
道端でよく目にする雑草「スベリヒユ」。家庭菜園では嫌われものですが、実は驚くべき栄養を秘めた“雑草界のスーパーフード”です。アスファルトのスキマからでもぐんぐん伸びるその姿に「たくましい雑草…」と思っていた私。しかし、道の駅 あいづ 湯川・会津坂下(福島県湯川村)で束になったスベリヒユが100円で売られているのを見つけたとき、思わず手が伸びました。雑草が食材として並んでいる…。その光景自体がすでに驚きの発見でした。


スベリヒユは、ぷっくりとした葉を持つ多肉質の一年草。強い日差しや乾燥にも負けず、夏に最盛期を迎えます。花言葉は「いつも元気」。まさに生命力の象徴です。
さらに感動的なのはその栄養価。体に欠かせないオメガ3脂肪酸を豊富に含む、数少ない植物のひとつで、ビタミンやミネラル、抗酸化物質もぎっしりなんだとか。健康を気にする人なら思わず「雑草を抜いて捨てるなんてもったいない!」と思ってしまうはずです。
庶民の食材「ひょう」として
山形県米沢市では「ひょう」と呼ばれ、庶民の食材として親しまれてきました。江戸時代中期には、米沢藩9代藩主だった上杉鷹山が倹約のために食用を奨励し、今も夏のおひたしや冬の保存食に活躍しています。地元の人々にとってはなじみのある家庭の味。雑草が長い歴史を持つローカルフードになっていることに、食文化の奥深さを感じずにはいられません。

いざ、実食!

さて私もさっそく、シンプルにおひたしで挑戦。

さっと茹でて冷水にさらし、一口!

モロヘイヤやオクラのようなトロリとした舌ざわりが心地よく、辛子醤油を少し添えると爽やかな夏の味わいに。クセがなく、ほうれん草よりも穏やかな風味で、思わず「これ、本当にあの草?」と目を疑うほど。
雑草に見えて、未来の食材
栄養価の高さに加え、環境に強く、調理も簡単。スベリヒユは「雑草」の枠を超え、未来の食材としての可能性すら秘めていそうです。道端で見過ごしていた草が、実は健康を支えるスーパーフードとは。庭先や道端で見つけたら、ぜひ一度試してみてください。もしかしたら、あなたの「雑草観」が一変するかもしれません。