西日本にお住まいの方はカタクリの花をご覧になったことはありますか?どちらかというと東北地方や北海道など北国でのほうがメジャーな植物だと思います。
関西地方それも兵庫県には、珍しい群生地があり、4月上旬に満開の時期を迎えました。


カタクリは古名を堅香子(かたかご)とも呼ばれるユリ科に属する多年草で、4月初旬に紫紅色の小さな花を咲かせます。
地中の鱗茎(りんけい)からとれる良質のでんぷんが片栗粉です。
北海道、東北地方の山中に多く生息し、兵庫県内では非常に珍しい群生の一つが、ここ丹波市氷上(ひかみ)町の清住(きよすみ)です。
丹波市観光協会によると、ここ丹波市氷上町がカタクリの南限の地だそうです。
特性は、芽を出し、花を開き、実を結び、地上部が枯れるまでの期間がわずか2ヶ月ほどであとの10ヶ月間は地中でゆっくり休養するといわれています。

万葉集に
「もののふの 八十少女(やそおとめ)らが 汲みまがう 寺井のうえの堅香子の花」(大伴家持)と詠まれて、古くから親しまれてきたようです。

開花を見に訪れていた方のお話では、15年ほど前にこの群生地は大雨で荒れてしまい、カタクリがほとんど咲かなくなってしまった時期もあったそうです。しかし地元・清住の集落の方たちが保護に乗り出し、ここまで回復したとのことです。
貴重な南限の地、大切に守っていきたいものです。

情報
丹波市観光協会HP