株式会社サンリーハウス 代表取締役社長
Kazuaki Kobayashi
小林 和晃氏
分譲住宅、アパートの設計と施工を行う石川県の住宅メーカー・株式会社サンリーハウス。以前は不動産業からスタートした株式会社サンリーホームの建築部門でしたが、お客さまからの注文住宅需要があり、分社化しました。創業以来、会長であるお母さまと一緒にサンリーハウスを支えてきた代表取締役社長の小林 和晃(こばやし かずあき)さん。会社を分社化するまでの経緯やグループ全体で大切にしている理念、良質な住環境の提供で人々を幸せにするために行動する姿勢について伺いました。
母の不動産事業の拡大で建築部門を分社化。「よりお客さまの信頼を獲得」目指し
親会社であるサンリー・ホールディングスと小林さんとの関わりを教えてください。
(株)サンリー・ホールディングスの代表取締役社長を務めています。金沢の不動産会社に勤務していた母が個人事業主として独立し、法人化するタイミングで「会社を手伝う」と決めて、起業を下支えしました。事業を軌道に乗せるため、不動産業を一から学んできましたね。
高校を卒業してから大工として働いていた私が、住宅メーカーの会社を立ち上げるとは夢にも思っていませんでしたが、今となっては大工の経験が生きています。
グループ会社として成長していったのには理由があったのですか。
最初はアパート仲介と管理を主事業として行っておりました。管理をしているとアパートを建設した会社の良し悪しがわかってきます。お客さまから物件のお問い合わせをいただき、すぐにご紹介するにはあらゆることができた方がスムーズで、お客さまの満足度も高まります。
「アパートを借りるお客さまからヒアリングした内容を基に内外装及び間取を施せば、社員は自信を持ってご提案できるようになる」と考え、アパートの紹介から管理、リフォーム、自社で設計から施工までをするようになり、戸建の建築へと広がっていきました。
マイホームがほしいというお客さまからも要望があったのですね。
当初は建築や分譲はやっていませんでした。しかし、お客さまから土地を探したい、新築の家を作りたいなどの相談をいただき、やってみようかと動き出したのがきっかけです。
まずは社内に建築部門を置きましたが、本格的に戸建住宅へ事業の拡大を考えたとき、責任を持って納得のいくものをお客さまにお届けするには、会社の一つの部門として留め置いていいのか。設計デザインから施工まで家づくりに特化し、専門性を高めることでよりお客さまの信頼を獲得できると、2021年に建築部門を別会社として新たに立ち上げました。
お客さまの要望を叶えていった結果、事業が広がったのですね。
お客さまの要望を形にしていくことで業態が少しずつ広がっていったことはうれしい限りです。住環境をベースに業種を広げることで、サービスの向上につながっていると感じています。お客さまへ少しでも良い住環境を提供することに注力していった先に今の形がありました。
良質な住環境で人々を幸せにするために必要な姿勢とは。「クリエイター」意識で生まれる好影響
現在の事業で一番力を入れている事業について教えてください。
一般住宅の商品開発です。家を建てるとき、決めることがたくさんあります。お客さまがわからないことはすぐに対応するのも大切ですが、どんな商品があるのか、わかりやすく提案するためにもパッケージとしてまとめたり、名前を付けてわかりやすくしたり、売る側の工夫は必要です。現在も商品開発中で、今年中に新しくリリースできるように動いています。
お客さまの要望を反映するために社内で取り組んでいることはありますか。
毎月1回必ず社員全員を集めて朝礼を行っています。そこで部門ごとのミーティングを行い、それぞれのテーマに沿って意見を出し合っています。さらに節目には過去1年の振り返りと、先の1年どう取り組むかを部門の垣根を越えて話し合っています。
そこでともに働く仲間との信頼関係を築いてもらうことがポイントです。社内で相互理解があると、何かあったときはグループ内でスピーディーに対応できるので、お客さまの手を煩わせることなく、満足度を高めることにつながります。
弊社は「良質な住環境で人々を幸せにする」を使命に掲げています。その良質な住環境の定義が1人1人違います。例えば温かい家が好きな人、陽の光がたくさん入る家がいい人。家の広さや立地に重きを置く人もいます。それぞれに当てはまる住環境を弊社のグループで網羅して、お客さまの要望を叶えたいと思っています。
社員はみんな「クリエイター」というお考えを持っていると伺いましたが、良好な関係を築く上で意識されていることはありますか。
弊社のスローガン「Believe&Act.(わたしたちは、自分を信じる、そして行動する。)」がベースにあります。それぞれが「クリエイターだ」という意識を持っているとやらされている感がありません。社員の数が決して多くはない状況で、不動産業から住宅メーカーへと業態を広げることができたのは、個人が責任感を持ち、現場で判断し、意思決定のスピードを上げてきたからです。特に社員1人1人の行動力の結果です。
自分を信じて行動するためには、マインド・ノウハウ・スキルが必要です。業界未経験の場合、まずは知識や経験を積まないといけません。知識を付けるためには帰ってからビールで一息つくのもいいですが、できなかったことを振り返る、新しい資格取得のための勉強をする、といった自助努力が必要です。
お客さまだけでなく社員の幸福も考える「トリプルウィン経営」。社員を積極採用中
一緒に働く社員に求めることは何ですか。
もちろん、お客さまの願望を叶えるのが仕事なので、お客さまが一番にありますが、同じように社員も満足しなければいけないと思っています。そのためにはお客さまに貢献して、そこで社員が報酬とエネルギーを得て、はじめて会社が動き発展します。顧客、社員(=会社)、社会の三方良しとなる「トリプルウィン経営」を目指しています。
挑戦と革新という価値観のもと、感謝の気持ちを忘れず、果敢に実行すること。ここに共感していただける方だったら、弊社で成長し続けられると思います。自己研鑽(けんさん)してお客さまにたくさんの価値を届けてほしいです。
今後、さらに成長するために挑戦したいことはありますか。
社員を増やしてさらに成長スピードを上げていきます。そのため今年は、社員の採用を積極的におこなっています。能登半島地震という想定外のことがありましたが、幸いにも弊社の事務所に被害はなかったので、建物の被害があったお客さまの相談に乗るなど、受け皿になることができました。ただ、通常業務に加えてイレギュラー対応もあり、社員も休みが取れない日が続きました。
トリプルウィンを目指す場合、社員の採用を促進して、人材の育成にも力を注ぐなら今だなと。採用前に堅苦しい会社見学ではなく、お茶会を開催しています。気負いせず弊社に来ていただき、お茶を飲みながら、柔らかくもしっかりと仕事をこなす社員の雰囲気が伝わればいいなと思います。今後、店舗を増やしたいですし、事業領域も広がる可能性がありますし、挑戦は尽きません。
どういったクリエイターを求めていますか。
クリエイターというと「絵が上手」「映像が得意」など技術を持つことも大事なのですが、デジタル技術が発展する今はひと昔前に比べて、専門技術のハードルが下がりつつあります。誰もがアプリを駆使してSNS発信ができる時代ですので、1人1人がクリエイターだという意識が大切だと思います。技術力よりも、目の前のお客さまの課題を察知したり、すぐに行動に移せたりできる。そして、「自分に何が必要で何が足りないのか」「足りないものを補うにはどうしたらいいか」を考えて行動できる人がいいですね。
取材日:2024年5月15日
株式会社サンリーハウス
- 代表者名:小林 和晃
- 設立年月:2021年10月
- 資本金:50,000千円
- 事業内容:
● 建築設計デザイン・施工(住宅・アパート)
● リノベーション(アパート・マンション)
● 建物内外装リフォーム・修繕
● 建物管理業 - 所在地:〒920-3126 石川県金沢市福久2丁目1番地
- URL:https://sunrihouse.jp/
- 連絡先:076-254-1508
- お問い合わせ:https://sunrihouse.jp/contact/
この記事は株式会社フェローズが運営する、クリエイターに役立つコンテンツを発信する「クリエイターズステーション」にも掲載されています。