世界から注目を集めている瀬戸内海の絶景をご存じですか?香川県三豊(みとよ)市にある紫雲出山(しうでやま)から望む、瀬戸内海の島々はとても美しく、朝日と夕日の両方を楽しむことができます。米国ニューヨーク・タイムズ紙や日本の夕陽百選にも選ばれた紫雲出山の魅力についてお伝えします。

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世界を魅了した桜と多島美の共演
瀬戸内海に突き出した荘内(しょうない)半島。その山上に位置する紫雲出山は、瀬戸内特有の「多島美(たとうび)」を一望できる希少なスポットです。多島美とは、多数の島々が点在し、それらが織りなす詩情豊かで絵画のような美しい景観を指す言葉です。この美しい景観は海外からも高く評価されており、2019年には米国ニューヨーク・タイムズ紙の「行くべき52ヵ所」において、瀬戸内の島々が第7位に選出されました。その際、日本を代表する風景として紹介されたのが、この場所の桜と海のコントラストです。
春には約1000本の桜が咲き誇り、淡いピンク色の花びらと、穏やかな瀬戸内ブルーが織りなす景色は圧巻です。山頂という高い位置から、海と桜を同時に見下ろせる場所は全国的にも珍しく、その圧倒的な美しさは、訪れる人々の心に深く刻まれます。
弥生の歴史浪漫に思いをはせる山歩き
紫雲出山の魅力は、表面的な美しさだけにとどまりません。山頂一帯からは、弥生時代の高地性集落跡である「紫雲出山遺跡」が発見されています。これまでに土器や石器が出土しており、はるか太古の時代から、人々がこの場所で生活を営んでいたことが分かっています。
展望台から少し歩いた先にある紫雲出山遺跡館では、弥生時代の土器や石器が展示されています。
館内には喫茶コーナーがあり、大きな窓から海と島々を眺めながらひと息つける空間も整っています。日帰りはもちろん、観光に時間をかけずとも、ふらっと立ち寄って自然と歴史に触れることができる場所です。
朝日と夕日が照らす一日の始まりと終わり
半島が海に向かって鋭く突き出し、周囲を海に囲まれた地形であることから、ここでは朝日と夕日の両方を楽しむことができます。特に、桜の時期の夕陽は格別です。
日が沈んだ後も楽しみは尽きません。夜には満天の星に加え、東には瀬戸大橋のライトアップ、対岸には中国地方の街明かりが輝きます。
心を整え明日への活力を生む朝の習慣
三豊市では、漁業関係者、建設関係者などを除けば、早朝の人の往来は少ない印象です。ですが、あえて早起きをして山へ向かい、昇る朝日を浴びて一日をスタートさせるのは、一日の良いスタートダッシュとなり、とてもオススメです。昼近くまで寝て過ごす休日とは異なり、自然のリズムに合わせて活動し始める一日は、とても活気に満ちあふれていて、私自身とても気に入っています。
観光地一つをとっても、時間、季節を変えることで、違った価値を感じることができます。同地域に住んでいる私だからこそ、多面的な楽しみ方をしていく必要があるなと感じました。





