「『ただいま』と言える旅を」沖縄県伊江島にホームステイの文化を醸成!【沖縄県伊江村】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。
この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

「TM.Planning」への社名変更に込めた想い

有限会社TM.Planningは、沖縄本島の北西約9kmに浮かぶ伊江島にて、レンタカー・レンタバイク・レンタサイクル事業やマリン事業、イベント企画旅行業(民家体感学習泊)を行う事業者です。創業は1983年。有限会社タマレンタ企画として事業を開始しましたが、創業者のご子息である玉城堅矢(たましろ・たかや)さんに代表を交代した2019年に、有限会社 TM.Planningに社名変更し再スタートしました。

玉城さんが社名変更に込めた想いとは何だったのでしょうか? 社名の「TM」は、表向きは玉城の「タマ」の頭文字なのですが、その裏に込めた想いがあるそうです。それは、玉城さんが事業を行う上で最も大切にしている「出会う全ての方へ感謝する」という「Thank you」と「Meet」の頭文字なのだそうです。

それを踏まえた上で、創業から現在に至るまでの軌跡を追ってみましょう。

「家に迎え入れてくれる」他の島にはないホームステイの文化を醸成

基幹産業が第一次産業(農業、畜産業など)で観光には弱かった伊江島において、前身のタマレンタ企画は自動車や自転車のレンタル事業を中心に観光サービスを展開し、観光業を打ち立てることに成功しました。しかし、本島からフェリーで30分というアクセスの良さから日帰りの観光客が中心で、島にお金を落とす仕組みを作るのには限界がありました。

そういった事情から、タマレンタ企画は、伊江島で自然・暮らし・文化・芸能体験ができる民家体験泊(民泊)事業を開始し、やがて修学旅行を誘致するようになりました。学生はレンタサイクルで島の自然を感じながらサイクリングしたり、サトウキビ、落花生、ベニマなどの農業や料理、芸能などを体験。2001年頃には修学旅行生を400名一度に抱えるまでに事業が拡大し、生徒数分のレンタサイクルを常備し、リピーターとなる学校も出てくるまで発展しました。

伊江島には高校がないため、子どもたちは15歳で島離れをしないといけないという事情があります。島の人にとって、旅立ちをした子どもたちと同じ年齢の子どもをホームステイで受け入れることは、ぽっかりと空いた心の穴を埋めるような機会になっているそうです。

そういった事情も考慮し、タマレンタ企画は他の島にはない「家に迎え入れてくれる」文化を醸成して行きました。

弱点だったアフターケア不足を補う「ライフタイムバリュー」

修学旅行生を中心とした民泊事業は堅調で、2019年に代表交代とTM.Planningへの社名変更を経て、いよいよこれからというタイミングでコロナ禍に突入します。この期間は、自分たちの事業の目的が果たせなくてもどかしい思いをしていた反面、玉城さんがこの事業を通して大事にしたいこと、やりたいことなどが整理、準備できたそうです。

コロナ禍以前にうまくいっていた事業の中にも課題はありました。それは、修学旅行で訪れた生徒たちに対してアフターケアが行き届いていないこと。現時点でTM.Planningのサービスをリピートして利用する学校はいくつかあるのですが、学生が入れ替わりながら訪れるだけで、個々の生徒が卒業した後の関係が途切れてしまいます。

そこで玉城さんが準備しているのが「ライフタイムバリュー」というサービスです。それは、学校を通してだけではなく、卒業後も伊江島を訪れ、伊江島を「ただいま」と言える心のふるさとにするために一生涯関わり続けること。冒頭で紹介した社名変更に込めた「出会う全ての方に感謝する」という想いを実現するためには不可欠なのです。

取材をした2023年9月には新型コロナウイルスの流行が落ち着いており、ちょうど複数高校からの修学旅行生の受け入れが始まっていました。いよいよ事業が本格再開したTM.Planningのサービスを利用し、「ただいま」と言える新しい旅をしてみませんか? 伊江島があなたの心のふるさとになる日も遠くないかもしれません。

事業者情報

有限会社TM.Planning<沖縄県伊江村>
HP:https://tmp.co.jp/

栗田宏昭

栗田宏昭

ローカリティ管理者

神奈川県平塚市

第1期ハツレポーター

全米住みたいまちNo.1に選ばれた「ポートランド」で「コミュニティ開発」を学び、「ローカル」の重要性を叩き込まれた。地元の神奈川県平塚市でローカル市民メディア「平塚市民プレス」の立ち上げ経験があり、第二の故郷であるポートランドのカルチャーをクラフトビールと一緒にサブスクパッケージ販売する「桜泥棒BEER」を準備中。

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