「お客様へのおもてなしは平等」温泉のようなあたたかなサービスを提供する女将の思い。湯ノ沢温泉日勝館【秋田県湯沢市】

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 秋田県湯沢市に位置する温泉宿「湯ノ沢温泉」。女将である鎌田直美(かまだ なおみ)さんにお話を伺った。「従業員と常連客に恵まれており、仕事で大変なことはほとんどない。宿泊でも日帰り温泉のみの利用でも、お客様は皆平等におもてなしする」という、目の前の顧客を大切にする姿勢にはまるで温泉のような心のあたたかさを感じた。

「針一本落としても見える」と言われるほど透明な湯

 鎌田さんが女将を務める「湯ノ沢温泉」は、1905(明治38)年に先々代の鎌田武吉翁が源泉を発見し宿を建設したのが始まりとされている。「針一本落としても見える」と言われるほど透明な湯が特徴的であり、窓から望める緑豊かな自然と共に温泉を楽しむことができる。

地域の内外を問わず人々に愛される湯ノ沢温泉

▲鎌田直美さん

 もともとは秋田市で働いており、結婚を機に温泉宿を継いだという鎌田さん。現在は旅館と日帰り温泉という二つのサービスを中心に提供している。そんな彼女は「これまでの仕事で大変だったことはほとんどない」と語る。従業員や常連客に恵まれ、楽しく業務を行っているそうだ。

 実際、湯ノ沢温泉を利用する人々は日本各地から一年に何度も訪れているリピーターが多い。また地域イベントに協賛したり、小学生のまち体験の取材先としてインタビューや温泉体験を行ったりと、湯沢市の地域住民との距離の近さも印象深かった。地域の内外を問わず多くの人々を魅了している。

「宿の利益」よりも顧客に真摯に向き合う姿勢

筆者に取材を受ける鎌田さん(右)

 女将として大切にしていることを聞いたところ、鎌田さんは「日帰りか宿泊かに関わらず、どんなお客さんであっても平等におもてなししています」と笑顔でそう答えた。温泉だけ楽しむか、宿泊や食事を共にするかといった点で、提供するサービスはかなり違ってくる。しかし宿への利益に関係なく、目の前の顧客に喜んでもらうことを目指しているようだ。このような顧客への真摯さも、湯ノ沢温泉が愛される理由なのではないか。

「温泉」と「誠実で朗らかな人柄」ふたつのあたたかさがひきつける

 今後の展望として、現在のペースを崩さずにサービスを提供していきたいという鎌田さん。湯ノ沢温泉は林地の中にあり、アクセスが困難な人々もいることから、大々的な宣伝は行わず今持っている魅力を維持していきたいということだ。

 癒しを届ける温泉と彼女の誠実で朗らかな人柄、二つのあたたかさはこれからも人々をひきつけるだろう。

情報

湯ノ沢温泉日勝館
住所:秋田県湯沢市下院内字湯ノ尻山湯ノ沢国有林地内
入浴時間:宿泊…24時間利用可能 日帰り…9:00~18:00
価格:
宿泊…一人9,000円(一泊二食付き) 
日帰り…大人500円 小学生200円 幼児無料
*湯ノ沢温泉日勝館パンフレットより引用

ふるさとミライカレッジ×ローカリティ!in湯沢院内

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「ふるさとミライカレッジ」は、秋田県が進める地域づくりワークキャンプです。
今回はカリキュラムのひとつとして「ローカリティ!」が湯沢市院内地区においてワークショップを実施し、参加した大学生たちが地域の人に出会い、祭りや地域の宝、そして日々の営みを取材をし、記事制作を行いました。

その土地に、何か想いを持てば、 そこはあなたの大切なふるさとになります。 大学生のフレッシュな視点で綴られた、地元愛爆発の素敵な記事をご紹介します!

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