日本が舞台になっている海外小説といえば、英国諜報部員ジェームズ・ボンドの活躍を描いた「007は二度死ぬ」(イアン・フレミング)、『忠臣蔵』『新選組』を意識したプロット「四十七人目の男」(スティーヴン・ハンター)などを思い浮かべる方もいるでしょう。オリエンタルな文化、美しい四季の移り変わりなど、海外から見た日本の魅力や風習は日本に住んでいると案外と気づかないもの。
そこで今回は「もう日本以外の場所に住むことは考えられない」と語る英国人女流作家Poppy Kurokiさんに、上梓(じょうし)したばかりの小説「Gate to Kagoshima」についてお話を伺いました。
Poppy Kuroki
幼い頃、フロリダのテーマパークに行ったことをきっかけに日本文化に興味を持つ。その後独学で日本語を勉強し、東京に1年間留学。帰国したものの再び来日し、最終的に日本に住むことを決意する。
特に日本の歴史と建築についての造詣が深く、これが幕末のラストサムライとスコットランド人女性がモチーフとなった新作「Gate to Kagoshima」(2024年6月6日発売)を執筆する原動力となる。
目次
―今回の新作のテーマは鹿児島が舞台です。そこを選んだきっかけは何ですか?
私はサムライとスコットランド人女性をメインに胸が締め付けられるようなラブストーリーを書きたいと思いました。鹿児島は本当の「最後のサムライ」(西郷隆盛)の故郷であり、主人公のアイラとケイの物語の舞台として大変理想的な場所でした。
―執筆の際に一番難しかったことを教えてください。
忠実な史実に基づいたストーリー作りをしたかったので、調査の範囲も量も膨大となりました。加えて、信頼できる正確な情報を見つけるのも難しかったですね。鹿児島には数日しか行けなかったので時間が足りませんでしたがとても楽しく、苦労した甲斐がありました。再び鹿児島に行けるのが今から待ちきれません。
―日常生活の中で、どのようにしてテーマのインスピレーションを得ているのですか?
建物、人、歌、「もしもこうだったら…」というイメージなど、何でもヒントの元になります。また、仮想の人物像を描いて、その方と人生についての物語を作り上げることもありますね。少し哀しかったり、反対に心が踊ったりするような歌の歌詞や、「もしこんなことが起こったら?」というささやかなきっかけからストーリーを思いつくこともあります。もちろん、こうしたアイデアのほとんどが実際の作品になることはないですけれどね。
―執筆以外の空き時間には、何をしていますか?
たくさん本を読み、PlayStation 5やNintendo Switchでビデオゲームも楽しんでいます。家族と一緒に過ごしたり、息子をいろいろな場所に連れて行ったりするのも好きです。最近、漢字の勉強を再開しましたが、いつかはマスターしたいと思っています。また、料理をしたり、カフェやレストランで友達とおしゃべりするのも大好きです。
―どんな方にあなたの作品を読んでもらいたいですか?
そうですね、タイムトラベル、運命的に引き裂かれた恋人たち、実在の歴史や歴史上の人物、日本のサムライが登場するストーリーをお探しなら「Gate to Kagoshima」を気に入っていただけると思います。鹿児島や熊本に住んでいる方やその近辺に住んでいる方にも興味深い内容だと思います。
―今後の予定は?
いま、このシリーズの次作を執筆中です。日本の歴史の別の部分を舞台にする予定です。また、他のプロジェクトにも取り組んでおり、近いうちに皆さんにご紹介できることを楽しみにしています!
―最後に、読者の方々へのメッセージをどうぞ!
ここまで読んでいただきありがとうございました。「Gate to Kagoshima」を読んで、アイラとケイのストーリーを楽しんでいただければ幸いです。
―ありがとうございました。
(原文は英語)
Poppy Kuroki @kurokibooks