
長崎県壱岐市芦辺町(あしべちょう)の国分寺で、2025年3月に第44世住職となる辻口住職が正式に寺へ入る「晋山式(しんざんしき)」が執り行われました。1997年以来、28年ぶりの晋山式となり、檀信徒や関係寺院の僧侶ら約150人が参列。伝統にのっとった儀式が厳かに執り行われ、新住職の船出を祝いました。
目次
晋山式とは「寺に進む」意義深い儀式
寺の住職となるためには、所定の修行を積み、資格を得た上で正式な辞令を受ける必要があります。その後、寺院に迎えられる儀式として行われるのが「晋山式」です。
「晋山」の「晋」は「進む」、「山」は「お寺」を意味し、つまり「山に進む=お寺に入る」ことを表しています。これは単なる就任式ではなく、住職として寺を守り、檀信徒を導く誓いを立てる重要な儀式です。
晋山式の当日、新住職は「安下処(あんげしょ)」と言われる家に入り、そこで身支度を整えます。そして、いよいよ本堂へと向かう際には、檀信徒や稚児、随行の僧侶らに導かれ、大傘(おおがさ)に覆われながら列を進みます。時間の都合で今回は途中、バスで移動しました。
御詠歌隊と稚児の先導で、新住職が山門をくぐる
先導を務めたのは、御詠歌隊(ごえいかたい)と色鮮やかな装束をまとった稚児(ちご)たち。伝統的な装いに身を包んだ随行の僧侶たちが後に続きました。
大きな朱色の大傘に覆われた辻口住職は、ゆっくりと山門をくぐりました。
新住職の決意「檀信徒とともに寺を守る」
晋山式を終えた辻口住職は、「無事に式を終え、ほっとしている。伝統ある国分寺の住職として、檀信徒の皆様のご先祖供養をはじめ、一門の交流と繁栄に努めたい」と、決意を語りました。
新たな住職が正式に迎えられたことで、国分寺の新たな時代の幕開けを感じさせる一日となりました。
写真はすべて筆者が2025年3月に撮影したもの