石垣島の「親戚」からパインが送られてきた。ムリカ星のような家族が作る愛情たっぷりパイン【沖縄県石垣市】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

八重山の農業に欠かせない「ムリカ星」、7人家族と照らし合わせた屋号を掲げる農園の新たな挑戦

作業合間に一休み中の一コマ。

八重山の農業で古くから指標になっている「ムリカ星」をご存知ですか?プレアデス星団と呼ばれている星の集合体で、和名では「昴(すばる)」として知られており、八重山地方では「ムリカ星」という名前で呼ばれています。

「見る人によって星の数が6個に見えたり、7個に見えたりするんです。うちはちょうど7人家族だし、農業に欠かせない星だから、ムリカ星農園にしました」。

そう教えてくれたのは、生まれ育った沖縄県石垣島の地で、家族みんなでパインを作っているムリカ星農園の當銘朋恵 (とうめ・ともえ)さん。

夫・正友(まさとも)さんの家業が40年以上続くサトウキビ農家ということもあり、朋恵さんも結婚後は農業に参加し、5人の子どもたちを育てながら、日々、畑に通っています。2018年からはサトウキビ畑の端っこでパイナップル栽培を少しずつ始め、コロナ禍に入りオンライン販売の挑戦が始まりました。

「石垣島にいる親戚からパインが送られてきた」という関係性をつなぎたい

親戚から送られてくる荷物には、その土地の新聞や美味しいものが詰まっているのが魅力ではないでしょうか? ムリカ星農園はそんな優しい関係をお客様と築きます。

「石垣島にいる親戚からパインが送られてきた!という関係性を繋ぎたい」。そのためにお客様のお顔と名前が認識できる範囲で事業を進めるのがムリカ星農園のこだわりです。

手塩にかけて育てたパインに同封するのは丸い紙と吹き出しの紙。「パインさんはどんなことを感じていて、何が言いたいのかな?」なんと、パインを受け取った方が自由に書き込み、パインに付けて楽しむことができる「森の福笑い」です。手元に荷物が届き、お客様が包みを開いた時、綻ぶ笑顔が想像できますよね。

さらにパインの収穫時期が終わった際も、再度残暑見舞いのご連絡をされているという、まさにこれは親戚付き合いそのものです。そのおかげでムリカ星農園さんにはリピーターさん達がこぞって毎年注文してくださるのです。

パインに同封する「森の福笑い」
お客様から送られてきたパインの写真をハガキにして暑中見舞いに!

家族で過ごす時間があってこその農業、本当の豊かさの先にあるのは愛

世界を揺るがしたコロナ禍といえば「経済が滞る」「観光客が来なくなった」などマイナス面ばかりに目が行きがちですが朋恵さんは違います。

「学校が休みになったので、子どもたちも一緒に農作業ができて楽しかったですね。義母がお昼ご飯を作ってガジュマルの下でみんなで食べ、夜は満天の星を見ながらBBQをしていました」。

家族で過ごせる時間が増えて、より豊かな生活が送れて幸せな時間だったと言います。

農業に取り組んで感じる魅力の1つは「家族で仕事ができること」だと朋恵さんは言います。「義両親も子どもも一緒に働ける。時間もある程度融通が効いて自由ですし、自分のペースで仕事ができるのでとても良いですよ」。

空いっぱいに広がる満点の星空のように、キラキラと澄んだ心で農業に取り組んでいる姿が印象的でした。

事業者情報

ムリカ星農園
https://www.facebook.com/murikabushi

藤木彩乃

藤木彩乃

長崎県壱岐市

編集部コミュニティマネージャー

福岡県生まれ、沖縄県宮古島育ち、長崎県壱岐島在住。
けしごむはんこ「あやとりや」という屋号で作家活動をしています。最近はサーフィンと植物/野菜を育てることにハマってます。

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