久しぶりに実家に帰ったら、父が突然「元気が一番だっちゃ!」と言い放ち、流暢にラムちゃん語を使いこなしていた珍騒動から数ヶ月ーー。
記事を読んでくれた友人各位から「あなたのお父さんってラムちゃんだったんだね」を、仙台弁を話す父ネタでいじられている私だが、なんと今回の帰省で、更なる疑惑が浮上した。
とある朝食の出来事だ。
一緒に食卓を囲っていると、のどが渇いた父が不意に母に声をかけた。
「お母さん、お茶取ってケロ」
ケロ…?
目の前の人間に思える生命体が、今、「ケロ」と言ったのか?
ハロウィンでもない、コスプレもしていない、いつも通りの日常だぞ…?
頭の中はハテナだらけ。
なんと、父はラムちゃん語に加え、カエル語も使いこなす、ハイブリットだったのだーー!
目次
「けろ」ってどういう意味?!
お分かりだと思うが、父はカエルではなければ、アニメに出てくる独特な語尾のキャラクターに憧れているわけではない。
ケロケロ言う理由は父のバックグラウンドにある。
現在宮城県に住んでいる父だが、元々は山形生まれ山形育ちである。特に父の母(筆者の祖母)は山育ちでなまりが強く、筆者はどんなに耳を傾けてもフルセンテンスを聞き取ることができないレベルだった。
そこから就職や結婚を経て、宮城県に移住。50年近くになる。
そんな父なので、山形と宮城の方言を無意識にミックスさせていたのだろう。
「〜(して)けろ」は山形でよく使われる方言で、「〜(して)ください」というお願いを表す意味を持っている。
つまり、「お母さん、お茶取ってケロ」は、方言の「けろ」であり、標準語に直すと「お母さん、お茶取ってください」ということになる。
地元に愛される山形弁「けろ」
山形のご当地キャラクター「きてけろくん」をご存じだろうか。
山形県の顔の形をしている、なんとも癒される、ゆるキャラだ。
さて、ここまで読んでくださったあなたは、「きてけろくん」の意味を察していることだろう。
「きてけろくん」とは、とどのつまり、「(山形に)来てくださいね」という意味だと言うことを…!
この一件で注目したいのは、「けろ」と言う山形弁が、ゆるキャラに採用されるほど地域に愛され、浸透している言葉だと言うことである。それほど、山形の人にとってスタンダードなワードなのだ。
「けろ」は可愛い!?これであなたも山形弁マスター!
なんとこの山形弁、単体でも使うことができる。
単体で使われる「けろ」の意味は、「ちょうだい、くれ」だ。
つまり、こうだ。
「アイス買ったんだ」
「けろ(ちょうだい)」
「いいよ」
なんともシンプル&ストレートな回答。スマートだ。
テンションが上がった時は、連打もできる。こうだ。
「限定のアイス買ったんだ」
「けろ、けろ!」
「いいよ」
いかがだろうか。
そんな会話を女子高生がしていたら可愛いし、60歳代のおじさんーー私の父ーーが話していても可愛く聞こえる(気がする)。
ぜひ普段の会話の中に、ちょっぴり山形弁を取り入れて、言葉遊びを楽しんでみて欲しいけろ!