
エモーションウェーブ株式会社
取締役Shintaro Yano
矢野 慎太郎氏
福岡に拠点を構えるエモーションウェーブ株式会社は、創業者であり、代表取締役社長の末永 敏人(すえなが はやと)さんの「社員を大切する会社をつくりたい」という想いから誕生したIT企業です。学童保育向けシステムで国内トップクラスのシェアを誇るほか、技術者派遣、パッケージソフト開発、ネット通販まで多角的に事業を展開しています。今回は取締役・矢野 慎太郎(やの しんたろう)さんに、会社の原点から独自の取り組み、そして今後のビジョンについてお伺いしました。
社員が大切にされ、会社愛が育まれる会社。ふるさと九州で創業
エモーションウェーブ株式会社が設立されたきっかけを教えてください。
エモーションウェーブは、2006年に設立されました。それまで末永代表は一技術者として勤めていました。しかしSEとして会社に常駐していた時に、自社に対する帰属意識や会社愛に欠ける同僚がいました。技術の腕は確かだとしても、会社への愛が欠けていてはお互い責任感や充実感を持って働けないと感じ、技術の腕がたしかで、なおかつ自社意識を持てるような会社を作りたいという想いから設立されることとなりました。
なぜ、福岡で会社を立ち上げたのでしょうか?
九州出身である代表・末永の「地元に貢献したい」との思いが大きいです。福岡に会社を立てた理由は、UIターンも含めて九州の人が集まってくる場所だということが挙げられます。私も長崎出身ですし、社員にも九州出身者が多くいます。
矢野さまがジョインするまでのキャリアを教えてください。
私は福岡の大学を卒業後、大阪の電線業界の商社で3年ほど勤めていました。そこから大学時代にお世話になった車関係のバイト先から声がかかり、車が好きだったこともあって九州に戻りました。そこで約13年勤め、2014年からエモーションウェーブに入社しました。
エモーションウェーブに入社したきっかけはなんだったのでしょうか?
前職で店長として車の整備と営業の両方を担当していたときに、当時からご縁があった末永代表から、「IT業界の営業をやってみないか」と声をかけていただきました。
年齢的にも最後の転職だと思い、これまではIT業界とは縁がなく、畑はまったく違いましたが「やってみたい」と思い、未知の世界に飛び込みました。仕事以外にも末永代表の人柄に強くひかれたことも理由の一つです。末永代表は人情深い人柄で、社員を大事にしていることを深く感じ、「ここ以外にない」と直感的に思いました。
畑違いの領域から入社され、取締役を務めるまでには、どういった経緯があったのでしょうか?
入社して現在約11年経ちますが、私は技術者ではないので、技術の細かいところはまだまだわからないことも多いです。しかし弊社の技術者たちを信じて営業し、東京でのクライアント新規開拓や取引受注額を大きくしたことなどが評価され、取締役に着任しました。
現場の課題解決に寄り添う、国内トップクラスのシェアのシステムとは?
現在の事業内容について教えてください。
事業内容は幅広いですが、最近では主にシステム開発事業、技術者派遣事業、パッケージソフト開発販売事業、ネット通販事業を行なっています。
技術者派遣事業は会社の立ち上げ当初から行なっている事業です。技術者を40人程度と、カスタマーサポート人材を数人派遣しています。協力会社さまにもご協力いただいておりますが、質の良い方を紹介するために、自社のプロパーがお世話になっている企業さまにのみ派遣し、そこでマネジメントをすることで、より良い仕事をできるような仕組みにしています。
御社が開発した、学童保育施設の会員の入退室状況やスケジュール管理などを一元管理できるシステムが、トップクラスのシェアだと伺いました。
そうですね。交通機関を運営し、かつ学童保育も運営されている企業さまと共同でシステムの開発を行いました。
というのも、通学でご自宅から学校へ電車通学をする児童も多く、下校ももちろん電車になりますよね。そこで交通機関が運営する駅に隣接して学童保育が開設されると、保護者も預けやすい。そこで交通機関と学童保育を運営する企業さまとタッグを組みました。

どういったシステムなのでしょうか?
その学童保育での児童の出席管理をするために、お子さま自身がカードをかざすと、保護者にメールが飛び、お子さまが学童保育に来たという通知がいきます。帰宅時も同じく、カードをかざすことで、今から帰るという連絡になります。
さらに学童業界では、業界にしか存在しない細かなルールがあります。弊社システムが導入される前までは、それを網羅するシステムがなく、現場ではエクセルなどを駆使し事務作業を行っていました。弊社システムが導入されたことで、事務作業を一気に管理することが可能となりました。なおかつ、情報の一元管理やセキュリティーに関しても網羅できることにつながっていきます。

ネット通販事業はどういったものなのでしょうか?
ネット通販事業は、ゴルフ関連用品から始まりました。今では野球やランニングなどほかのスポーツ用品やサングラスなどのアクセサリーも取り扱っているほか、消臭剤、サプリメントなどの販売も行っていますよ。安いものをたくさんではなく、質の良いものをきちんと届けていくような仕組みにしています。
パッケージソフト開発事業の一例だと、バスの位置が分かるシステムを販売しています。例えば、自動車学校の送迎バスや、病院が行なっている人工透析通院に対しての送迎車のサービスなどに利用されています。いずれもバスの現在地について問い合わせが頻繁に来たり、事故渋滞などによって指定の時間に遅れることによるクレームが入ったりして、業務が回らないと相談されたことがきっかけでした。細かなカスタマイズも加え、よく使われているGoogleマップと連携することで、老若男女問わず簡単に今バスがどこを走っているか把握できるシステムになりました。

「社員が働きやすいこと」が第一の基本姿勢。ユニークな福利厚生とは
エモーションウェーブさまの強みはどこでしょうか?
大手に比べて行動力やスピード感があることが強みだと思います。お客さまからの要望や思いを細やかにくみ取り、早急に対応して進めていくことができます。
矢野さんは営業を担当されているとのことですが、技術サイドと営業サイドで齟齬(そご)が生まれることはないのでしょうか?
確かにシステム開発やプロジェクトを進める際に、お互いに想定することと認識が違う場面はあります。その時には見積もりや工数面を一緒に見て、今後の進め方やお客さまへのアプローチに関してとにかく話します。
私としてはエンジニアたちがしっかりと質を担保して、工数がかかることを伝えてくれることはすごくうれしいです。これに対して、営業としては1円も値引きせずに挑みたいと思っています。
弊社の技術者は、みんな優秀なので自信を持って営業をすることができます。
ユニークな福利厚生もあるようですが、どのようなものでしょうか?
飲み会・会食費用を補助する「飲ミーツと知るランチ」を実施しています。費用は会社が補助しますが、仕事の話はしなくても良いんです。これは人事部のアイデアで2022年から始まり、現在も定期的に社員が利用していますね。
この企画を導入したことで、社員同士の垣根が低くなり、スムーズにコミュニケーションを取れるようになったと思います。システム開発は各自集中して作業することも多く、どうしても社内が静かになりやすいんです。しかしそれだと、わからないことがあっても聞きにくい空気が生まれていました。この「飲ミーツと知るランチ」が実施されたことも相まって、結果的に社員間のコミュニケーションが取りやすくなり仕事の効率が上がり、すぐに打ち合わせが始まるような様子もみられるようになりました。
感動・挑戦・自愛の3拍子でお客さまに貢献
どのような会社にしたいとお考えですか?
全社員と向き合って会社を大きくしていきたいです。
ただそれ以上に働いている社員が「ここにいてよかった、これからもここで働きたい」と、やりがいや喜びを感じられる職場であり続けたいです。社員がモチベーションを持って働いてくれることは、会社にとっても大きな財産だと考えています。
「やりがいや喜び」とはどういった瞬間に訪れると思いますか?
いろいろな場面があると思いますが、その中でも共通しているのは“自分の仕事を達成すること”。もう1つ“後輩が育つこと”がやりがいだと感じる、と思っている社員は多いと思います。
営業側の私としては、受注をいただいた時はとてもうれしいですね。
一緒に働く社員に対して、会社としてどのようなことを求めますか?
「自分の意見を言える人」ですね。正解じゃなくても良いので、しっかりと自分の意見や言葉を伝えてくれる方がありがたいです。
弊社は「社員第一」で考えているので、社員の思いは極力叶えたい。自分のやりたいことを伝えてくれることで、そのアイデアを事業やルールに組み込むこともできます。
さらに「感動・挑戦・自愛」をビジョンに掲げているので、自分を好きであることもとても重要ですね。自分を大切にしてこそ他者を思いやれるので、長期的に見ればお客さまへの貢献につながると考えています。
取材日:2025年7月9日
エモーションウェーブ株式会社
- 代表者名:末永敏人
- 設立年月:2006年11月
- 資本金:1,800万円 (グループ合計2,200万円)
- 事業内容:システム開発事業、技術者派遣事業、パッケージソフト開発事業、ネット通販事業
- 所在地:〒815-0037 福岡市南区玉川町2-1 大連ビル3F
- URL:https://www.uewave.com/company/index.html
- お問い合わせ先:092-552-0205
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