〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
香川県小豆島(しょうどしま)の南にある坂手港から、坂を5分ほど登ったところにクラフトビールの醸造所とお店がある。その名も「まめまめびーる」。
今回は「まめまめびーる」の製造販売を行う「合同会社ナカタ」の代表をされている中田雅也(なかた・まさや)さんの妻・中田史子(なかた・ふみこ)さんにお話を伺いました。
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「せっかくビールをつくるならきれいな景色とおいしいものがあるところで!」小豆島への移住を決意
中田さん夫婦は小豆島で醸造所を開業するため、2016年5月に移住。新型コロナウイルスの流行前は、アルバイトの方にもお手伝いをして頂きながら製造を行っていましたが、現在はご夫婦お二人で製造販売などの全般の業務を行っています。
2012年にご結婚された当時、雅也さんはサラリーマン、史子さんは美術館にお勤めで、クラフトビールの製造は行っていませんでした。2014年に雅也さんが当時勤めていた会社を退職し、本格的に岡山の醸造所で修行、その後小豆島で製造を始めました。
起業にあたって、もともとは関西圏内の都市部以外で探していましたが、「せっかくクラフトビールを造るのなら、きれいな景色や美味しいものと一緒に味わえないのはもったいない」と思い、小豆島を訪れた時に「ここだね」と違和感なく直感で決めたとのこと。現在の醸造所とお店として使っている物件が空き家になっていて活用ができる状態であったり、住居として住める家もあったりと条件が揃い「最後はご縁かな」と思ったそうです。
「まめまめしく真面目に」店名に秘めた想い
「まめまめびーる」という名前の意味を伺いました。小豆島の真ん中の「豆」と誠実にほねみを惜しまず真面目によく働く「まめまめしい」を合わせて、なによりも簡単に覚えてほしいのですべてひらがなでまめまめびーると決めたそうです。
ビールの製造は1年中行い、1回の仕込みで1種類のビールを造ります。現在、仕込みの為のタンクは5つあり、タンク内で発酵が進むと樽に移し替えて熟成させます。タンクが空くと次のビールを仕込んでいく作業を繰り返す、ほんとうに大変な仕事です。「まめまめびーる」ではろ過を行わないため、酵母が生きた状態のまま飲めるのだとか!。
定番ビールは6種類あり、返礼品はそのうち5種類のビールからよりどり6本セットになっています。クラフトビールは、全く同じものを造るのは非常に難しくその時々により変化します。逆にその変化を目当てに、高松市や京阪神方面から足を運ぶお客さんや夜行フェリーを利用して日帰り旅を楽しんでいく方もいらっしゃるのだそうです。
「可能性は無限大」 クラフトビールの多様性を知って欲しい
「返礼品を通じてもっとクラフトビールの多様性を知ってもらいたいです。一方通行ではない双方向のつながりを大事にしていきたいです」と史子さんは熱く話して下さいました。
かさねて「小豆島産の材料との組み合わせで可能性は無限大です。そして、扱いづらく難しいものは作り手としてやりがいを感じます」とも話されました。今後、どんな商品が誕生するのか楽しみですね。
小豆島の南にある坂手港から北に少し傾斜きつい坂を5分ほどのぼり、少し汗ばんだ体によく冷えた「まめまめびーる」。それを片手に史子さんの手作りの料理をいただきながら瀬戸内のきれいな風景を楽しむ。なんていい時間なんでしょう。一度は経験してみたいですね。