貨屋や特産品店などへの紹介があり、販路を伸ばしていきます。
好きな気持ちが原動力。純度100%の伊江島花蜜産
「普通は砂糖水の給餌をして群を保つけど、伊江島のミツバチは給餌していなくても群を保ってくれます。これはなかなか特殊なことのようです。それを生かして、ie honeyでは100%伊江島の花蜜から採ることがこだわりです」
巣箱から約2キロ以内の場所から蜜を採り、ハチミツを溜めるハチの習性から、大城さんのハチミツは純度100%の伊江島花蜜産だと言い切れます。沖縄本島や遠くは北海道や東京まで、このこだわりに共感し、何度もリピートして購入してくださる方もいらっしゃると言います。
「年々巣箱を増やして、ハチミツがどれだけ採れるかデータを収集しています。今年は売り切れてしまい、ツアーのお土産の依頼も断ってしまったんですが、今後はできれば売り切れがないように、もっと多くハチミツが採れるようにしたいです」
年々増えゆく需要に対して、誠実に向き合う大城さんですが、実は「ハチミツを瓶詰めするよりもハチを見ていたい」と思うほど、ハチが好きという気持ちが原動力になっているそうです。
「養蜂をしている理由の80%はハチを好きな気持ちが占めていて、ハチミツを売りたい気持ちは20%だけなんです。ミツバチを飼って、ハチミツを売って、ハチに関わっていると自分がずっと楽しんでいられて、つい笑顔になっちゃいます!」
Made in 伊江島!
「伊江島の好きなところは海と空と美味しい空気と地域性です。いろんな伝統を守っているところに、皆がどんどんハマっている感じがします。若者達や移住者が行事にも積極的に参加するところも良いところです。島全体が移住者もウェルカム体制でそういうところも過ごしやすいのではないかなと思っています」
大城さんは18歳から25歳まで東京に住み、伊江島へ帰ることは考えていなかったと言います。「ちょっとだけ里帰りして暮らしてみようかなと戻ってみようと思ったら、どっぷりと浸かってしまいました。そんな魅力のある島です」と大城さんは話します。
人々を虜にして止まない伊江島で、今では旅行に行ってもミツバチを探すくらいハチ愛溢れる養蜂家となった大城さんが養蜂する100%伊江島産のハチミツ。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?