隣町に住む友人から一報がありました。
なんと竹の花が咲いたというので、矢も盾もたまらずに急行しました。
場所は私が住む兵庫県丹波篠山市から30kmほど離れた北隣の町、兵庫県丹波市春日町にあるお寺です。
友人はその蓮華寺というお寺の住職をされている水野晴介(せいかい)さん。
すぐにご住職の案内で、竹が生えているという本堂の裏山に登りました。
竹は墓地にもなっている裏山の斜面に生えていて、たしかにそこにある竹のほぼ全ての枝の先端に見慣れぬ、あまり花らしくは見えないちょっと麦の穂のようなものができています。
図鑑やテレビなどで竹に花が咲くという話は過去に聞いていて知っていましたが、実際に現物を見るのは初めてのことです。そのお寺のご住職さえそこの竹に花が咲いたのは初めてのことで、もちろん見るのも初めてとのお話しでした。
私のうろ覚えの記憶では、約60年に一度くらいしか咲かない珍しい現象とされていたと思いましたが、実際に文献で調べてみました。
全国的な実例を総合すると、短いもので60年に一度、長いものでは120年に一度という周期でしか開花しない、やはり珍しい現象ということでした。
昔は人間の平均寿命も短かったので、開花に遭遇する機会はよりまれなことだったことから、不吉な出来事として恐れられることも多かったようです。
多くの植物と同じく、開花した竹は種子を次代に残してそのまま枯れてしまうことが多いのですが、枯れずに残る場合もあるそうです。
さて、このような自然の神秘に出会うことができた私めでありますが、それが吉と出るのか凶と出るのかは知る由もありません。