「秋田のワインはうめぇから、こっちさ遊びにけ!」フルーツが自慢の海風の町で、‟世界に誇れる”ワイン造りの仲間になりませんか?【秋田県潟上市】

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筆者撮影:ブドウ畑を眺める安東さん

涼やかな風と夕日のコラボが楽しめる海に面した町、秋田県潟上市(かたがみし)にある「むつみワイナリー」では、ワイン造りに関わるボランティアを募集しています。地域の特産品である果物と砂地の土壌を生かした、まだ若いワイナリーは今年で4年目。自分で収穫したブドウが町の新たな名産を作る、そんなワクワクを始めてみませんか。

むつみワイナリー提供写真:のはらワイン

ワイナリーの責任者である安東陽一さん(46)は、東京でワインソムリエとして活躍し、2023年、‟空のきれいな場所でワインを一から作りたい”との思いで秋田県潟上市に移住しました。潟上市の気候が気に入り、「むつみワイナリー」でブドウ畑を耕し、ワインを作っています。

東京でソムリエを20年。でも考えると「ワインの作り方」を知らなかった

安東さんは茨城県出身。約25年前に飲食の世界に飛び込み、その後5年でワインソムリエの資格を取得。以降、東京都の銀座や麻布十番で、創作料理店やジンギスカンの店など、飲食店で修行しながらソムリエとして活躍してきました。

しかしある時、安東さんは自分の人生にふと疑問を持つようになりました。

「このままここにいて、自分が成長できるのかなって思ったんですよね。それに、考えてみるとワインの作り方そのものを知らなかった。お客さんに色々ワインの説明をしながら、自分の中でどこか嘘っぽい感じが20パーセントくらいあって。だから、どうせならとことん突き詰めてみよう、ワインを一から作るところからやってみようと思って、東京を離れることにしました」

安東さんが移住先を決めるにあたっての最低基準は、「海があって、山があって、空のきれいなところで、ブドウの苗植えからワインを作る」こと。

そこで出会ったのが「むつみワイナリー」でした。

「ブドウの収穫作業で初対面同士が楽しく交流している!」ボランティアを募ろうと思ったきっかけ

むつみワイナリー提供写真:むつみワイナリー

「むつみワイナリー」は、地元企業である「むつみ造園土木株式会社」が、地域貢献の一環として2021年に開業しました。

安東さんがワイナリーに関わるようになった2023年から、ワインのPRイベントなどで知り合う人たちの中で収穫を手伝ってみたいという声が上がっており、SNSでボランティアを募集してみたところ、潟上市だけではなく、隣接する秋田市からも有志が集まりました。

「初めて顔を合わせる人どうしがブドウの収穫作業を通じて楽しくコミュニケーションをとる様子を見ていたら、これは価値のある体験を提案することができるんじゃないかと感じたんです」と安東さん。

ワイン造りを通して仲間を増やし、潟上ワインの認知度を高めたい

むつみワイナリー提供写真:収穫期のブドウ

もともと潟上市は、ブドウやナシなど果物の生産が盛んな土地。シーズンになると、道の駅にずらりと並ぶ商品が午前中には売り切れてしまうほど、その人気は高いです。しかし中には、味はいいのに店頭に出せない形のものも。それらを生かして作った「潟梨酒(カタナシ ワイン)」もその一つですが、潟上には果物だけじゃなくワインもあるんだ、ということを広め、いずれ大きく成長させたいと安東さんは考えています。

むつみワイナリー提供写真:カタナシ ワイン

「今はまだ、生まれたばかりの若いワインですが、いずれは秋田県民が世界に誇れるワインに育てたい。そのためには、多くの人たちとつながりを作り、認知度を上げたいと思っています」と話す安東さん。また、自然の中でおしゃべりしながら、日常と少し離れた作業を行うのはリフレッシュにもなるのでは、とも。東京の真ん中で暮らしてきた安東さんが提案するのは、PCや書類から目を離し、海風を感じながら仲間とともにブドウの未来を思う、そんなぜいたくな時間なのかもしれません。

むつみワイナリー提供写真:ブドウの収穫ボランティアのようす

「たしなむ人」から「造る人」へ。ブドウ畑でいつもと違う日常を

新シリーズの開発からラベルの写真まで、手作りの醍醐(だいご)味や可能性をふつふつと感じられるのは、まだまだ成長途中のワイナリーならでは。

「ワインをたしなむだけではなく、ワインを「造る人」として県外からも訪れる人が増えて、ワイナリーを含むこの地域のコミュニティが形成できたら・・・」と安東さんは話します。

むつみワイナリー提供写真:のはらワインのラインナップ

いつか、自分が関わったワインが店頭に並び歓談の場をにぎわす、そんな未来を思い浮かべながら、潟上市で‟世界に誇れるワイン造り”に参加してみませんか。

むつみワイナリー提供写真:イベントでワインを販売する安東さん(左)

今後、行っていきたいこと、ボランティアにできること

むつみワイナリー提供写真:ラベルはりのボランティアのようす

・ワインボトルのラベル貼り
・ブドウ、ナシの収穫体験
・ブドウの房から茎を取り除く徐梗(じょこう)作業
・ワイン勉強会
・ブドウのひげや新芽など、食材になりそうなものの使い方研究会
・新シリーズのワインのラベル素材となる景観写真撮影会他

問合せ

むつみワイナリー

住所:秋田県潟上市天王字棒沼台306
インスタグラム:https://www.instagram.com/mutsumiwinery/
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田川珠美

田川珠美

第1期ハツレポーター/移住と就業促進の仕事に関わってから、知らなかった魅力や課題のあることに気づきました。雪国のあたたかく柔らかい秋田を届けたいと思っています。ライフワークはピアノを弾くこと、ワクワクするのは農道探索、そして幸せは、心のふるさと北秋田市の緑の中をドライブすることです。

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