全国で長崎だけ!?「生徒会サミット」で県内の生徒会活動を盛り上げる【長崎県東彼杵町】

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2026年3月7日、長崎県東彼杵町の総合会館で県内高校の生徒会役員が集う「生徒会サミット」が開催された。県内27校から約100人の生徒が参加し、学校の枠を超えた交流や意見交換を行った。「生徒会交流専門部」による「生徒会サミット」は長崎独自の取り組みで、離島を含む多数の高校生が参加している。筆者も生徒会役員としてこの会に参加した。生徒会活動に長く携わってきた先生による講義や、同世代の生徒会の活動を聞き、多くの学びがあった。

「誰一人取り残さない」生徒会サミット 

当日は生徒が中心となって司会や進行を務めた。会場には特別支援学校の生徒も参加しており、話者の隣には手話通訳が立っていた。休憩時間に流れる音楽の歌詞まで手話で伝えている姿が印象的で、「誰一人取り残さない」というサミットの姿勢を感じた。

参加した生徒は14班に分かれて活動を行った。最初は緊張した空気が漂っていたが、自己紹介やアイスブレイクを通して次第に打ち解けた雰囲気へと変わっていった。今回のサミットは、他校の生徒会活動を知るだけでなく、学校行事のあり方や生徒主体の活動について改めて考える機会となった。

「テーマには言葉の力がある」 前川卓郎先生が文化祭づくりの本質を講義

前川さんは講義を「①『テーマ』と向き合う」「②『テーマ』を学ぶ」「③『テーマ』をつくる」の三つの段階に分けて説明した。

①「テーマ」と向き合う          

まず「テーマと向き合う」段階では、生徒たちに来場者の立場から文化祭を見ることの大切さを伝えた。前川さんは「テーマのない文化祭は、トンカツのないトルコライスのようなもの」と例え、行事全体をまとめる軸としてテーマが重要な役割を持つと語った。

補足すると、トルコライスは主に長崎市を中心としたご当地グルメで、一皿に多種のおかずが盛りつけられた洋風料理であるが、トンカツが重要な役割をもつのである。

そして前川さんは「テーマには言葉の力が宿っている」とまとめ、言葉が人の心や行動に影響を与えることを強調した。

②「テーマ」を学ぶ

次の「テーマを学ぶ」段階では、主催者の視点から文化祭を捉える重要性を説明した。文化祭は単なる行事ではなく、「学級、学校、さらには社会や世界を変える手段になり得る」と述べた。学校が抱える課題や伝えたいメッセージをテーマとして掲げることで、行事を通して学校の雰囲気や生徒の意識を変えることができるという。前川さんはこの部分を「テーマは学校や社会、そして主催者の心に変化をもたらす」とまとめた。

③「テーマ」を作る

最後の「テーマをつくる」では、テーマづくりの出発点について触れ、「テーマはメンバー一人ひとりの思いを共有することから始まる」と説明した。生徒会メンバーが互いの考えや願いを共有することで、文化祭の方向性がより明確になると語った。講義ではグループディスカッションも行われ、参加した生徒たちは文化祭のテーマが持つ意味や役割について意見を交わしながら理解を深めていた。生徒会活動だけでなく、社会活動においてテーマの設定が必要になったときにも生かせる貴重な講義だった。

前川先生の経歴

講義を行った前川卓郎先生(佐世保西高校教諭)は、平成28年に西彼杵高校に赴任し、昨年度の生徒会サミットで講演を行った福田鉄雄校長に師事。長崎県における生徒会活動の歴史やその重要性を学んだ。

2017(平成29)年度から2023(令和5)年度までの7年間、高文連生徒会交流専門部の専門委員長を務め、長崎県高等学校総合文化祭開会式では舞台統括や総合演出も担当した。現在は佐世保西高校に勤務する傍ら、高文連図書専門部専門委員長、長崎県高等学校軽音楽連盟理事、NPO法人ながさき読書文化フォーラム理事、TED×Saikaiのオーガナイザーなど、多方面で活動している。

福山雅治さんに届いた!被爆地・長崎の本気の平和学習

実践発表では三つの分野に分かれて分科会が行われた。筆者は、諫早商業高校による「生徒会が作る平和学習〜福山雅治さんに届いた!私たちの思い〜」という発表を聞いた。生徒会が主体となって平和について学び、発信していく取り組みが紹介され、会場の生徒たちは熱心に耳を傾けていた。

諫早商業高校では、先生だけでなく、生徒会が中心となった平和学習が行われている。平和を身近な問題として考えてもらうため、県内の高校生平和大使を招いた講話や、生徒による平和についての発表など、さまざまな取り組みを行っている。
発表では、「どうすれば他の生徒たちに私たちと同じ熱量で平和に向き合ってもらえるのか」と悩むこともあるが、役員同士で取り組みの目的や意識を共有することで、活動の価値を高めていると語られた。

また今年度は、長崎県出身で影響力のある人物から平和へのメッセージを届けてもらうことで、生徒の関心を高められるのではないかと考えた。そこで生徒会長が、平和活動「長崎クスノキプロジェクト」などに取り組んでいる 福山雅治 さんに、平和へのメッセージをお願いする手紙を送った。すると福山さんは、8月9日のラジオ番組でその手紙を紹介し、自身の平和への思いを語った。さらに、生徒たちへ向けた平和のメッセージも寄せられたという。

このほか、諫早商業高校では「諫商クスノキPROJECT」という活動も行っている。生徒一人ひとりが平和へのメッセージをクスノキの葉の形をした用紙に書き、模造紙に描いた大きな木の枝に貼って展示する取り組みだ。葉の形の用紙を使うことで、少しでも多くの生徒に平和について興味を持ってもらいたいという思いが込められている。

決められた仕事をこなせば、任期を終えることができる生徒会活動だが、そのなかでも自分にできることを見つけ出して行動していく姿勢があれば、いかようにも生徒会活動の可能性は広がっていくことを実感した発表だった。

※写真は2026年3月7日県内高校教諭撮影

田口怜奈

田口怜奈

第8期ハツレポーター/長崎県在住のしまの高校生、6年前に大阪から壱岐島に移住。

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