奈良県上北山村にある水分神社は、田舎によくあるような小さな神社です。普段、夜は真っ暗ですけど、お正月と節分の日だけは拝所に明かりが灯されて、参拝者を受け入れてくださいます。お参りする人は豆を白い紙に包んで、お供えします。ニュースでは、大きな神社やお寺で盛大に行われている節分イベントが報道されていますけど、山奥の小さな神社でも、ひっそりと祭事は行われているんです。
立春正月という考え方があります。立春を1年の始まりとする考え方です。もともと日本で使われていた暦では立春の前後に正月がありました。この考えに基づくと、節分は大晦日のようなものと捉えることができます。
この頃になると、日が長くなってきているのを実感できて、梅の花が咲き始めて、田畑の畦では気の早い野草を目にすることができます。気をつけてみると、暦の上だけじゃなく春が近づいて来ているのを感じることができます。
仏教では宗派によっては、この日を境に星の巡りが変わるとされています。お寺によっては節分祭のことを「星祭り」や「星供養」と呼んだりするのはこのためです。
近年では売れ残った恵方巻の大量廃棄が社会問題になるなど商業主義のイメージがある節分ですが、本当は日本人にとって大切な文化のひとつなんですね。
紀伊半島魅力発掘隊Facebookより 2019年2月4日の投稿