〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
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白神山地に岩礁の海岸線、山海の幸豊かな八峰町
秋田県沿岸北部、青森県との県境に位置している「八峰町」。旧峰浜村と八森町が合併して誕生した町で、なかでも峰浜地区は世界自然遺産「白神山地」の麓にあり農業が盛んです。また八森地区はハタハタの産地として有名な「岩館海岸」も擁しており、山海の幸に恵まれた豊かな自然は「八峰白神ジオパーク」として認定されるほどです。
海岸沿いを走る鉄道「五能線」からの絶景は、乗り鉄のみならずとも、多くの人の心を魅了してくれます。白神山地のブナの森から湧き出る天然水は、神社の境内裏手にある滝「白瀑(しらたき)」に流れ込み、蔵元の仕込み水にも利用されています。
新鮮なとれたて野菜や手作り品が満載「おらほの館」
レジャー施設やイベント広場などが集まる「ポンポコ山公園」の入り口に、八峰町の道の駅「みねはま」と産直施設「おらほの館」があります。
砂丘地栽培で瑞々しく甘みが強い「峰浜梨」や、東北内で峰浜地区が有数の産地とされる「菌床しいたけ」をはじめ、新鮮で安い野菜、果樹、米、花、山菜などを販売して、のべ250万人以上の入館者を誇ります。そのほか、手づくりの「おやき」などの加工品や惣菜、民芸品まで揃い、アイテム数は500以上。全ての商品に生産者の名前が明記されており、各生産者に信頼を寄せ、同じ商品を度々購入されるリピーターも多数いるそうです。
「白神山地が世界自然遺産に登録された当時は来館者数が多くてイケイケだったんですが(笑)、近年は新型コロナの影響もあり苦戦しております。ただ、ふるさと納税では野菜とお米のセットなどいろいろ工夫しているので、購入者は緩やかながら右肩上がりとなっています」と、峰浜産直会会長の渡邊真由美(わたなべ まゆみ)さん(以下写真・左)。
「おらほの館」は、産直会に参加している農家さん自身が考え工夫を凝らせる仕組みになっており、直売所の機能だけでなく、地元農家さんの収入を支える産地形成促進施設として地域にかけがえのない場所であると実感しました。
農家さん全員が「自分のお米が一番おいしい」と誇る味
ほとんどの農家さんが稲作中心という峰浜地区。「この地域の農家さんは全員自分が作っているお米が一番おいしいと思っているんです。他の家のお米を食べても、なんか違うなぁって」と言って、峰浜産直会運営委員の鈴木朝子(すずき あさこ)さん(写真・右)は微笑みます。
昔から「川の近くのお米はおいしい」と言われており、「白神産地」から湧き出る天然水が川となって、その川が田んぼに網の目のように流れ込んでいます。また、お米はなるべく新鮮なものをと、ふるさと納税で注文を受けてから、精米仕立ての新しいものを出荷しています。
「東京都内でレストランを営む方からも『いろいろ食べ歩いたけど、このお米が一番安定しておいしい』とご好評いただき、定期的にご購入いただいています」と、会長の渡邊さん。もちもちした「あきたこまち」の味わいは、細やかなお米の管理と農家さんの気概、そして世界自然遺産から流れ込む水が決め手になっています。