夜の灯台を特別体験。幻想的な海辺を歩く「ナイトウォーク」開催【福島県いわき市】 

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珍しいエメラルド色の灯光の写真を撮る参加者ら=8月11日、福島県いわき市(筆者撮影)


福島県いわき市の塩屋埼灯台を舞台に、夜の灯台と周辺を歩く特別な体験イベント「とよまの灯台ナイトウォーク」が8月11日に開かれた。塩屋埼灯台活性化プロジェクト実行委員会(とよまの灯台倶楽部、いわき演劇クラブ)が開催したもので、日本財団「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施。灯台を通じて海の記憶を掘り起こし、地域と世界をつなぐ試みとして、灯台ファンや市民ら約30人が参加し、点灯直後の幻想的な姿や夜の海辺の魅力を体感した。

地域住民のほか神奈川県や埼玉県からの参加者も=11日、福島県いわき市(筆者撮影)

塩屋埼灯台は、船の大型化や物流の活発化、船会社や地元漁業者からの要望を受け明治32年に完成し、現在は2代目となる。映画『喜びも悲しみも幾歳月』や美空ひばりの名曲『みだれ髪』ゆかりの地としても知られ、今も幅広い世代に親しまれている。

思い思いの灯台の姿を写真に収める参加者=11日、福島県いわき市(筆者撮影)

参加者は、特別開場された塩屋埼灯台MUSEUM前広場で、点灯直後のわずか数分しか見られない珍しいエメラルド色の燈光を見学。案内役の小野陽洋さん(とよまの灯台倶楽部代表)から、灯台の歴史やレンズの仕組み、周囲の景観などについて熱心に耳を傾けた。このほか、オリジナルさかなのぼりの掲揚や海上保安庁職員による航路標識の解説も行われた。

灯台前の広場で説明を聞く参加者=11日、福島県いわき市(筆者撮影)

その後、一行は徒歩で約10分離れた豊間漁港へ移動し、港から見える灯台を鑑賞。間近で見る灯台の姿をカメラに収める参加者の姿が多く見られた。

2枚のレンズが30秒で1回転するので、15秒毎に灯台の光が回ってくる=11日、福島県いわき市(筆者撮影)

参加者からは「市内に住んでいるが、今回初めて上った。良い思い出になった」「こんなふうにたくさんの人が夜の灯台に出会える機会を作ってほしい」といった感想が寄せられた。

案内役を務めた小野さんは「寄せられた意見・要望を活かし、また皆さんといろいろな企画を通じて灯台のある風景やまちを一緒に楽しみたい」と語った。

取材協力:とよまの灯台倶楽部関連記事:演劇がつなぐ海と街、記憶と希望─塩屋埼灯台から広がる“人生の物語”【福島県いわき市】 (https://thelocality.net/gekidangokigenyou-shioyasakitoudai/

昆愛

昆愛

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また2024年、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「天文文化史で地元の魅力発信?九曜紋が導く新たな誘客構想とは【福島県南相馬市】」で渡部潤一奨励賞を2年連続受賞。

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